淀川でフィールドワークして「着想」を磨く(2020年04月26日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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淀川でフィールドワークして「着想」を磨く(2020年04月26日)

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淀川でフィールドワークして「着想」を磨く(2020年04月26日)

淀川でフィールドワークして「着想」を磨く(2020年04月26日)

昨日(26日)の日曜日の午後、予報に反して天候が崩れなかったので、淀川の右岸*1にある十三干潟まで徒歩で単身でフィールドワークするべく出掛けました。これまでは原則、サイエンスコースの生徒を連れて行くという習わしでしたが、今回はジックリとフィールドで、自分が「何を」、「どう見て」、「何を着想する」かと言う分析を自分で自分に仕掛けてみる(いわゆるメタ認知の観点から)解析を試みようと決めたのです。

*1 河川は上流側から河口へ向かって眺め、右手側を「右岸」と呼ぶ習慣です。ちなみに左岸側は現在、堤防整備(淀川左岸線2期2工区)の工事中でした。

それもコロナ禍を余波で生徒が登校できない状態がいつまで続くか予見できないことだし、それならば前向きに対処してみようと決断を下しました。つまり逆境をチャンスだと捉え、今しかデキない活動を展開することを決めたのです。このような決断や行動を示すことも、生徒に手向ける格好な"教材"になると思うから*2です。

*2 今、書いている文章は、私の現時点での「考え」を文章化したものです。普通に読むと、私が上述のように考え、行動し、今、書いているものと受け留めらえると思います。が、まるで違います。実は、直感で私はフィールドへ出たいと考え、潮見表で潮位を天気サイトで天候を調べました。あいにく引き潮の時間帯には降水確率50%だったので、来月に見送る予定でしたが、雨雲が北陸地方へ反れたので急きょ、決行と決めたのです。ですから、「行動が先」で、「その理由づけ」は後で、実は、この記事を書いている途中で浮かんできたアイディアを、たった今、文字にして残しているのが実態だと思います。

つまり、文章化するチャンスがなければ、人は考えを整理することも、着想することも到底、無理なのです。思念を文章化してみようと決めた時点から、新たな「気づき」が始まるのであって、既に気づいた後で文章化しているのではなく、まるで影のように寄り添う感じ(シャドーイングする)ように文章化し始めて、思考の論点整理が始まると言う実感があります(書くこと=思考のツールだと言えます)。

では、以下に私がフィールで見て、気づいて、思って、行動したことを列挙して行くことにしましょう:

1)干潮時に顔を出した瓦礫とか岩の窪みに、お目当てのイシマキガイが固まって群生していました(画像・上段左)。潮が満ちてくるまで休憩している様子でした(いつも見る風景です)。さらに2)今回、低水位でも残った水路部分の底泥の表面にイシマキガイの生活痕として這い跡が見つかりました(画像・上段中)。這い跡の先端にはイシマキガイの個体が存在し、何やら砂泥の表面を移動しながら摂食活動をしているように見えました。3)そこで表層には何が存在しているのかを見極めるべく水没している砂泥極く表面を薄く砂泥を掬い取ってサンプル瓶に入れて(画像・下段左)持ち帰りました。4)十三干潟に生息している2種類の巻貝、小型のカワザンショウガイ及び中型のイシマキガイをサンプル瓶に入れて持ち帰りました(画像・上段右)。5)持ち帰った砂泥(及び海藻残渣)をシャーレへ移し、実体顕微鏡及び位相差顕微鏡で検鏡しました。※底泥試料の位相差像(画像・下段右)は、左上を起点に時計回りで、なぜなだか①緑藻・クンショウモ(淡水プランクトンで、琵琶湖から流下?)、②羽状目の珪藻(底生性かも)、③珪藻の群体(海藻に着生)、④石英の砂粒(表面にバクテリアが付着)が観察できました。淡水プランクトンだけは偶来性と思われるが、他の底生性ないし固着性の珪藻及び砂粒表面に付着している細菌は、イシマキガイの天然の餌候補になり得ると思います。

