アート&サイエンスコース
2016.06.07.Tue
そのモデルが、高等専門学校(高専)に認められます。ベネッセは、数年前から専門高校(工業、商業、農業など)に2年間の専攻科を設けて、高専化する道を仮想していましたが、文科省が今年度4月から実施に踏み切りました。高校専攻科から大学3年次編入は、高校が大学の初期教育を分担することであり、高校教育の質的向上・高大接続へと繋がります。海外では、英国の "compreheisive school" と呼ばれる公立の中等学校が2年制カレッジを併設している前例もあります。その場合、中等学校の教員や建物というリソースを活用し、大学の初期教育を代行します(それで、英国の大学はどこでも3年間で学部卒となり、国際競争力を生み出しています)。
高専は中学卒業者に対し、博士号を持つ教員が教授しますので、高等教育を早期にスタートする世界に例を見ない教育制度です。高専から大学3年次編入者の評判がきわめて良好なのは一度、卒業論文を書き、研究発表も経験しているため大学教員の研究指導の負担が著しく軽減されるからです。
一部の高校でスーパーサイエンス(SSH)やスーパーグローバル(SGH)のスキームが整い、従来の「知識伝授」型から「探究学習」型へ教育の質的向上が進展しました。従来型の受験指導オンリーの高校と比べたら、新たな「高大接続」の仕組みを整備していく方策は、当然の流れだったのです。
高校生の大学教育への適性(マッチング)面でも、受験偏差値が新しい知見の創造や実務遂行能力と相関性がないことが明らかにされました(東京理科大学の追跡調査)。これまで単に選抜手段として利用されてきた入試の持つ重みが少子化の流れで様変わりし、大学側も若い才能を呼び込まないと国際的な競争力を失い、存続を危うくする状況へ追い込まれてきたという切実な背景もありましょう。
近年、教育に認知科学(Cognitive Science)や多元的知能(Multiple Intelligence)という理論的裏づけがなされ、MITやハーバードなど有力大学が教育力向上の切り札と位置づけた以上、わが国の国際競争力の確保に、もう揺り戻しは考えられないと最新のCSTL(Cognitive Science of Teaching & Learning)教育デザインの観点から判断できます。日本認知科学会が1983年には創立されており、今後、「学びを科学する」ことで学校教育へ貢献が期待されています。
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画像・左:日本独自の高専教育制度(文科省サイトより)、同・中:日本初の農業系SSH指定校・大阪府立園芸高校(大阪府池田市)、同・右:「日本認知科学会」のキャッチフレーズ及びロゴマーク
付記: 高校・専攻科から大学3年次編入の複線化は、大学入学者層の多様化に貢献し、教育効果を増すと考えられる。専門高校だけでなく、通信制高校や特別支援学校の高等部を含む全ての高校が対象とされている(通知文書)。また、教育の質担保に関しては現在、素案が練られているが、既に実施実績のある高専や専修学校からの編入事例が下地になりそうである。マンモスになりがちな大学初期教育と比べ、競合する高校・専攻科を選択することの利点は、少数精鋭のチュートリアル指導が徹底でき、指導する教員次第では米国の小規模リベラルアーツ・カレッジに匹敵する教育効果が期待できる。探究マインドとして工業高校や農業高校の生徒の力量は決して"偏差値"が高い普通科進学校に遜色がないばかりか、実験施設や実習内容の点では受験対策が基調の普通科高校を遥かに凌いでいる。
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ルネサンス高等学校 (大子校)
2021.03.08.Mon
ルネサンス高等学校 (大子校)
横浜キャンパス
ルネ大阪広報
インフォメーション
ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
大阪)、連携キャンパス及び受付・相談センター(東京・新宿代々木、神奈川・横浜、愛知・豊田、名古屋、大阪・梅田、広島、福岡)
を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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