「大阪生研」70周年記念式典の節目に・・(2018年11月18日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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「大阪生研」70周年記念式典の節目に・・(2018年11月18日)

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「大阪生研」70周年記念式典の節目に・・(2018年11月18日)

「大阪生研」70周年記念式典の節目に・・(2018年11月18日)

2014年4月の開校年度から縁あって、サイエンスコースは大阪府高等学校生物教育研究会(略称 "大阪生研")に参加させて戴きました(翌年度、委員に選任)。東京で葬儀の翌日、大阪へ舞い戻って70周年記念式典にカタチばかりの参加となりました。記念講演が研究と教育の両面から2題あり以下、記念講演の概要を紹介したいと思います(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

iPS細胞研究のこれまでとこれから 京大iPS細胞研究所・講師 中川誠人氏

2006年、山中伸弥教授がiPS(多能性幹細胞;induced Pluripotent Stem)細胞を発見し、体細胞に受精卵に由来するES(胚性幹細胞;Embryonic Stem)細胞のような分化に多様性を備えた細胞を体細胞を元に人為的に生み出す技術を開発した。無軌道に分裂し続けたならガン細胞と同じなのだが、幹細胞*1は再生医療へ発展する活路が拓けたのである。

*1 幹細胞の最新情報を集約された平易な解説サイト(SKIP)が集約化されているので参照されたい。なお、SKIPデータベースは京都大学iPS細胞研究所(CiRA)へ移管のため12月11日から2週間程度、運用を休止します。移管後のURLは"https://skip.stemcellinformatics.org"となります。

講演された中川講師は、やはり高校時代の理科教員に感化され生物学に興味を持ち、研究者への道を志したという話でした(画像参照)。基礎研究の段階では、ヒトの培養細胞を定着させるため他の動物由来のフィーダー細胞を用いてきたが、臨床目的に実用化するには化学的に素性の分かった成分で代替する必要があった。そこで、ニッピ*2の皮革産業のゼラチン由来の加工技術が日の目を見ることになった。培養液は、味の素が開発した。

*2 沿革を辿ると、ニッピの前身は、日本皮革(株)であり、皮なめし加工からスタートし、化粧品からバイオの基幹技術を支える企業として成長してきた(2016年1月、大阪大に寄附講座を作って共同研究スタート)。

今後、iPS細胞の応用研究は、細胞移植治療及び病態モデルを作って創薬(毒性及び副作用試験)分野への展開へ進むだろうと、中川講師は見通しを語った。iPS細胞を治療に用いる場合、患者ごとに対応すれば免疫拒絶反応は起こさないものの、製作にコストと時間がかかる。他者由来の細胞を予め製作(iPS細胞ストック)して用いればコスト削減に繋がるが、患者によっては拒否反応が予想される(免疫抑制剤タクロリムスを併用)。既に治験は始まっている段階(加齢黄斑変性パーキンソン病)であり、続々と候補(心不全脊髄損傷)が控えている(ここに引用したニュースソースが、記事執筆直前に発せられたホットな鮮度である点に留意されたい)。

これから求められる生物教育を考える 文科省国立教育政策研究所研究開発部 藤枝秀樹氏理数科

再生医療の最前線の進捗と比べたら、教育界は同じ科学や学問と言えるのか疑わしいほど歩みは遅々たる速度である。文科省では各地の公立高校の教諭を一本釣して表記の研究機関に集約し、教育現場の視察や改革への陣頭指揮を採らせている。それまで教育行政が概ねトップダウン一本槍だった頃と比べれば、ようやくオーガナイズさせてきたとも言える。が、言い換えると、それまでどれだけ有効な手も打たず、無策が続いたのか知れない。

藤枝講師は、香川県の公立高校教諭並びに教育委員会(教育センター)と教育現場を踏まえた上で、新しい高校教育のあり方を模索する立場におられる(ご専門は自然人類学で、教育にも力を入れる日本人類学会の所属)。

今回のご講演は、新学習指導要領の改訂のポイントを重点的に解説されたもので、改革派には頼もしく、保守派には手痛く受け止められた内容であろう。具体的には、従来のような知識の再確認を学力とは見做してないものと理解でき、初見の題材に対し如何に対処できるかを問う姿勢。すなわち、実社会が求めるニーズに沿うものと一変する。従って、もはや検定教科書に沿った「知識を教える」時代ではなくなった*3 のは明瞭なのである。

*3 私自身が高専教員時代に「(答えを)teaching(教えるの)は、cheating(カンニングを唆す行為)である。」と主張してきたことが、ようやく日の目を見たことになる。古い授業スタイルなど、追放しなければならない。なお、"teaching"と"cheating" は、なにげに意味深なアナグラムを作っている偶然に驚かされる。

中教審の議論の中では、高校の普通科教育、中でも生物学は「暗記科目」に過ぎないと批判されたそうである。そもそも中学校のカリキュラムをただ単に膨らませただけの教育課程では、それも宜なるかな・・と言えよう。講演の末尾では、生物の重要語句が数千も選定されているのが「語学教育ではあるまいし・・」と俎上に上げられた逸話が紹介された*4。それはも妥当な批判と思う(試験で問うための素材を増量しただけに過ぎない)。

*4 新しい概念や専門用語を(日本語でも英語でも)創り出すくらいの資質・能力を養うべきであると考える。

教育課程を「何を教えるか」という教員の目線ではなく、生徒が「学ぶと、どうなるか*5」という学習者の目線でデザインし直す必要があると主張されていた(教師主体の設計だから、人が育たないくても当然である)。

*5 海外の大学進学準備用(ないし大学学部レベル)の教科書は、シラバスが「学ぶと、これができる」と明記されているが、日本の大学・高専のシラバスは概ね『履修の手引き』を『シラバス』と名を変えただけである。

最後、教育(狭義には、授業)をデザインする視点を4つ、提案されていた:1)学ぶべき内容の本質は何か、2)身につけるべき能力(資質)は何か、3)その能力が達成されたことを何をもって評価するか、4)そのために如何なる体制づくりを行うか・・である(文言は、一聴衆である筆者の理解した言葉で書き換えてある)。

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画像・上段左:iPS細胞を用いた最新の治験申請(脊髄損傷後の神経幹細胞)、同・上段中:演者・中川誠人講師の略歴(高校時代から今日まで)、同・上段右:記念出版物『生物実験収録・改訂版』巻末資料に休眠生物(竹内・河脇)、寄生生物(竹内)、科学英語(竹内・高橋)の"試論(tentative)"が署名記事で掲載、同・下段左:「教える教育スタイル」から脱却の必要性、同・下段右:「教育をデザインしておく」ことの必要性.

付記:講師から児童・生徒が社会に出た時に、理科(理数科)を学んだ成果が活きて欲しいとの期待が込められていたのが立派だと感じました。私自身、学校での学びの教育成果を都庁やJICA派遣時の業務に存分に活かせたので実感が湧きます。しかし、厳密には学校だけでは不足で、自分の自助努力で補ってきた*6と思います。学びは教員(教授者)と生徒(学習者)との共同作業であるべき・・と言うのが、私の教育観です(竹内記)。

*6 正直言えば、学ぶ身分が保証されていたら授業や試験は邪魔なだけの存在であったと感じます。自分で自分の学びの設計ができたら理想の学校だと思います。通信制高校の通学コースは、オプション扱いなので理想を叶える必殺技と思っています。しかし、それを理解し、存分に活用している卒業生は極めて僅かしか出てません。

追記記念式典祝賀会の様子が、主催した大阪生研公式HP上にアップロードされています。ご参照下さい。

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