高校生が「課題発見法」を全国大会で発表(2019年08月08日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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高校生が「課題発見法」を全国大会で発表(2019年08月08日)

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高校生が「課題発見法」を全国大会で発表(2019年08月08日)

高校生が「課題発見法」を全国大会で発表(2019年08月08日)

もとより学校教育の主役は教員ではありません。あくまで生徒が主体であるべきです。これが世界の教育界の潮流であり、OECD教育調査団が日本に授けてくれた助言*1を、現在の文科省はそのまま踏襲していると見受けられます(求められる学力が変わっていくことを日本には学んで欲しい、と論じた報告書を見た覚えがある)。

*1 日本は世界に例を見ない速度で少子高齢化が進み、人心荒廃や社会不安の度合いが進み"炭鉱のカナリア"に擬えることがあります。奇しくも「未来社会の実験場」が、大阪・関西万博の開催テーマと決まりました。

今回、当コースに3年次から加わってくれた奥村諒くんに旧スーパーサイエンスコース時代に5年間、培ってきた探究学習(Project Based Learning; PBL)のノウハウを総括して貰い、日本生物教育会(JABE)第74回全国大会(岡山市)で「課題発見法」に関してポスター発表(和文英文*2)をしてきました。

*2 実は、我々は先に英文でポスターを作り、次に和文で内容相当のポスターを仕上げました。これは翻訳を介するのではなく、英語という言語を「思考のツール」として使っているからです。英語に特有の冠詞や時制がロジックや時間軸を掴む立体的な認知の助けになっている日本語で書くより思考過程が鮮明になる)からです。

今回の大会のテーマが『わくわくする生物教育』であり、大阪校のスーパーサイエンスコースが5年間の実践を経て、今年度から「探究」と「創作」の2つの基軸を持つアート&サイエンスコースに衣替えしたケジメでもありました。メタ認知力が亢進してきた奥村くんには自分が実験・観察を担当してきたワケでもない事例を例に包括的に大所高所から我々が見つけた「課題発見法」を披露して貰うと大役*3を果たして貰いました(私自身は口頭発表や特別講演の会場へ行ったり、他の発表者と交流したりで奥村くんに一任させる場面が大半でした)。

*3 いわゆる論文スタイルなら「総説(review)」に当たり、通常の研究発表の枠から外れていましたが、全国大会でもあり、上記のテーマの趣旨に沿うよう「研究方法論(methodology)」に関する発表内容で、3年の奥村くんでないと務まらない役でした(教員が果たすべき研究発表の水準を生徒を信頼して任せてみました)。

初日のポスター発表を終え、翌朝、二日目を迎えると私たちのポスターに付箋が2枚、貼られコメントが残されていました(画像参照)。一枚には「目からウロコです。高校生が課題研究を行う本来の意味・・これまでぼんやりと感じていたものが、非常に明瞭なイメージになりました。ありがとうございました」。もう一枚には「課題研究のテーマ設定に多くの学校が苦労しています。そこの部分にこそ、高校生が研究にたずさわる意味があるという、とても参考になるポスターでした。」私たちが試みた積極果敢な挑戦が、報われた感がありました。

我々のもう1点の挑戦は、和文と英文の両方のポスターの同時展示でした。実際には、初日の夜はホテルにツインルームをとり、部屋にポスターを吊るし、その前で英語で発表する練習を行いました(正確には、その発表練習をどうやって進めていったら良いかの模索を始めたと言った方が正確です)。試行錯誤の結果、ポスターに書かれた内容を、よりシンプルな英語を用いて話すように短く話す、あるいは個々の図表や写真の解説を英語で行う練習をするのが妥当であるとの感触を得ました。その方が、伝えたい内容に応じ簡単な英語表現力*3を育成する近道と感じましたし、TOEIC(Speaking/Writing)試験対策になると実感しました(奥村くんはS/W公開試験も受験しています)。

*3 ポスター上で記述のある stained with Fuchsin(フクシンで染色した)の部分は、個々の染色液の名である必要はなく、一般名であるdye(色素)でも、さらに「color(色)で染めた」でもポスターの説明ならば分かりやすいと気づきました。日本の英語教育では、簡潔に表現する訓練を積む機会がありませんが、ネイティブは中学英語レベルの英単語を駆使して表現するものですし、TOEICのS/W試験の採点基準も簡素化が主流です。

予め採点するために都合が良い唯一解を用意しておくような教育方策は、現実的に何の実効性も持ち得ません。そのような試験で満点を採ろうが、肝心なリアルな場面で問題解決力や英語表現力が引き出せる保証は皆無なのです。なまじ正確な知識とか解法のテクニックを身に着けてしまうと、反って応用力の育成の妨げになる筈です。これが、これまで社会で通用してきたかに見えてきた学校教育が抱えている手痛いセキュリティ・ホール*4なのだと、指摘しておきたいと思います。私は学校教育の専門家でありませんが、日本の学校教育の本丸へと攻め込んだとの手応えを得ています(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

