アート&サイエンスコース
2018.02.04.Sun
スーパーサイエンスコース担当の竹内です。当コースでは、生徒の関心事を起点とし、学びのデザインを最適化するスタイルを採用しています。わかりやすく言うならば、食堂の親父が注文を受け、「よしゃ、今から魚を、釣ってくるわ!」って感じです。酷く無責任に聞こえてしまうでしょ? 実は、ここが盲点だったのです。
そりゃ、予め用意をしてあれば良いのでしょうが、それは頭で考えただけのコトです。通常の教科書や問題集を使った学びには、このアドリブ性がありません。でも、社会の実務の最先端では常に、予期せぬ問題ばかりだから、この方法で学ぶと何処へ行っても一定のクウォリティで仕事が務まります(海外でも通用しますよ!)。
私が知らずに身に着けていたこの奥義の発現する機序を自分で分析できていませんでしたが、生徒を個別に指導するようになって初めて仕組みの謎が解けてきました。実は準備は要らないのです。もっと正確に言えば、真の実力を養いたかったら「準備は禁物なのではないか」とすら気づきました。重大な発見です。これは従来の学校教育のシステム(教科書や問題集など既存の教材を使う学習方策)と真反対だからです。
多くの人が教員は同じ内容を繰り返せば、どんどん熟達すると信じ込んでいます。が、嘘です。私は常に新しい知らない課題と取り組む方が感性が研ぎ澄まされ、経験が蓄積していく実感を味わっていますもの。これは能力の差ではなく、この方向性で開発してきたか否かの差です。なぜならば、私の生徒たちに伝授できているもの。
例えば、昨年末、魚と寄生虫が好きだと言う生徒がコースを希望して来ました。さて、私は魚が専門でもなければ、寄生虫などほとんど無知でした。でも、でもです。一旦、やると心に決めたら、魚も寄生虫も、不思議なことに向こうからやってきたんです。困ったことと言ったら、年末の仕事納めの日だから、それが吸虫のセルカリアだと知って狼狽しました。が、直ぐ専門家にコンタクトして仲間入りできたのです。制限時間一杯だからこそ専門家に呼び掛ける勇気が振り絞れ、私の「安心して年越ししたい!」苦悩に相手も真摯に応じてくれました。
年が明けて、風力発電に関心がある高校生を迎えました。またまたギャップあり過ぎで困ったな・・が正直な感想でした。が、この梅田という立地を活かせないかと生徒と議論する中で、ビルの谷間に吹くビル風と関連づけられないかと思いつきました。通学路にいつも吹いているビル風があるそうです。そのような場所を見つけ出すための気象観測用のデジタル化した機器が格安になっているのを知りました。これでイケます!
・・となって心にスイッチが入ると、あとは自動操縦モードに人間の脳や心が働く仕組みがあるようです。外を歩く度に、風に対する感度がアップしたのを感じました。今まで私は外を歩いても、こんなに風の存在を感じることはありませんでしたもの。興味のアンテナ(触覚)が立つと、人間の感性は蘇るんですね。
そして昨晩、ついに「つむじ風」が起こる現象と遭遇しました(動画)。学びで大切なコトは、人間の無意識の領域にある関心を持つ「スイッチ」を入れることです。この躍動感が従来の「授業を聞き、試験で点採る」学びのシステムには欠落しています。血肉になろうはずがありません! むしろ魔族に魂を売る背信行為です。偉くなっても狡賢い人々は、こうして湧いて上層に巣食い、社会に害毒を撒き散らすのです。真の自信でなく虚勢だからです。考えても見て下さい。ホントに自信がある人たちが悪いコトする理由など、ないじゃないですか?
同じコトを10年教えて達人(?)になるルートと、毎回、異なる課題に挑戦しながら苦闘しつつも柔軟な感性を磨くルートと、どちらが教える側の教員としても教わる側の生徒としても幸せでしょうか? 私は迷わず後者をお薦めします。そして実際、私も楽しく、生徒たちもイキイキとしてきます。秘訣は、黙って心の奥底にあるスイッチを押すだけです。あとは自動操縦で寄生虫もつむじ風も勝手にやって来たのです。魔法みたいでしょ?
これから先は? それは、知りません。第一、結果が解っていたら、それでは挑戦ではないし、取り組み甲斐もないからです。でも、自分なら何とかできる気がします。これがPX2セミナーで教わった「エフィカシー」の感覚であり、自信の拠り所です。試験の点数や成績とか、合否や採否の結果ですら、エフィカシーの域に届きません。エフィカシーが得られない学び方には、私は危うさを感じますから学校教育の設計には、新たな見直し作業が必須だと思います。世界と比べて日本の若者が著しく自信喪失しているのには、相応の原因があったのです(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。
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画像・左:円運動をする物体を目撃(矢印の先;大阪梅田のブリーゼブリーゼ前)、同・中:つむじ風を巻き起こしていた原因と思われるモノリス状の3枚の看板(画像の右端に等間隔で、微妙にズラした配置)、同・右:何のタネも仕掛けもないタダのレジ袋でした(誰かが隠れて、リモコン操作しているように見えました!)。
付記:1月1日付けで大阪校のスーパーサイエンスコースへ編入してきた辻中潤くん(1年生)は、「風レンズ」を備えた風力発電装置を見学に家族で九州大学まで行ってきたそうです。ダイソンの羽根がなくても風が起こせる扇風機の逆バージョンで、周辺の風を集めて風車を回す仕掛け(2~3倍も効率化する)だと思います。
今回の不思議体験・・ビルの「谷の風」はヒントを示唆してくれた気がしています。店舗のBreezeには「そよかぜ(微風)」と言う意味がありますが、ビル設計に際して故意に玄関に風が吹くようにしたのか否かは定かでありません。故意ならば、スゴイ策略です。私はラジコン仕掛けかと興味を惹かれたことになりますから・・。
謝辞:当コース2年生の後藤大空くんには昨晩、私が撮影した動画ファイルの調整をお手伝いして戴きました。記して感謝いたします。大空くんには従来のインタビュー授業から4月以降は、いくつか後世に伝えていきたい実験手法の動画を編集する活動に従事して「サイエンスコース」で蓄積した実験技法の動画教材化を始めます。
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ルネサンス高等学校 (大子校)
2021.03.02.Tue
ルネサンス高等学校 (大子校)
ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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