バイオフィルムに見たバイオ・ネットワーク(2018年07月18日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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バイオフィルムに見たバイオ・ネットワーク(2018年07月18日)

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バイオフィルムに見たバイオ・ネットワーク(2018年07月18日)

バイオフィルムに見たバイオ・ネットワーク(2018年07月18日)

自然のまま生えたい放題にした微生物群集のコンソーシアムには、純粋培養系の微生物学では理解し難い構造物が作られます。それを理科室でカネヒラ(タナゴの一種)を飼育している水槽の中に浸漬したスライドガラス上に再現されました。同じようなネットワーク構造が、至るところに形成されているのでしょう。

先頃、英国 BBC が植物同士が地下の根系から伸びた菌類の菌糸が形成するネットワークで双方向の情報連絡網があるという動画を配信していました。真正粘菌=変形菌(真核生物)は、ネットワークを形成することで知られています。粘液細菌(原核生物)に場合も、似た集団的な社会行動を採ることが知られています。

しかし、同種の集合体(個体群)だけでなく種類を越えて群集が混在したまま何らかの統合的ネットワークを形成し、情報伝達するという概念は最近(高々10年)になって、認識されてきた知見だと思われます。真逆で、デタラメでランダムに分布せよという方が無理難題なのかも知れません。自然発生した細菌群集がつくるバイオフィルムも、その例に漏れません。

今回、飼育水槽の中に数日間、浸漬したスライドガラス面に形成されたバイオフィルムは、培養菌株が見せる顔とは全く異質の姿を見せてくれました。どう見ても「ネットワーク構造」を感じさせるデザインです。染色してみると、単独の桿菌と球菌もいますが、連鎖して鞘に収まっている糸状性細菌、隔壁はハッキリと見えませんが徒長した糸状性の細菌、糸状菌と思われる太い菌糸が混在しつつも、調和が採れていました。

口腔内で形成される歯垢・歯石のような微好気から半嫌気状態、さらにヘドロ電池の電極付近など嫌気状態でもネットワーク構造を秘めたバイオフィルムが作られている可能性が高いと目されます。純粋培養系と異なり、複合微生物系では何らかの情報統合ネットワーク構造が発達してくるのが通例なのかも知れません。行き着く先に何があるのか未踏の領域ですが、自然の中でありのままを見せる微生物の生態学研究の動向の行く末に着目して行きたいと思います(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・上段左:位相差顕微鏡で検鏡中の1年・今村奏音さん、同・上段中:飼育水槽に浸漬したスライドグラス一式、同・上段右:ガラス面に生じた生物汚損(biofouling)の状況、同・下段左:ガラス表面に形成された微生物ネットワーク(暗視野、対物x10)、同・下段右:グラム染色(フクシン)した同一試料の標本(透過光、対物x100油浸)

付記:上記BBCの動画では、高等植物(主に樹木)がネットワークのハブの位置を占めます*1が、飼育水槽の中には何がハブの位置を占めていたのでしょうか? 今村さんと私は、試料が乾く前、原生動物のツリガネムシVorticella sp)がガラス表面に固着していたことを確認しています。それが、観察条件が異なりますので、メカニカルステージの座標を読んで正確に重複して観察しないと倍率も条件も異なりますので、判定は容易でありませんが、樹木の位置に鎮座していたのはツリガネムシかも知れません。ツリガネムシ同士がガラス面を介して個体同士で情報通信やっているとしたら、何だか夢がある話だとは思いませんか。ツリガネムシは環境が悪化すると、本体だけ離脱して泳ぎ出し新天地を探しに行く性質があります。そうです。自然は、高校生であるあなたの手で探検されることを待ちわびているのです(竹内記)*2

*1 BBC動画制作の元となった国際的な共同研究によるネットワーク解明に関するNature Communicationsの掲載記事の概要(京都大学のサイト)。

*2 本稿では、敢えて未確認情報を記載しています。これは、読者にまだ解明されていない謎がそこら中にあり、かつ高校レベルの実験設備でもある程度、着手できる課題だから読者の好奇心を揺すぶり、探究学習へのモチベーションを刺激することを意図しています。以前、小澤昭弥先生と「あれもわからない。これもわからない。」の論調で「分かってないコトを満載した教科書を作りたいね。」と話したことがありました。その約束を果たす意味で、敢えて突っ込んで調べていません。興味をそそられませんか? 研究なら大学へ行ってから、やればいいのでしょうか? そうでもありません。実は大学で面白い研究が自由にできるとは限らないのです。最初から一定の学問水準を要求されるからです。逆に、ズバリ高校時代に向いた、意外と独創的な実験は厳然として生まれ得ます。そこで設備や技術面で行き詰まったら、それこそ大学の研究室の門を叩けば良いのです。

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