観察と傾聴で進む"生徒本位"の教育(2018年08月08日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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観察と傾聴で進む"生徒本位"の教育(2018年08月08日)

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観察と傾聴で進む"生徒本位"の教育(2018年08月08日)

観察と傾聴で進む"生徒本位"の教育(2018年08月08日)

スーパーサイエンス(通学)コースでは講義や試験に頼らずに、Project Based Learning(PBL)、すなわち「探究学習」や「創作学習」を行っています。1人や2人の教員ではバイアスが生じるため外部機関(例えば、リバネス関係者からのメンタリング、プロのコーチからのコーチング、外部開催のワークショップへの参加など;現時点ではいずれも無償サービスを受けられる)のリソースを利用させて貰っています。さらにグループ内の生徒同士が感化し合う相乗作用の効果が予想外に大きいことが経験を通じて判りました。

学校の教員は一見、集団で活動しているかのように見えますが、実際には「個人商店」の集合体に私の目には映ります。恐らく何処かに例外はあるのでしょうが、教育現場で教育論議が交わされ、ノウハウが蓄積してきた例は見聞きしません。部分的に地学団体研究会(AGCJ)や仮説実験授業研究会など、私が学生時代から見聞をしてきた例はあります(ルネ大阪でも昨日と今日の2日間を、理科室で一部、セッションが開催され、私も場所を提供する意味で同じ空間にいました)。

しかし、通信制高校の生徒を観察する限り、生徒や保護者が求めているニーズは、教科教育以前の段階に問題の「核心」があるような気がしています。野尻湖発掘調査で有名な地団研や仮説の実践活動が無意味だとは言いませんが、興味を持ち、活動し、成長していくべきは肝心な生徒本人(あるいはグループ)であり、保護者や教職員は陰日向に生徒を支援する役割だと私は捉えています。

無論、生徒への指導がいつも成功するとは限りません。過去4年間の実績で高々50%を若干、上回る程度と思います。しかし、たとえコース担当者の方針に合わなかった生徒たちでも、「合わなかった」という一つの結論が次へ進むキッカケになるだろうと、私はそう解釈しています(曖昧に時間だけが過ぎてしまう方が気の毒だと思います)。

私自身は、かつて行政実務から科学研究に転向した身ですので、良くも悪くも従来の学校教育の因習を踏襲していません。その目で見ると、学校教育はゼロ・スタートに映り、無限の研究開発の余地があるように見えてくるのです。昨日に引き続き、サイエンスコースで1年間で急成長した生徒の例(新保雅史くん、大1)とサイエンスコースを離脱したけれど、私の目の届かない場所で伸びた例(通学コースを辞め、通信課程のみに切り替えた宮森芳弥くん、現2年)の例をご紹介したいと思います。

私が掴みどころが見つからなかった新保くんの糸口を発見したのは、理科室でグループで交わされていた会話の一端からです。彼はふと口にした「僕は小学生の頃、俳優になる養成所でレッスンを受けてたんだ。」の一言がカギとなりました。ふと、彼の顔を見ると別の大人が見えました。私は直感的に、「コレは・・」と感じました。「今の新保くん」が「本来の新保くん」でないと実感したのです。

恐らくその後の学校生活で、彼の自信を喪失させるような出来事があったのでしょう。閉じていた殻に小さな穴ができました。その日以降、私は事あるごと「あの日の会話、覚えている?」という確認を繰り返しました。それは折角、空いた穴*1が再び閉じてしまうのを阻止したかったからです。彼を本来の軌道に戻すには、あの小さな穴は突破口になると見たからです。以降、私が採った提案、農場のサマーキャンプへの参加、厳冬期の農場でのインターンシップなどは具体的な実践でしたが、その起点は最初の突破口を見つけたことにあります(能勢農場とのご縁も、もともとは河脇姉弟によって結ばれた経緯があります)。

