ネガティブデータからも「学ぶ」粘りを・・(2018年06月28日) | 通信制高校のルネサンス高等学校

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ネガティブデータからも「学ぶ」粘りを・・(2018年06月28日)

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ネガティブデータからも「学ぶ」粘りを・・(2018年06月28日)

ネガティブデータからも「学ぶ」粘りを・・(2018年06月28日)

スーパーサイエンスコース主幹の竹内です。結果が定まった実験実習と大きく異なり、探究課題では期待にそぐわぬ結果に終わることがあります。そんなネガティブデータが得られた場合の「コツ」を伝授しておきたいと思います。その精神は、漫画チックに言えば「負けるもんか、負けるもんか・・」の感覚であり、卑近な例で言えば方針転換する「変わり身の早さ」の勝負とも言えます(ここまでネタバレをさせる研究者も、なかなか居ないと思いますが、ホントのことです)。

無論、狙い通りのサンプリングができれば最高です。が、それが実際の自然現象の振れ幅の中央値なのか周辺値なのか、解りません。それはそれで、不安なものです。だから「的を外した」場合、「あゝ、実際はこんな振れ幅の、ど真ん中なのか外角スレスレなのか、内角ギリギリなのか・・」の振れ幅を掴むことが、"全体像"を把握するためには必要不可欠なプロセスです。

昨年度、新保雅史くん(現・京都学園大学)がリーダを務めたマリンチャレンジ2017水生昆虫の脱皮殻に付着するキチン分解微生物の海水中での挙動』の脱皮殻(シャンク)を捕集したと同じ地点の石川(富田林市)へ丹治遥さん(1年)を連れて行きました。昨年、水生昆虫を手網ネットで捕集すると必ず流下藻類として糸状性珪藻のメロシラが入ってくるのを知ったからです。ある一つの研究が、別の研究のヒントになるのは、よくあります。今回も首尾よく、メロシラが採集できるはずでした*1

*1 丹治遥さんが採択された第3回リバネス賞珪藻メロシラの大量培養及び随伴細菌による生長促進作用」で使う研究材料のためです。

が、現場に行くと「水位が高いぞ!」でした。数日前の雨で僅かに増水していたのだろうと思います。嫌な予感を抱いたままネットを強い流れに差し込み、流下物を捕集してポリビンに捕集物を洗い込みました。「よしよし、ユスリカ幼虫の脱皮殻が入っている。」と目視で確認できました。が、珪藻のサイズとなると目視では無理です。実験室に戻ってから顕微鏡で確認しない限り判断はできません。

果たして顕微鏡で覗いてみると見えてきたのは、ボルボックス(緑藻)とミクロキスティス(ラン藻)でした。「おいおい、池の水を汲んできたのではあるまいし・・??」と思わず呟きたくなりました。これらの藻類は、ため池など止水域に生育する植物プランクトンだからです。

ほどなく「あ、雨で増水して池から溢れ出た水が河川に混入してきたのか・・」と理解が及びました。予期せずネガティブな結果(はずれクジ)を掴んだ時でも、転んでもタダで起きないガッツが必要! 当初は明るい場所で少しでも早く珪藻を育てようかとも考えていましたが、敢えて日当たりの悪い北向きの窓辺で珪藻を育てることにしました。珪藻類は、照度の低い環境に適応した微細藻類だからです。こうすることで、混入した緑藻やラン藻は光が不足し、次第に淘汰されて行く可能性が期待できます。

若い諸君には、ネガティブデータが出たり、失敗した時こそ、「新しいチャンス到来だぞ!」と捉えるガッツをモノにして欲しいものです。失敗し掛けてもメゲない立ち直りの復元力を「レジリエンス」と呼びます。これからの先の見えない時代を生き抜くのに是非とも、身につけて欲しいマインド・セットです(文責:教育デザイン室長・竹内 準一)。

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画像・上段左:石川の河岸で流下物をネット捕集するハルトくん(丹治遥さん)、同・上段中:ポリビンの中でも肉眼で目視できるユスリカの脱皮殻(左下は実体顕微鏡での✕10倍拡大図・落射照明下)、同・上段右:石川の喜志地先の堰(増水気味で、堰の一部が水面下に)、同・下段左:捕集物サンプルの検鏡(左上から時計周りに、ユスリカ幼虫の脱皮殻、緑藻・ボルボックス、ラン藻・ミクロキスティス、微細珪藻;水槽の水を低照度下で長く循環させてコンディショニングした状態で繁茂していた分;珪藻のみが繁茂していた)、同・下段右:メロシラ最終地点の"GoogleMap"による3D俯瞰図(飛び石状の堰の左端でサンプリング)

付記:低い照度で、かつやや低温に適応した珪藻海洋の一次生産の大部分を占め、熱帯雨林に匹敵する光合成量を誇ると言う。海水面は十分な太陽エネルギーを受けるのに、なぜ日当たりの悪い箇所を好む浮遊珪藻が一次生産者でいられるのかは生物海洋学の分野で常識でも、ミステリーではないだろうか?

そもそもマグマが地上で冷えた造岩鉱物の石英などから溶け出てきたと思しきケイ素を生合成して珪酸重合体にする植物としての体制としても、どこか珪藻には起源の古さを感じさせる。昔々、何があったのだろうか? 太陽光が何らかの理由で全地球的に不足した時代が続いてのではないかと予想させる。

珪藻は死して、海底に微化石として過去を残す。その記録を解読する研究者によって3,500万年前後に海洋で珪藻が爆発的に増えた証拠が世界中で見つかった。直接、間接、餌となる珪藻類が増えたことでクジラの多様性が増し、海洋に珪藻が優占したことでクジラの進化が促進されたと推測されている。

光が弱くても光合成ができる珪藻がなぜ世界中の海洋に広く分布して優占できるようになったのかが、謎だが、今から3,500万年前に空を暗くさせる自然現象があったことが示唆されます。火山噴火または小惑星の衝突などです。これなら、光が弱い中で増える珪藻*2が海洋で覇権をとれた理由が解ると言うものです。正否のほどは解りません。でも、高校生も読み解ける地球史のミステリーではないでしょうか。失敗からでも、こうして何か学べることがあるでしょ? ロマンあるじゃないですか(竹内記)。

*2 昔から浮遊珪藻は、表層で光合成活性が低下するという特性、強光阻害を示すことで知られていた。

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