アート&サイエンスコース
2016.09.28.Wed
文科省の入試改革を起点とした教育改革が始まっていますが、並行して経産省が考える雇用のあり方にも変化の兆しが顕れてきているように思います。ですから、注意深く社会の些細な変化を各自のアンテナを張り出して観察してみて下さい。
私は「提案型の合同企業説明会」が梅田であるのを発見し、先日(9月26日)、単身で乗り込んできました。さすがに若手に交じって就活戦線に潜入ルポをするのは無理ですが、シニア対象なら潜り込めました。そして30社の中から、数社が自分の過去の職務経験に基づいて解決案をプロポーザルできる案件を見い出し、ブースで個別交渉してきました。
1社目は、水処理装置メーカーで海外進出を計画しているが、外部人材の助けを受けないと自社内では無理だと判断しました。2社目は純然たる機械・装置メーカーであるが、バイオ領域に進出したいと目論見、バイオ技術者の力を求めていました。3社目は、発酵技術を市販食品から健康食品へ付加価値を増大させる戦略を掲げる企業でした。
主催者側の職員に帰る時に声を掛けられました。今年初めての試みであり実際、応募者があるのか全く見えない状態でスタートしたそうで感想や手応えを求められました。求職者と雇用者をマッチングさせる場でしたが、リアルな社会のニーズを掴んだ気がして、高校という社会へ出る間際のステージで教育に従事する身の者には実社会が求める「高校教育課程のあり方」を的確にデザインしていく上で有益な情報を得ることができました。
例えば、ある企業が開発した真空ピンセット「シードピッカー」は、ポンプで吸引することで植物の種子を傷つけず、速やかに選別することができるそうです。評判を聞きつけ、アリの研究者が愛用しているという話も聞きました。また、ある企業では「論文を書くこと」をミッションに加えていたので驚いた私は、社長から詳細を聞き出しました。
こうして今、このうち1社とスーパーサイエンスコースとして共同研究の体制を築く準備に入っています。工場の一角に研究室を構えているため高校生が出入りしても構わないとの許しを得ています。どうしても書籍や動画で得られる情報にはリアリティが足りません。また、ルーチン業務を経験する一般のインターンシップとも、異なります。
敢えて正解が見えてない研究開発部門の一翼を担う活動に教員と高校生が参画しようと挑戦します。無論、必要に応じて大学や研究機関の門を叩かなくてはならないかも知れません。でも、それはそれで、最高級の学びとなると期待できます。発足して2年と半年、大阪校のスーパーサイエンスコースが新しい局面を迎えるに至りました。
付記:高校教育課程として踏み込んだ狙いは、①実社会で大人が働いている現場を高校生に見聞させること、②教員の知識と技能を即戦力として発揮する高水準に維持すること、③大学や研究機関、特許情報、海外文献へとアクセスでき、会社の経営陣とホットラインが持てること、などがあります。大阪校スーパーサイエンスコースを自称「スーパー」に終わらせないための背水の陣でもあります。大阪府では2年前、府立高校と企業が連携して人材育成を図る事業が掲げられたことがありました。決して無謀で荒唐無稽な方策ではありませんので、ご安心下さい。同時に、文科省・中央教育審議会の答申(平成28年5月)を踏まえ、進路選択のミスマッチを回避する行政方策にも則しております。
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画像・左:提案型の合同企業説明会の案内チラシ、同・右:新聞紙面にデザインした広告記事、同・下:微小な生き物でも傷つけないで選別できる真空ピンセットを商品化(株式会社・積進、京都府)
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ルネサンス高等学校グループは、全国に3校(茨城、愛知、
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を置く広域通信制高校です。
どんなタイプの方でも、安心して学習し卒業できるシステムを構築し、生徒一人ひとりのライフスタイルに合った"学び"を提供しております。
「登校してしっかり学ぶ」「友達を作って学校生活を楽しむ」という学校が多い中、最短年4日の登校で高卒資格が取れる学校は多くはありません。
一方で本当に高卒資格が取りたくても、仕事が忙しくて登校できない、子育てで手が離せないなど様々な事情で、学校に行きたくても行けない方がたくさん居るのも事実です。
ルネサンス高校はそういった方のニーズに答えるために生徒に負担のかからない授業やレポートシステムを作り、14年経ちました。卒業生も約15,000名となります。
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