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親とうまくいかない生徒がeスポーツコースで変わっていく

最終更新日:2022.01.25

ゲームをきっかけに不登校から通うきっかけを掴む

eスポーツ

講師や生徒との交流を通し、周囲に配慮することを学ぶ

eスポーツコースを設置した横浜キャンパスは、2021年4月に開校した比較的新しいキャンパスです。 既存の教室の中に作ったキャンパスとは異なり、eスポーツコース専用クラスが2教室あり、広い空間の中でeスポーツに集中する環境が揃っています。

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講義内容は他キャンパスと共通ですが、生徒数がまだ少ないこともあり、生徒たちの様子から日々の成長を感じることも多いとのことで、担当の今井講師にお話を伺いました。

横浜に通ってくる生徒はどのあたりから通ってくる生徒が多いですか?

今井:横浜駅が、JR・私鉄・地下鉄の各線が6社局も乗り入れている駅ですので、その沿線から通ってくることになります。横浜駅から1-2駅の生徒もいますが、埼玉県からも電車で一本ということで通ってくる生徒や、厚木方面から通ってくる生徒もいます。都内に通うとなるとちょっとハードルが高いという方もいましたので、「横浜に通えるキャンパスがあって良かった」という声をよく頂いています。

「ゲームをやりたい」と言う生徒に対する保護者の意見はどうでしょうか?

今井:中学3年生の保護者の方からは、不安を覚える方もいらっしゃいます。生徒本人はやりたがっても、保護者さまから「ゲームをしていてその先は大丈夫なのか?」といった心配な声や質問を頂きます。ただ、見学に来られる生徒の約半数は体調に不安があるなど、中学校に通えていない生徒たちもいて、週2日でもコースに通うことができるかどうかが当面の心配になります。 ゲームをやりたいという生徒を応援している保護者さまは、「家に引きこもりになっている生徒でも、ゲームをきっかけにしてもう一度学校に通えるのでは」という期待を持っていることもあります。

現状通えていないこと、将来のことと両方不安を抱えているということですね。

今井:eスポーツやゲームに対して否定的になってしまう保護者さまの気持ちもよく分かります。ある保護者さまから「家でオンラインプレイをしているが、ネット上のやり取り・相手が見えない中遊んでいるからかプレイ中の暴言が気になる」と心配されるケースがありました。 eスポーツコースの場合、講師や同世代とともにゲームを進めることで、相手や周囲に意識・配慮しプレイすることを学びます。また、メンタルコミュニケーションの講義の中でマナーや言葉遣いに気を付けてもらうといった取り組みの中で改善することができます。

不登校を経験した生徒の中には、ご両親の声に耳を傾けてくれないと心配をされている保護者さまもいらっしゃいますが、自分の好きなゲームを一緒にプレイしている友だちや、講師・教職員の話は聞いてくれるということもあります。 一緒のゲームを遊んでいることで共通の話題が多いことから、コミュニケーションが円滑に進みやすいのではないかと思っています。

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eスポーツの講義を受けていくことで成長が見られることはありますか?

今井:例えば、ある程度ゲームスキルに自信のある生徒がいて、講義中に講師が強くなるために必要なアドバイスや練習の時間を設けても、聞き入れてくれないことがありました。あるeスポーツの大会を通し、「もっと強くなりたい」「勝ちたい」と思ったことをきっかけに、 講師のアドバイスに耳を傾けるようになり、実際に成績が伸びゲームスキルだけではなく心の成長も感じました。
こうした大会がきっかけや刺激となり、チームメイトとのコミュニケーションを積極的にとる、自分に足りない技術を磨く必要があることを理解することが成長のきっかけになっていると実感しています。 代表的な高校生向けの大会であるStage:0、全国高校eスポーツ選手権で好成績を収めていくことで、自分に対しての自信をつけて、進学の際にもやり抜いた実績が評価されると思います。 好成績を狙う・スキルを試す場としてだけでなく、気づきの場として大会に出場してもらいたいと考えています。

横浜の生徒たちの進路はどういった希望がありますか?

今井:まだ卒業した生徒はいないのですが、担任とも連携して聞き取りをしています。プロゲーマーになりたいという生徒は比較的少なく、ゲーム制作やパソコン関係、イベント運営に興味を持つ生徒が多く、専門学校や大学進学を勧めています。どうしてもゲーム実技の講義は人気で、英語やプログラミングの講義は苦手な生徒もいるのですが、どちらもバランスよく受けてもらうことで将来の進路の幅が増えると説明をしています。

横浜キャンパスでは生徒同士のつながりを作るために部活動もあると聞きました。

今井:はい、学校の講義が終わった後に、残った生徒たちが交流できる場所や機会を設けています。曜日などは決めていませんが、カードゲームのポケモンカードゲームを遊ぶポケカ部や、ボードゲーム等で生徒同士や先生と対戦しています。ポケカ部はとくに生徒たちに人気で、今後はこうしたキャンパス内のゲーム大会を生徒に運営してもらっていくことで成長する機会になってもらえたらと思っています。

eスポーツコースがコミュニケーション促進や目標を持つきっかけに

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横浜キャンパスの様子からは、eスポーツコースに通えるようになることをきっかけに、講師や生徒同士のコミュニケーションができるようになり、大会を目標に努力をしていくようになるという、良い循環を感じました。家の中で遊んでいるときよりも強くなるスピードが早いという生徒からの意見もあり、これからの横浜での生徒たちの成長が楽しみです。

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