以上の知見から今後、次のような研究課題が展開することが可能です:1)採取してきた表層砂泥を光の窓辺に放置して増殖してくる珪藻(羽状目)を集積培養する、2)その中からスライドグラスの表面に定着し、界面で増殖する付着珪藻を選び出す、3)イシマキガイが珪藻フィルムを摂食するか否かを確かめる。以上の手続きで、イシマキガイを実験室で畜養した時の"餌料"の問題が解決する可能性があります。

引き続き、フィールドの材料を用いた実験として逐次、経過報告をしていく予定です。"連載マンガ"の趣きとは同じように行かないと思いますが、続編をご期待下さい(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

付記:イシマキガイは、ペットショップで水槽のコケ(付着藻)を旺盛に摂食する性質から掃除屋(タンクメイト)として販売されている。ただし、人工繁殖に成功していません。卵は産みますが、淡水で孵らないからです。どうやって流下し(浮遊物に付着して?)、沿岸海域で卵から発生して、再び稚貝が河川を(這って、または浮遊物に付着して?)遡上してくるのかは謎です。感潮域で浮遊物は浮遊物は干満に応じて、順行と逆行を繰り返すことが知られています。沿岸海域で卵から発生してプランクトン幼生(推測の域)になることのメリットは別の水系(例えば淀川から大和川)へ分布域を拡大するメリットがあるのでしょう(こんな基本ですら、調べた研究事例はないのです;アイソザイムや遺伝子で系統関係は把握できるが)。

稚貝の頃、沿岸海域でイシマキガイは海洋起源の腸炎ビブリオに感染します(中腸腺に定着)。そのまま、遡上するので、腸炎ビブリオは汽水域までイシマキガイの内部に隠れたまま移動できることになります。この感染の応答によって免疫亢進されてしまう(マクロファージは観察済み)のか、イシマキガイには他の巻貝なら保持している寄生虫のセルカリアの放出現象が今のところ見つかっていません(その意味でも、観賞魚の水槽に入れて安心だと言えそうです;まだ推定試験の段階なので今後、確定して行く実験を計画中)。

ゴカイやカニ、魚が生息する干潟は水鳥には格好の餌場なので、沢山の鳥が飛来します(動画の手前には、水浴びに来たスズメが映っている)。寄生虫は餌となるゴカイ、カニ、魚など中間宿主に寄生し、水鳥など最終宿主に捕食されることで宿主間移動(垂直方向;宿主間の水平移動は起こらない模様です)をします。かくして寄生虫は見事な共進化をした(結果として、実に合理的な寄生生活が確立した)ものだと感心するしかありません。巻貝は匍匐しながら摂食行動をしますので、水鳥の糞と一緒に排泄された寄生虫の卵を拾ってしまうのでしょう。水生のみならず陸生(カタツムリ)でも寄生虫が多い理由は、巻貝に特有な這い回る摂食様式のためです。

学校教育では、現象の説明(それも、結論だけ)を教え、問いに正解すれば学んだコトにして打ち止めですが、それでは自力で知見を更新して行く真の探究力は養われません(元々、あった子供時代の探究する力を損ねる間違った行為であるとも言えます)。海外の教育(国際バカロレアなど)では、この"落とし穴"を回避するために "PBLProject Based Learning)"に力点を置き、長文のエッセイを課すのです(エッセイは実は、正式な学術論文*3より高い論理性が求められるので、エッセイで高等教育への適性判定が十分に可能なのです)。

*3 学術論文は、構造が定式化(ルール化)されていますので、実証性の高いデータや考察のコンテンツが勝負です(大学や大学院で間に合う)が、エッセイはロジックの展開そのものが問われるので、大学入学前に十分、鍛えておく必要があります(日本の大学入試対策では、この力を養うのは無理だと経験者として断言します)。

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