夏の夜のアカテガニ(放仔行動)観察会|通信制高校のルネサンス高等学校

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夏の夜のアカテガニ(放仔行動)観察会(2018年08月26日)

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夏の夜のアカテガニ(放仔行動)観察会(2018年08月26日)

夏の夜のアカテガニ(放仔行動)観察会(2018年08月26日)

「真夏の夜のミステリー」と言うほどのネタでもありませんが、「アカテガニの放仔(ほうし)*1 観察会」のイベントは日本各地で行われている模様です(例として、神奈川県三浦半島での観察会)。

*1 産卵のように見れるが、実際には水中で遊泳できるゾエア幼生まで発生段階を進めておいて、遊泳が可能なゾエア幼生を海水中に放つ行動を指し、通常は大潮の日の満潮時に同期して行われる。

今回、大阪市内でも南港野鳥園の人工的に造成された岩場で観察できるとのご案内を戴き、参加しました。汽水産巻貝(カワザンショウガイ)の寄生虫セルカリアが第一中間宿主である巻貝から次へ移動する第二中間宿主として巣穴を作るカニが有力候補にあがってきたからです。カニは生息密度も高く、容易に終宿主である鳥類や哺乳類に捕食されやすいことから見て、生活環が円滑に完結しやすいと想像できます。

沿岸海域から汽水域に掛けてのカニの分布は、海から森に至る移行帯(エコトーン)の中で絶妙な棲み分けをしている感じです。垂直護岸化が進んだ大阪湾奥部では、南港野鳥園は限られたアカテガニに適した生息環境となっており、後背地には森林や緑道が整備されているためアカテガニが(緑道ならば自動車に轢かれる交通事故もなく)安全に水平移動ができる生息条件を満たしています。

当日(8月25日)は、南港野鳥園の会議室でアカテガニに関するレクチャーを前回のハクセンシオマネキの観察会と同様、"潟見人(がたみにすと)"和田太一氏から動画も交えたプレゼンがありました。今回の観察会は白昼堂々とカニを観察するのではなく、日没後に森の中で姿を潜めていたアカテガニが水際まで移動し、成熟した受精卵を抱卵するメスが水中に入ると、身体を揺すって幼生の塊を水中に放出させる姿を懐中電灯で周辺部を照らし観察するというメニューでした。

季節など時期の微妙な差からでしょうか、確かに森の中(特に、雨水溝のグレーチング*2蓋)にアカテガニが(ハサミや甲羅が赤い;陸生)隠れていて、這い出て来ました。が、肝心の水辺に移動してみると、大半がカクベンケイガニ*3(甲羅がマダラ模様;半陸生)が大半でした。放仔行動は類似しており、身体を揺する行動を示した個体の近隣から海水を一部、採取して持ち帰ってゾエア幼生を顕微鏡観察してみました。

*2 側溝の被せる網目状の蓋で、材質は鋳鉄からステンレス鋼までさまざま。簡単に外れないように外見以上に厚み(奥行き)を持たせてあって、意外と重い。*3 クロベンケイガニ(陸生)では、甲羅にマダラ模様がないのが特徴で、十三干潟のヨシ原ではクロベンケイガニが優占種とされる(和田太一氏からの助言による)。

幼生が塊状になって放出された直下でサンプリングすることはできなかったが、その近傍の海水であっても、カニは多産性の無脊椎動物なので約50mLの海水中に翌日、10個体前後の生きているゾエア幼生が見つかりました(→動画参照;動きを抑制するため水量を削減して撮影した)。ゾエア幼生はメガロッパ幼生を経て、稚ガニとなって底生生活に入ることが知られています(→シオマネキの幼生を飼育した水族館での観察記録)。

今回の観察会は小学校4年生以上が対象で、夏休み期間中でもあったため参加者には親子連れがいました。自然に親しむ場でしたが、私は巻貝を第一宿主とする二生吸虫の生活環を繋げて理解していくためカニの繁殖行動を観察体験を通じ生き物の繋がりを把握しておく必要がありました。目的は違っても、この種の自然観察会が大阪市の教育特区内で用意されていたことに感謝の想いです(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・上段左:和田太一氏によるレクチャーのオープニング画面、同・上段中:隠れ家にピッタリの雨水溝のグレーチングの隙間から這い出てきたアカテガニの個体群、同・上段右:野鳥園の観察舎から見えた日没、同・下段左:アカテガニの水中での放仔行動とゾエア幼生(右上);和田太一氏のパワポから撮影、同・下段右:カクベンケイガニのゾエア幼生(大きな眼球、頭の後部の角、エビのような長細い腹部が特徴的である)

付記:同観察会の案内は、南港野鳥園のサイトなどで募集があった他、教員向けには大阪府高校生物教育研究会(事務局:岡本元達教諭、大阪教育大学附属高校池田校舎)のメーリングリストでも回覧されました。教員の方と現地で遭遇することは滅多にありませんが、タイムリーな案内によって体験できて助かりました(竹内記)。

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