不登校になる原因とは?親にできることも合わせて解説
更新日:2025.01.22

不登校の子どもの数は増加傾向にあり、「うちの子は大丈夫だろうか?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
実際に自分の子どもが不登校になった場合、多くの方は「原因を知りたい」「少しでも早く復学してほしい」と思うものです。不登校には、さまざまな原因があり、子ども一人ひとりに合った対応が大切です。
この記事では、不登校の原因をはじめ、不登校となった子どもに対し親ができるサポートや対応等についてご紹介します。
不登校の原因とは?

不登校の原因はさまざまですが、特に多いのは、以下の6つです。
- 無気力・不安
- 生活リズムの乱れやあそび
- いじめなど、学校生活上のトラブル
- 学業の不振
- 家庭内の問題
- 精神的な未熟さ
- 発達障害の可能性
それぞれの詳細を解説します。
無気力・不安
不登校の原因として多いのは、「無気力・不安」です。文部科学省の調査によると、小学生から高校生までのすべての年代において「無気力・不安」を不登校の理由としている子どもの割合が高いことがわかっています。
無気力・不安になってしまうきっかけや要因は子どもによってさまざまです。子どもに対して「とにかく学校へ行け」「勉強についていけなくなったらどうするんだ」などと一方的に発言したり、子どもが望んでいないのに保健室登校させたりすることは逆効果のため、注意しましょう。
無気力・不安になってしまった明確な原因がある場合、原因を取り除かなければ根本的な解決には至りません。原因が特定できない場合も、子どもの「学校へ行きたくない」気持ちを尊重する必要があります。
生活リズムの乱れやあそび
生活リズムの乱れやあそびが不登校の原因になる場合があります。子どもによって背景はさまざまですが、家庭環境が影響しているケースが多いことが特徴です。
「家庭内の雰囲気が悪くて居心地が良くないため、遅くまで友人とあそぶようになった」「勉強や友人関係について親から過度に干渉され、息が詰まる」「親が自分に無関心で、なんとなく寂しさや孤独を感じる」などの理由が一般的です。
親の接し方を変えることで、改善が図られるケースもあるでしょう。過度に干渉したり、無関心な態度を取り続けたりすることは、子どもの心を傷つけてしまいます。子どもへの愛情をストレートに表現したり、一緒に楽しい時間を共有したりといった働きかけが大切です。
いじめなど、学校生活上のトラブル
「不登校=いじめが原因」とイメージする人が多いかもしれませんが、実際には不登校の理由としていじめをあげる子どもの割合は高くありません。いじめよりも、友人関係などのトラブルが不登校に発展してしまうケースが多いのです。
しかし、いじめについては学校側と子どもの間で認識が異なる場合が多いのが実情です。そのため、実際には「いじめを受けた」と感じている子どもの人数は、さらに多い可能性があるでしょう。
集団生活を送るうえでは、自分と考えや行動が合わない人がいます。無理に合わせようとすると精神的に疲弊してしまうため、「いろいろな人がいるけれど、無理に全員と仲良くしなくても大丈夫」と伝えてあげることが大切です。
学業の不振
学業不振が不登校の原因になるケースがあります。学校生活の大半は授業時間のため、勉強についていけなくなってしまうと、学校自体が苦痛に感じられるでしょう。
毎日楽しく通学できるようにするためには、学力の向上が必要です。小学生であれば、親が勉強をみてあげることが有効な手段です。「どうしてできないの?」と子どもを責めるのではなく、できた部分を褒めてあげるようにしましょう。子どもが自信を持てるようにすることが大切です。
中学生や高校生の場合は、いつから授業についていけなくなったのかを確認し、場合によっては塾などのサポートを受けながら改善していくことが必要でしょう。つまずきを放置せず、わからない部分からしっかり復習することが大切です。
家庭内の問題
家庭内の問題は、子どもの精神面に大きな影響を与えるため、不登校の原因になることがあります。特に、親の失業や離婚などをきっかけに生活環境が大きく変わると、気持ちが不安定になる子どもがいます。
生活環境が変わったこと自体よりも、親のストレスが子どもに伝わり、子どももストレスを抱えてしまうといったケースがあるでしょう。ストレスに対する子どもの反応はさまざまで、友人関係に変化が生じたり、人との関わりを絶ってしまったりといったケースがあります。
親自身に余裕がないと、子どもに優しく接することが難しい場面があるかもしれません。しかし、子どもは親が思っている以上に親のストレスやイライラに影響されやすいことを認識しておく必要があります。
精神的な未熟さ
精神的な未熟さが不登校と関連している場合があります。特に小学生に多い傾向ですが、「親と離れることに不安がある」「自分で何でもやる環境になじめない」といったケースです。
精神的な未熟さから、苦手な教科のある日は学校を休もうとしたり、「休み時間にトイレに行く」「次の時間の準備をする」といった基本的な生活習慣が身につかなかったりすることがあります。
好きなことに対しては積極的に取り組むことが多いため、何が不登校の原因かわかりにくいかもしれません。このような子どもに関しては、学校の教員や専門機関への相談などを通して、継続的に成長を見守る必要があります。
発達障害の可能性
不登校の原因として、発達障害もあげられます。たとえば発達障害のひとつ、学習障害(LD)がある場合、読み書きや算数に問題を抱えるかもしれません。同級生が苦もなくできることができない、教職員や周囲の子どもから指摘されてしまうこと、学校が辛い場所になる可能性もあります。
不登校の原因となり得る発達障害は、学習障害だけではありません。他にも、注意欠如・多動症(ADHD)の場合なら、じっと座っていることが難しく、授業が苦痛に感じる可能性があります。小学生の不登校の原因としては珍しいものではないと考えられるでしょう。
神経症(不安障害)の可能性
神経症とは正式な医学用語ではありませんが、一般的には「不安障害」のようなものとして認識されています。たとえば、人前で話すことや試験に対して過度に不安を感じて学校に行けなくなったり、混乱状態になったりするなどの状態が確認されるときは、不安障害かもしれません。
不安障害の症状はさまざまです。突然理由もなく強い不安に襲われて過呼吸やめまいが生じる「パニック障害」や、手を執拗に洗い続けたり何度も同じ問題を確認したりする「強迫性障害」などが見られ、学校に行くのが難しくなるケースも少なくありません。
なお、不安障害は、症状や程度によっては治療が必要になることもあります。早めに医療機関に相談してみましょう。
小学生に多い不登校の原因

