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え? 生き物が創り出している「生きた水」(2019年02月01日)

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え? 生き物が創り出している「生きた水」(2019年02月01日)

え? 生き物が創り出している「生きた水」(2019年02月01日)

皆さんは、「生き物が環境を改善している」事実をご存知でしょうか? 環境を末永く維持管理するには、生き物なんかいない方がマシなのではないかとか、頭をかすめたコトはありませんか? 理科室で見つかった意外な一例をご紹介しましょう。生き物の介在は、生息環境を改善しているのです。

理科室では、生物の授業のため単細胞生物の代表としてゾウリムシを観察して貰う実習を行います。現在、大阪校の理科室で飼い続けている(専門的には「継代している」と表現)ゾウリムシは楽ちん研究所ころりんハウス)の宮地祐司氏が持ってきた系統を繋いでいます(一度、不注意からコルポーダに置き換わってしまい*1、大慌てしました)。

*1 この大失敗が、新しくコルポーダのシスト化脱シスト化の研究課題の芽生えになったので不可思議です。科学者たるもの、転んでも決してタダで起きてはダメなのです(要は「失敗に学ぶ力」が肝心だからです!)。

メンテナンスが楽なワラの煮汁で培養していますが一度、煮汁が濃すぎて酸敗が起こってしまった時はpH値が低下して死滅させてしまい、古い培養液の底から探り出し、ゾウリムシを復帰させました(油断大敵です!)。

また、うっかり煮汁の濃度を濃く作ってしまったので、2本に分け、片方にゾウリムシを植え継ぎ、他方はなにも入れずにおきました(何も入れないでおくと干しワラに由来するコルポーダが発生するかと、密かに期待しました)。ところが、コルポーダが再び出てきても良いのですが、あれ以降、まったくコルポーダは発生しません(何回もデキたのに・・まるでSTAP細胞のミステリーみたい)。再現性は実験のタイプによっては必ずしも保証されないのです*2(保管しているコルポーダの休眠シストからは脱シストしますが、天然の干しワラからは常にコルポーダが出てくれるとは限らないのです。ですから、実験には「運」の良し悪しも絡んできますね!

*2 しばしば「科学の実験には、再現性がなければオカシイ」と言う声を聞きますが、そうとも限らないのです(机上で「理科」という教科を学ぶだけでなく、手足を汚して自分で実験した者でないと知り得ない体験的な壁があるのだろうと思っています)。

今回、培養液を二分したことで、ゾウリムシの存在が培養液に及ぼす効果について浮き彫りになってきた事実を採り挙げ、少し探究してみました。それは、2つの培養瓶を並べると、ゾウリムシが泳ぐ培養液は「イキイキ」した活力が漂う反面、ゾウリムシの介在しない培養液の方はドンヨリし、かつカビが生えて水面を覆い尽くし、まるで「死に水」でした。

このような差が生じる原因を考え、それを実験的に検証してみました。気づいたのは、ゾウリムシの介在する培養液ではゾウリムシが多数、泳ぎ回ることで常に、水が撹拌されていることです(呼吸によって溶存酸素も消費される筈ですが、撹拌効果の方が大きいのかも知れません)。さらに、沈んでいるワラから最初に煮出した以上の成分が滲み出しているようです。ゾウリムシが介在すると水流で撹拌されることでワラから滲み出た分を示唆する褐色の度合いも増していることは明らかでした。

以上のように、ゾウリムシがいる水では常に繊毛運動により培養瓶の中の水は「物理的な撹拌に晒されている」ことが解ります。頭では分かっていたつもりですが、2本を並べて運命を辿ってみたことでゾウリムシが介在することの影響が明らかになりました。繊毛運動の効果がわかるようにゾウリムシの培養液を分取したスライドガラス上に墨液を垂らし、顕微鏡下で観察してみましたので、水流が起こる様子を収めた動画など、ご覧になってみて下さい。微生物は小さくても、無視できませんね(文責:教育デザイン室長・竹内準一)。

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画像・上段左:ワラの煮汁に及ぼすゾウリムシの撹拌効果(手前の2本はワラ煮汁を2分割した状態;奥の左がゾウリムシ入り、奥の右がゾウリムシなし)、同・上段中:墨液で見えるゾウリムシの遊走跡(飛行機雲みたく濃い色が薄くなった線状の模様は、ゾウリムシが走り抜けた痕跡)、同・上段右:墨液を垂らした水プレパラート(対物レンズ10~20倍で位相差観察)、同・下段左:繊毛で水流を作るゾウリムシ、同・下段右:カーボン顆粒を食胞に溜め込んだゾウリムシの細胞(暗視野で撮影)※消化できない粒子は、収縮胞から排出される。

付記:一般に「流れ」がない水は「死に水」になりやすい・・と言われていますが、ゾウリムシがたくさん生息して呼吸や排泄で環境は悪化する可能性があるかと思いきや、逆にゾウリムシが泳ぎ回ることで水流を起こし、「死に水」化してカビなどが増える環境悪化をゾウリムシが阻止している可能性が見えてきました。一方、「死に水」化してしまった方は、カビなど好気性の微生物が水面を覆い尽くすことで空気中からの酸素の取り込みも邪魔され、ますます環境は悪化する可能性が考えられます。生き物が介在していることで、このように環境が持つ活力の維持に繋がるのです。どうですか? 生き物の持つ隠れた役割が再認識できましたよね(竹内記)。

追記:一度、カビや放線菌などが増えて、水面を大方、覆い尽くしてしまった「死に水」状態に陥ったワラ煮汁の培養液にゾウリムシの個体群を投じたことで、果たして「死に水」が撹乱されて「生気」を取り戻すかどうか確かめてみることにしました。念の為、カビや放線菌の代謝産物でゾウリムシが影響を受けそうもない懸念は予め接触実験をして行った上で今日(2月3日)、長期観察に入りました。僅かな好奇心があれば、人が踏み込んでない領域へ一歩を踏み出すことができます。続報、乞うご期待・・(竹内記)。

❏参考文献の出典
兵庫県教育委員会環太平洋大学東邦大学メディアネットセンター慶應義塾大学自然科学研究教育センター

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