*1 この穴こそ、国際バカロレア(IB)で重視する学習者が備えるべき10項目の一つ、open-mindedであることで、学習者の心が開いているか否かの論点です。心閉ざしていれば当然、学びは成立しません。ルネに来る生徒は、どこかで「自分を守るため」に壁を作ってしまっています。時にはマスク、お面、帽子、ヘッドフォン、リュックなど、無意識にも様々な兜鎧(プロテクター)で守りの重装備しているものです。マスコットを各自のチャーム(お守り)に持つようになると攻めの積極姿勢に転じたことが解ります(新保くんのチャームである「虫かご」には、その意味が込められています)。

実は、突破口を見つける力が、研究開発で要求される「閃き」の力です。決して考えた末に得られる力ではありません。特に理由はなく、「引っかかる」程度でも「気になる」のです。このセンスは、感じるセンス(感性)なので、むしろ知識を重視したり、思考することで遠ざかります。学部や大学院教育に至っても、この不思議な「閃く」力を鍛えるノウハウを蓄積しているとは思えません。ホントは鍛えていくことも可能だと思うのですが、誰もそこに目を付けていないと、私は睨んでいます。

もう一人、宮森くん(2年)の場合、SNSで最近、偶然みたイラストが目に留まりました。曰く言い難い魅力に溢れていたのです。それも、ものすごく「引っ掛かる」感覚があったのです。すると、その作者が、あの宮森くんだと知りました。私は「え?」と思いました。なるほど、確かに彼の絵柄だと名前を見れば繋がります。が、彼のどんよりと暗かったイメージはすっかり払拭されていました。

彼は己の道を歩みつつも、通信生として権利のある部活、コーチング・クラブに参画してきました。その前後にLINE交信で彼との間で最後の応酬がありました。教育は畢竟、「格闘技だ」と思えることもあります*2。時に押し、時には引き、やるだけのことをして、しばし時間の経過を待たなければならないこともあります。彼には、1年生であるため仕方ない一面もありましたが、母親の影響下*3にあることを感じていました。決して悪気がないのは解ります。が、生徒が成長するためには、親や教員は距離を置かなければならない時が来るのです。これは、本能的に判断するしかありません。

*2 ここで言う「格闘技」とは、相手を打ち負かす勝敗を決するとの狭い意味ではなく、相手に対し、誠心誠意の真剣勝負に出ることを意味します。*3 欧米では子の教育に対する決定権には父親が占める割り合いも大きいのだが、日本では伝統的に家庭内案件なので母親に委譲されている感が根強い。

私は彼にLINEで「お母さんとの関係で最近、何か変化はあったの?」と問い掛けました。ズバリ的中していたようです。彼は母親から「呆れられて(本人の弁)、そんなにまで言うのならば自分の好きにしなさい。」と良い意味で"見放された"のです。すると、肩凝りから来る痛みも軽減されたそうです。束縛からストレスを発症し、それが過去の迷走を招いていたと思われます。もとより、親に悪意などあろうはずがありません。教員とて同様です。生徒にとって教員は必要な助けですが、本人が自分の力で立てなくなるのでは、本末転倒です。常に生徒を中心に据える*4必要性があります。言い換えると、相手から手を引く距離感*5が大切なのです(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

*4 教育観には主導権を教員が握るか生徒が握るかで、Teacher-centered vs Student-centeredの対立図があります。従来の方式では聞くだけの受け身なので、コミュニケーション能力は身に付かない。*5 「付かず離れず」の感覚であり、離れていても意識を向けておく・・そんな感覚なのであろう。

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画像・左:新保くんからのお便りから「スーパーサイエンスコースで身に付けた、失敗を失敗じゃなくする力で(云々)」のくだりが実に絶妙、同・中:宮森くんがネット販売に出していたアクリルバッチが私の目に留まり購入に至る、同・右古宮昇(心理学PhD・臨床心理士)著『はじめての傾聴術』(ナツメ社、2012年刊);米国で学位を取得し、現地で就労してきただけに独自の視点が目立つ。只者ではないと思いきや、若い頃にもうハンパでないご苦労を積まれた方でした。はぁ、艱難汝を玉にするですね。

学校教育は「ブルー・オーシャン」2017年10月3日)新保くんと宮森くんの2人を揃って、神戸市の脳科学教育コンサルタントのクロス・ジャマールさんのところへ連れて行った時の一コマです。

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