令和4年度の小学生の主な不登校の理由(※)は、以下の通りです。
要因 | 割合(%) |
---|---|
無気力・不安 |
50.9 |
生活リズムの乱れ・あそび・非行 |
12.6 |
親子の関わり方 |
12.1 |
いじめを除く友人関係をめぐる問題 |
6.6 |
学業の不振 |
3.2 |
家庭の生活環境の急激な変化 |
3.2 |
入学・転編入学・進級時の不適応 |
1.8 |
教職員との関係をめぐる問題 |
1.8 |
家庭内の不和 |
1.5 |
学校のきまり等をめぐる問題 |
0.7 |
進路に係る不安 |
0.3 |
いじめ |
0.3 |
クラブ活動・部活動等への不適応 |
0.0 |
無気力・不安が圧倒的に多く、精神的な面で問題を抱え、不登校になる小学生が多いことがわかります。無気力や不安を抱える子どもに対して、強制的に学校へ行かせるのは得策ではありません。まずは休養し、気持ちの回復を待つことが大切です。
また、フリースクールも検討できます。以下をご覧ください。
中学生に多い不登校の原因

令和4年度の中学生の主な不登校の理由(※)は、以下の通りです。
要因 | 割合(%) |
---|---|
無気力・不安 |
52.2 |
生活リズムの乱れ・あそび・非行 |
10.7 |
いじめを除く友人関係をめぐる問題 |
10.6 |
学業の不振 |
5.8 |
親子の関わり方 |
4.9 |
入学・転編入学・進級時の不適応 |
3.8 |
家庭の生活環境の急激な変化 |
2.2 |
家庭内の不和 |
1.7 |
進路に係る不安 |
0.9 |
教職員との関係をめぐる問題 |
0.9 |
学校のきまり等をめぐる問題 |
0.7 |
クラブ活動・部活動等への不適応 |
0.4 |
いじめ |
0.2 |
多いのは、小学生と同様に無気力・不安です。特徴的なのは、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が10.6%と、大幅に増えていることです。友人関係が複雑化し、悩みを抱える中学生が多いことがわかります。
高校生に多い不登校の原因