*4 試験を採点したり評価を下すことが学校教育のゴールではないので、点数化の利便性を軸に教育を設計するのは妥当ではありません。ここを間違えると、職務遂行はしたけれど、生徒が全く成長しなかった(満点をとっても何も身に付けて来なかった)という従来の学校教育の過ちを繰り返すことになります。その証拠が増え続ける不登校者の数です(その代償となり得る「点数さえ採れば良し」とする"優等生"へ影響も懸念材料です)。

❏ 岡山での全国大会を終えて(3年・奥村諒) 今回のポスター発表は、今までと異なり、5年間の総まとめとしての発表だった為、自分が直接関与していない事柄が大半だったので、工夫の結果、こちらが一方的に発表というよりも、聞き手と協力して"一緒に創り上げていく"という形で進めていきました。

聞き手ありきでの発表で、聞き手によって影響を受ける形式になったので直に様々な人と触れ合うという副産物もありました。興味を持って大きく反応して下さる人、激励のお言葉を仰ってくださる人もいれば、どれだけ寄り添おうとしてもハナから否定的な姿勢で、聞く耳を持たない人もいるのだと、人間の幅広さを覚えました。

このような発見は、台本を頭に入れ吐き出す作業では知りえない世界のように思います。台本なしのぶっつけ本番でポスター発表をすることで相手の表情、反応を見て臨機応変に内容を変える力がつき、そして、相手のフィードバックから、より工夫を凝らし、洗練されてゆくのだと、自分の中で確固たるものとなりました。

2日目が英語でのポスター発表を予定していたので、ホテルで強化合宿を行いました。試行錯誤の末、完璧を目指すのではなく、シンプルであっても、今自分ができる範囲の表現をした方がいい、そして、その表現のレパートリーを増やせばいいという結論に至りました。

TOEIC(S/W)テストでも、一貫して自分の意見を述べたり、写真を説明したり、と、かなり自由度があり、シンプルな英語で通用する、伝えようとする意思が大切だ、という全く同じ感想を得ていたので、この先に使えるようになる英語があることを確信できました。何より、シンプルな方が表現しやすく、相手にも親切だと思うので、学校の英語が苦手な人の方が反って実用の英語習得が早いのでは、とTOEIC受験や英語でのポスター発表で実感として残りました。

今回のポスター発表を通して、予想以上に激励の声が多かったことや、藤枝秀樹氏の特別講演など、世の中を、良い方向に舵を切っている人達が増えてきている、少しづつだが、確実に時代が良い方向に進んでいるということを感じ取れ、未来は明るいのだと、とても勇気づけられました。僕たちは正しい道を進んでいるという実感が、状況証拠として裏づけされて行っているので、心おきなく熱意を持って突き進んで行きます。

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画像・上段左:奥村諒くん(3年)のプレゼン、同・上段中:高校生のポスター発表会場の様子、同・上段右:当ポスターに寄せられたコメント(付箋紙はこのために置かれていたのか・・と後から合点が行きました)、同・下段左:夜、ホテルの部屋でシンプル英語を使う奥村諒くん(強化合宿中)、同・下段右:文科省視学官・藤枝秀樹氏の『これからの高校生物教育を考える』と題する特別講演(視察ツアーを除く最終イベント)

付記:藤枝秀樹氏のご講演は、以前も聞く機会がありました。ますます教育改革の方向性は強固に固められてきた感があります。とりわけ印象深かったのは、教員が教えるのを頑張る(旧パラダイム)より、生徒たちが成長していく実感(新パラダイム)が大切だと言う"learner-centered(学習者主体)"というマインドセットを求めています。その骨子は、①生徒が成長すること(必然的に教員の成長も)、②特定の教授法に拘泥し、可能性の幅を妨げないこと、③未来社会を委ねることができる生徒を送り出すこと、だと理解しました。

講演終了後、奥村くんと私は竹久夢ニ郷土美術館へと向かいました。そこには大正デモクラシー期*5に自由を謳歌した希代のアーティストの作品が展示され、時代を越えて人々に愛されているのを実感しました。そこには権威にしがみつかない代わり、大衆の心を鷲掴みにした夢二が生きた時代を感じました。先の見えないこれからの不確実な時代を生きることを宿命づけられた次世代へ、繋ぐことができたことが幸いだったかと思います(竹内記)。

*5 河合塾が着目したドルトンプランも、元を辿れば大正年間に日本へ一度、伝わっています。教育改革を歴史の中で捉えるなら今という時代は、夢二の時代の再来かと思えます。それも現代は、ICT技術や脳科学など周辺技術の強力なバックアップがあってのことです。なぜ教育改革を先へ進めないで済む理由がありましょうか。

なお、作家の村上龍氏が一時帰国中の利根川進博士に東京でインタビューした動画が、日・米の学校教育の相違点について示唆する内容です。今だから語られる内容を含む印象です。是非、ご視聴下さい(前編/後編)。

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