サポート校とは?通信制高校との違いやメリット・デメリットについて
公開日:2023.12.25
通信制高校を検討し調べていると「サポート校」というキーワードを見かける方も多いのではないでしょうか。
この記事では、サポート校と通信制高校の違いをはじめ、メリットデメリット等をご紹介していきます。
サポート校とは?通信制高校との違い
サポート校とは、通信制高校に通う生徒が学習面やメンタル面のサポートを受ける民間施設です。 サポート校の多くは、通信制高校と連携し生徒を支援しています。サポート校には専任の講師やカウンセラーが所属し、生徒が通信制高校を無事卒業できるよう学習の指導や学習計画の相談、精神面のケアを行っています。また、サポート校が提供するサービスには美容等のスキルを磨くサービスもあり、多様なサポート校が存在します。
通信制高校とサポート校は混同されやすいですが、まったく異なるものです。
どのような違いがあるのか「高校卒業資格」「運営母体」「費用」の3点を取り上げ、通信制高校との違いについてご説明します。
高校卒業資格
通信制校高校とサポート校の大きな違いは「高校卒業資格」を取得できるか否かです。
通信制高校の場合
通信制高校は学校教育法により「高等学校」と定められており、卒業要件を満たすことで「高校卒業資格」を取得することができます。
卒業要件の一つに「スクーリング(面接指導)」があり、学校(スクーリング会場)へ実際に登校し、対面授業を受けます。
サポート校の場合
サポート校は学習支援施設ですが「学校」と定められていません。そのため、サポート校の独自カリキュラムを学習されたとしても、高校卒業資格を取得することはできません。
また、サポート校への通学は高校卒業要件の一つ「スクーリング(面接指導)」の登校日数にカウントされません。サポート校への通学と通信制高校へのスクーリング登校は別とご理解の上、志望校及びサポート校の検討と確認を進めましょう。
費用
運営母体やコンセプト、コースの種類等に応じてサポート校の費用は大きく異なります。
自宅からの通いやすさ、求めるサポート内容等を整理し、該当するサポート校に費用を確認しましょう。参考までに、私立サポート校2校の年間費用をご紹介します。
サポート校A - 通信制高校+併設サポート校 合算額
入学金(初年度のみ) | 50,000円 |
---|---|
サポート校費用(諸経費含む) | 700,000円 |
通信制高校 授業料(年間) ※26単位履修の場合 |
180,000~320,000円 (7,000円~12,000円/1単位) |
サポート校B - サポート校費用のみ
入学金(初年度のみ) | 80,000円 |
---|---|
サポート校費用(諸経費含む) | 550,000円 |
上記費用は、あくまで一例です。詳細は、希望する施設の運営窓口へお問い合わせ下さい。
運営母体
サポート校を運営する機関や組織についてご紹介します。
学校法人や株式会社
通信制高校等を運営する法人がサポート校も運営し、通信制高校と連携しています。
予備校や学習塾
日々の学習支援や試験対策等に強みを持つ大学受験予備校等が運営し、進学を支援しています。
サポート校専門
カウンセリングや精神的なサポートに力を入れていることが多く、カウンセラーが常駐し気軽に相談できる環境を提供しています。
専門学校(技能連携校も含む)
美容や映像制作等の専門領域を持つ場合が多く、将来に向けた知識や技術習得を支援しています。
このように各施設には特色があり、提供サービスもさまざまです。必要とするサポートや学びたいスキル等から、ご自身に合った施設を探しましょう。
サポート校へ通うメリット、デメリット
サポート校へ通うメリットとデメリットをご紹介します。
サポート校のメリット
サポート校を利用することで得られるメリットは、次の点です。
生徒同士交流する機会が増える
サポート校に通学することで、生徒同士会う頻度も高く同級生や異学年の生徒と交流を持つ機会が増えます。同じ境遇で学ぶ仲間とのコミュニケーションは、学習の励みにもなります。
通信制高校の学習や卒業への不安を和らげる
通信制高校での学習や卒業に不安がある場合、サポート校でのきめ細かなアドバイスや学習サポート等、手厚いフォローを受けられることで卒業の確実性が上がり日々の安心につながります。
学習計画通りに進めやすい
通信制高校の学習を一人で進めることが難しい方は、サポート校で無理のない学習計画をたて、不明点を都度質問や相談することで学習の効果を高められます。また、計画的に学習を進めやすくなります。
メンタルのサポート
カウンセラーによるサポートを強みとするサポート校があります。学習や人間関係等の悩みを気軽に相談でき、高校生活を続けられるよう支援を受けられます。
サポート校のデメリット
サポート校には多くのメリットがありますが、次のデメリットについても考慮しましょう。
サポート校のみでは高校卒業資格が取得できない
サポート校のみの利用では高校卒業資格を取得できません。また、サポート校への通学は、高校卒業要件の一つ「スクーリング(面接指導)」の登校日数にカウントされません。
サポート校の費用負担が重い
サポート校を利用する場合、通信制高校の学費とは別に費用が発生します。費用はサポート校、コース内容、通学日数等によって異なります。希望しているサポート校があり費用面で決めかねる場合は、直接相談窓口へ「通学日数等で調整可能か」等相談してみましょう。
集団学習(指導)による負担
個別サポートメインのサポート校もありますが、集団での学習(指導)が基本のサポート校の場合、決められた時間に大人数がいる教室で学ぶことが苦手な方にとっては大きな負担になるでしょう。
サポート校の利用を検討する際は、メリットとデメリットをしっかりと比較し、ご自身の状況に合わせて最適な選択をしましょう。
フリースクールとは?
フリースクールとは、不登校や発達障害等の事情を抱える子どもたちが、学校の代わりに過ごす場所です。個々の興味やペースに合わせて学び、カリキュラムはとても柔軟に組まれます。
サポート校は通信制高校に通う生徒の支援が目的である一方、フリースクールは学校に通えない子どもの支援が目的です。
フリースクールの場合、基本的に入学資格は設けられておらず年齢制限はありません。地域の小・中学校と連携している施設が多く、学校への登校が出席扱いとされるケースもあります。尚、高等学校は出席扱いにならないため注意が必要です。