令和4年度の高校生の主な不登校の理由(※)は、以下の通りです。
要因 | 割合(%) |
---|---|
無気力・不安 |
40.0 |
生活リズムの乱れ・あそび・非行 |
15.9 |
いじめを除く友人関係をめぐる問題 |
9.2 |
入学・転編入学・進級時の不適応 |
8.4 |
学業の不振 |
5.6 |
進路に係る不安 |
4.1 |
親子の関わり方 |
2.8 |
家庭内の不和 |
1.8 |
家庭の生活環境の急激な変化 |
1.8 |
学校のきまり等をめぐる問題 |
0.8 |
クラブ活動・部活動等への不適応 |
0.8 |
教職員との関係をめぐる問題 |
0.5 |
いじめ |
0.2 |
傾向としては、小学生・中学生と大きく変わりませんが「入学・転編入学・進級時の不適応」の割合が増えています。高校生活が始まると同時に、新しい人間関係を築かなければならない子どもが多くいます。何らかの要因で学校になじめないと、次第に行きづらくなってしまうのでしょう。
通信制高校という選択肢も検討できます。以下をご覧ください。
不登校の子どもにできること

子どもが不登校になると、親は誰しも不安になったり焦ったりするものです。しかし、学校へ行くことを強要すると、かえって事態を悪化させてしまうことがあります。
おすすめの対応方法は、以下の3つです。
- 子どもとしっかり向き合う
- 学校や専門家と連携して対応する
- 学校以外に子どもの居場所を探す
それぞれの詳細を解説します。
子どもとしっかり向き合う
不登校の原因には、親や教員には話したくない理由の場合もあるはずです。子どもに対して、理由を問い詰めたり、学校へ行くように促すようなことはせずに、しっかりと向き合うようにしましょう。
「よくがんばったね」とこれまで学校へ通っていたことに対して労いの言葉を掛けるとともに、「話したくなったら話してね」と伝えることがポイントです。子どもと継続的にコミュニケーションを取るなかで、ふとしたタイミングで話してくれることがあります。
学校や専門家と連携して対応する
不登校は、場合によっては長期化することがあります。親だけで何とかしようとせず、学校やスクールカウンセラー、支援団体との連携が大切です。
まずは学校の教員やカウンセラーに協力を求め、子どもの学校での様子を把握するとよいでしょう。何かヒントが隠されているかもしれません。
また、不登校の子どもを支援するさまざまな団体があるため、相談するのもよい方法です。悩みを抱え込まずに、今後のために前向きに行動することが大切です。
学校以外に子どもの居場所を探す
不登校が長期化すると親としては心配になるかもしれませんが、学校へ通学することだけが不登校解決のゴールではありません。塾やフリースクール、教育支援センターなどでも勉強ができます。高校生なら、通信制の学校への転校も選択肢の1つでしょう。
子どもの将来の選択肢を狭めないためにも、さまざまな方法を検討してみることが大切です。子どもにとっても、学校以外に自分の居場所ができることのメリットは大きいはずです。
不登校の子どもにやってはいけないこと
子どもに不登校の傾向が見られるときは、様子を見守るだけでは十分とはいえません。子どもが話しやすい環境を作り、子どもの言葉に耳を傾けるようにしてください。子どもが自分から「聞いてほしい」と思えるような雰囲気にすることで、早期に問題解決できることがあります。
特に避けるべき対応は、次の3つがあげられます。
- 積極的に登校を促す
- 学校へ行かない理由を問い詰める
- 不登校への不安や親の辛さを訴える
子どもが安心して不安や悲しみなどを吐き出すためにも、まずは親が気負わず笑顔になることが大切です。
通信制高校ならルネサンス高校

ルネサンス高校は、2006年に開校した通信制高校です。eラーニングの学習環境が充実しているため、毎日学校へ通う必要がありません。自宅で学習したり、カフェなどのお気に入りの場所で学習したり、あるいは自由登校できるキャンパスで勉強することも可能です。
また、生徒一人ひとりの学習の進度をしっかり記録しています。担任教員だけでなく、保護者も学習状況を把握できることが特長です。この取り組みが、高い卒業率に直結しています。
まとめ

不登校の原因はさまざまですが、精神面での不調や学校の人間関係、家庭の事情などが影響している場合が多くあります。
子どもが嫌がるにもかかわらず不登校の理由を何度も尋ねたり、無理に学校へ連れて行ったりするのは逆効果です。学習を継続する方法は、学校へ通学することだけではありません。さまざまな選択肢を検討し、子どもと一緒により良い未来を築いていくことが大切です。
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