通信制高校の単位制とは?学年制との違いや単位修得の仕組み
公開日:2023.12.25
通信制高校を検討し調べていると、「単位制」「学年制」というキーワードを目にする方も多いのではないでしょうか。
なじみのない言葉かと思いますが、高校には「単位制」「学年制」の二つの制度があります。この記事では、多くの通信制高校で採用されている「単位制」について、「学年制」と比較しながらご紹介します。
単位制とは?学年制との違い
高校卒業資格を取得するための要件の一つに、必履修科目を含む74単位以上の修得があります。
単位を修得する方法として「学年制」と「単位制」の二つの制度があり、一般的に全日制高校・定時制高校では「学年制」、通信制高校では「単位制」を採用しています。最近では、全日制高校・定時制高校の中でも「単位制」を導入している学校があるようです。
多くの通信制高校で採用している「単位制」とはどういった仕組みなのか、「学年制」の特徴と合わせて説明します。
単位制とは?
生徒が選択したい科目を決め、学校に申請(履修登録)し、課題の提出やスクーリング等を通して単位修得を進める制度です。多くの通信制高校が採用しています。
各科目には単位数が定められており、高校卒業資格を取得するには、高校3年間の在籍の中で「必履修科目を含む必要単位数を修得」する必要があります。
卒業に必要な単位数や卒業要件を「通信制高校の卒業に必要な単位数」で、単位修得の流れを「単位を修得するには?」にてご案内いたします。
学年制とは?
1年間で修得する授業科目や単位数を学校が決め、生徒は指定のカリキュラムに沿って学習を進める制度です。全日制高校・定時制高校の多くが採用しています。
一般的には学年・クラスごとに学習する時間割が決まっており、毎日通学し時間割の通り授業を受け、一定の成績や出席数をクリアすることにより進級や高校卒業資格を取得することができます。
通信制高校の卒業に必要な単位数
通信制高校を含む単位制高校を卒業するには、必履修科目を含めた74単位以上の修得が必要です。
毎日の登校に代わり「レポート(課題提出)」「スクーリング(面接指導)」「試験」等を通して単位を修得します。
他の卒業要件とは?
必履修科目を含めた74単位以上の修得に加えて、次の2つが必要です。
特別活動に30単位時間以上参加していること
特別活動とは、個性や社会性を育むための活動で、学校行事や学級活動、生徒会活動、クラブ活動等が該当します。
高等学校での在籍が3年以上あること
高校を卒業するには通算3年以上の在籍が必要です。在籍期間は転校前の学校の在籍期間も含めて計算できます。
※休学期間は在籍期間に含まれません
通信制高校は全日制高校とは異なり毎日登校する必要はありませんが、上記卒業要件を満たして取得した卒業資格は全日制高校の卒業資格と同等に扱われます。
単位を修得するには?
通信制高校における、一般的な単位修得の流れは以下の通りです。
- 添削指導(レポート提出)
- 面接指導(スクーリング)
- 試験
教科書や動画授業等を用いて学習し、添削指導(レポート提出)や面接指導(スクーリング)を経て、各科目試験に合格することで修得できます。
「添削指導(レポート提出)の回数」や「面接指導(スクーリング)の単位時間」は科目ごとに定められており、スクーリングでは単位時間に応じた各科目の対面授業を受ける必要があります。
通信制高校のスクーリングは主に3種類に分けられ、週に1~2日や月数回通う通学タイプ、一時期に連日通う集中タイプ、宿泊施設を利用し合宿形式でまとめて授業を受ける合宿タイプがあります。
学校によって採用しているスクーリングタイプが異なるため、事前に志望校のHPやパンフレット、相談会等で確認しておきましょう。
1年間に履修できる単位数の上限
1年間に履修できる単位数の上限は、学校により異なります。
単位数の上限を公表する通信制高校を数校調べたところ、単位数の上限は年間35単位前後の高校が多く見受けられました。
上限に近い単位数の修得を考える場合、履修科目数に応じた学習量やスクーリングへの参加が必要となるため、より自主的に学習計画を管理し学習を継続していくことが重要になります。
単位制・学年制のメリット、デメリット
多くの通信制高校で採用している「単位制」ですが、メリット(魅力)だけではなくデメリット(注意点)もあります。
後悔のない進路選択のために、注意点や自身と向き合い、納得のいく選択をしましょう。
単位制 | 学年制 | |
---|---|---|
メリット (魅力) |
時間割が個々で異なる 科目の組み合わせなどを希望にあわせ、柔軟にカリキュラムをカスタマイズできる。 多くの時間を自由に使うことができる 単位制の通信制高校の場合、登校日数が全日制と比べ少なく、学習を自分のペースで進めることができることから、多くの時間を自由に使うことができる。 |
学習計画に悩まなくて良い 学年ごとに指定された科目を時間割通り履修するため、計画を個人でたてる必要がない。 |
デメリット (注意点) |
計画性が求められる 自由に学習できる反面、選択した科目についてはきちんと学習するなど、一人ひとり異なるスケジュールで学ぶため、毎日授業を受ける学年制と比較し計画性や自己管理が求められる。 |
カリキュラムの自由度が低い 時間割が決められていることから、選択できる科目が少ない。また、学校指定のカリキュラムに沿って授業を進めることから、学習進捗や理解度に個人差が出る場合がある。 |
単位制のメリット
時間割が個々で異なる
科目の組み合わせなどを希望にあわせ、柔軟にカリキュラムをカスタマイズできる。多くの時間を自由に使うことができる
単位制の通信制高校の場合、登校日数が全日制と比べ少なく、学習を自分のペースで進めることができることから、多くの時間を自由に使うことができる。
単位制のデメリット
計画性が求められる
自由に学習できる反面、選択した科目についてはきちんと学習するなど、一人ひとり異なるスケジュールで学ぶため、毎日授業を受ける学年制と比較し計画性や自己管理が求められる。
学年制のメリット、デメリット
学年制のメリット
学習計画に悩まなくて良い
学年ごとに指定された科目を時間割通り履修するため、計画を個人でたてる必要がない。
学年制のデメリット
カリキュラムの自由度が低い
時間割が決められていることから、選択できる科目が少ない。また、学校指定のカリキュラムに沿って授業を進めることから、学習進捗や理解度に個人差が出る場合がある。
上記デメリットを解消するため、私立の通信制高校では、担任によるフォローやオンライン個別指導をはじめ、最寄りキャンパスでの学習支援やサポート校との提携等、学校によって様々なサポート体制が設けられています。志望校選びを進める上で、検討している高校のサポート体制は必ず確認するようにしましょう。
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