通信制高校のメリット・デメリット
更新日:2024.09.30
通信制高校は全日制高校や定時制高校に比べて、登校日数が少ない分自由な時間が沢山あることがメリットです。 塾やアルバイト、芸能活動やスポーツ等に多くの時間を使うことができます。しかしその反面、生まれるデメリットもあります。
この記事では、入学する前に把握しておきたい通信制高校のメリット・デメリットと、その解消法をあわせて紹介します。
通信制高校のメリット4つ
通信制高校に通うメリットについて解説します。
自分のやりたいことに時間を使える
通信制高校はネット学習が中心で登校日数も少ないため、スポーツや芸能活動など、日中多くの時間を自分のやりたいことに充てることができます。
また、通信制高校の場合、インターネット環境下であれば自分の好きな場所で学習できるので、海外留学も問題ありません。(紙媒体での提出がある通信制高校もあります)
難関大学や難易度の高い資格試験合格をめざして受験勉強に取り組んだり、大人に囲まれながらフルタイムでのアルバイトをしたり、また自分自身の体調に合わせた生活スタイルを送る生徒もいます。
生徒の個性や特性が尊重される
通信制高校にはさまざまな過ごし方をする生徒が在籍しています。定期的に学校に通うことが難しかったり、集団で学習することが自分に合わないと感じたり、働きながら学習を進めたいというそれぞれの事情にあった形での学習が可能です。そのため、生徒の皆さんそれぞれの個性や特性に合わせ、毎日決まった時間に学校に通わないやり方で、卒業のための学習を進められます。
通信制高校では、多様な生徒に対応できるだけでなく、個々の生活スタイルを尊重することにもつながります。
自分のペースで学習できる
全日制高校は決められた学校行事やクラスの時間割に生徒が合わせる仕組みです。授業についても、集団のペースに個人が合わせています。
通信制高校なら提出期日を守ってレポートを提出する仕組みのため、自分の集中できる時間や場所、タイミングで学習に取り組めます。毎日決まった時間に学習する生徒もいれば、週末にまとめて学習する生徒や、スキマ時間にコツコツとレポートを進める生徒などさまざまです。
ルネサンス高校のレポートで視聴する動画授業は、何度も繰り返し見ることができます。ノートにメモを取りたいときは映像を一時停止したり、復習したいときにはもう一度見返したり、反復学習が可能な学習システムです。
単位制だから留年の心配がない、転校しても安心
通信制高校の多くは、1学年ごとに必要な単位数が決まっている「学年制」ではなく、3年間トータルで評価する「単位制」です。1年間での成績や出席日数が足りず、進級できない...なんてことはありません。
また、他の高校から2年生や3年生で通信制高校に転校してもこれまでの在籍期間や単位は引き継がれます。
通信制高校のデメリットと解消法
通信制高校に通うデメリットとデメリットの解消法について解説します。
世間からの偏見が一定存在している
通信制高校に通うデメリットとして、世間からの偏見が一定数存在していることがあげられます。古い価値観からくるものではありますが、通信制高校が「全日制高校と比べて劣っている」「全日制高校に通えない人が通う学校」だといったような、偏見の目で見られていたことは事実です。
しかし、通信制高校が全日制高校に比べて劣っているわけでは決してありません。現在では、通信制高校だからこそ実現できることや得られるものを求めて入学する生徒も大勢います。
実際に、文部科学省「学校基本調査(※)」という調査によれば、中学校を卒業した生徒の進路状況は、以下のように推移しています。
令和4年3月 全日制・定時制高校:99万4601人 通信制高校:4万8766人
令和5年3月 全日制・定時制高校:98万7622人 通信制高校:5万5867人
全日制・定時制高校が減少する一方で、通信制高校への進学者は増加しています。メリットで紹介したように、通信制高校は自分のやりたいことに時間を使えたり、自分のペースで学習できたりする場です。そのため、自分のやりたいことを明確にして通信制高校へ進学するとよいでしょう。
大学進学率が低い
通信制高校には、大学進学率が低いというデメリットも存在します。文部科学省「学校基本調査(※)」によると、全日制高校と定時制高校、通信制高校の大学進学率は次のようになっています。
全日制高校・定時制高校の卒業者数:94万4498人
全日制高校・定時制高校の大学等進学者数:58万4465人(約60.8%)
通信制高校の卒業者数:7万6624人
通信制高校の大学等進学者数:1万6383人(約24.1%)
通信制高校から大学へ進学する人が、少ないのは事実です。進学率だけを見ると通信制高校から大学進学する人は少ないかもしれませんが、通信制高校では就職を目的とした専門コースを選択して就職する人も多くいます。
また、高校卒業資格を得るために働きながら通信制高校に通う人などもおり、生徒の全員が大学進学を必ずしもめざしているわけではない点も通信制高校ならではです。
その点、大学進学率が低くなることは避けられないでしょう。むしろ、さまざまな経歴の人と知り合える点は通信制高校ならではの魅力です。自分の目標が大学進学であれば、目標に向かって通信制高校で勉強に励むのも1つの手でしょう。
自己管理能力や主体性を身に付けないと時間を無駄にしてしまう
通信制高校の自由度の高さは、その人次第でデメリットにもなります。自由だからといって時間の使い方を間違えると、その積み重ねが卒業後の進路にも関わります。例えば、日々のレポート提出は「いつでもどこでも学習できる」とはいえ、言い方を変えれば「あとからでもできる」になります。"やるべきこと"と"やりたいこと"の優先順位をつけて取り組むことが大切です。
また、だらだらと家で過ごすことを防ぐ解消法として、アルバイトで外に出る習慣を作ってメリハリを付けている生徒もいます。
慣れるまでは大変ですが、高校生のうちにいち早く自己管理能力を身に付けるチャンスでもあります。この力は将来、大学に進学したときや就職したときに、必ず役に立つはずです。
同世代との関わりが少ない
毎日学校に通わないことや、学校での活動が少ないことが理由で、他の生徒と対面で関わる時間が全日制高校よりも少なくなります。同世代とのトラブルを経験したなどの場合は、距離を置く時間が取れる事が利点にもなりますが、「通信制高校に入ってすぐは、友達を作るのが難しかった」という声も聞きます。
しかし、スクーリングをきっかけに、「話せるようになった」「学年を超えて仲良くなれた」という卒業生も多くいます。そのため解消法の1つは、スクーリングやイベントで積極的にコミュニケーションを取ることです。その他、アルバイトや校外でのイベントにも挑戦してみると、好きなものや興味が似ている人と出会えるかもしれません。
また、多くの通信制高校には「通学コース」や「eスポーツコース」など、週に数日キャンパス等で過ごすコースが追加で選べるように用意されています。もっと人と関わる機会を増やしたいと思ったら、是非こうしたオプションコースのお申込みも検討してみてください。
まとめ
通信制高校では、自分のやりたいことに時間が使える、自分のペースで勉強ができる、個性や特性が尊重されるといったメリットがあります。一方で、大学進学率が低いことや同年代との関わりが少ないといったようなデメリットも存在します。
そのため、通信制高校への進学を検討しているのであれば、まずは自分のやりたいことや目標を明確にすることが重要です。個性を生かしつつ、自分の目標に向かって努力したい人は、進路の選択肢の1つとして、通信制高校を検討してみてはいかがでしょうか。
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