子どもが不登校の親がやってはいけないこと・すべきこと
更新日:2025.02.18

お子さまの不登校でお悩みの方は少なくありません。その原因は一人ひとり異なり、対応に悩まれることも多いでしょう。
本記事では、不登校の主な原因と、保護者がついしてしまいがちな対応の落とし穴およびその回避法を紹介します。
お子さまの気持ちに寄り添いながら、一緒に解決への道を探りましょう。最後までお読みいただければ、不登校の悩みを解消するヒントが見つかるかもしれません。
子どもが不登校になる主なパターン

不登校にはさまざまなパターンがあり、その要因と密接に関連しています。公益社団法人子どもの発達科学研究所等によって行われた「不登校の要因分析に関する調査研究」から見えてくる主なパターンは以下の通りです。
まず人間関係の問題が、大きなきっかけになる場合が考えられます。いじめや友達とのトラブル、先生との関係がうまくいかないなどで、学校に行きづらくなる心理は、大人から見ても理解できないものではありません。
勉強に困難を感じることも、よくある原因です。「授業がわからない」「宿題ができない」といった状況が続くと、学校に行く気持ちが薄れていくでしょう。
体や心の調子の悪さも不登校に影響し、「体の調子が悪い」「気分が落ち込む」「夜眠れない」といった症状が現れ、少しずつ学校に行けなくなっていくケースが見られます。
学校のルールや環境に馴染めないといった問題も、要因となります。制服や給食、行事などに違和感を覚え、学校から遠ざかってしまう子どもも少なくありません。
多くの場合、いくつかの要因が重なって不登校につながっていきます。不登校を防いだり、支援したりするには、これらの傾向を理解し、お子さま一人ひとりの状況に合わせた対応が大切です。
子どもが不登校になった時に親がやってはいけないこと

お子さまが不登校になってしまったら、保護者としてもどう対応すべきか悩むことでしょう。しかし、時には善意からの行動が逆効果になるケースも存在するのが実情です。ここでは、避けるべき対応を4つご紹介します。
無理に学校に行かせようとする
子どもの意思を尊重せず、強引に登校させようとするのは避けましょう。このような行動は、子どもの不安やストレスをかえって大きくしてしまいます。
無理に学校へ連れて行こうとすると、ますます学校から遠ざかってしまうかもしれません。また「学校に行かなければならない」というプレッシャーは、子どもの心を追い詰め、さらなる不安を生む可能性があります。
大切なのは、子どもの今の気持ちを受け止めることです。安心して自分の気持ちを表現できる環境づくりや、信頼関係の構築から始めるのが望ましいでしょう。
学校に行きたくない理由を深掘りする
「どうして学校に行きたくないの?」と、繰り返し理由を聞いてしまうのはおすすめできません。このような質問攻めは、子どもを追い詰めてしまう可能性があります。
理由を説明するよう求められても、子ども自身にもわからないことが多いものです。むしろ、親を心配させていることへの罪悪感を抱かせてしまうリスクの方が高くなります。
子ども自身が話したくなった時に、じっくり耳を傾けられるよう、まずは「待ち」の覚悟を持ちましょう。子どもから相談したいと思えるようになってから話をすることが、好転への近道となるでしょう。
他の人と比較する
「あの子は◯◯なのに」といった、他の子どもと比べるような表現は使わないようにしましょう。こういった発言は子どもの心を深く傷つけ、自己肯定感を低下させます。
一人ひとり、抱えている悩みや感じ方は異なることを忘れてはいけません。他の子と比べられ、自分はダメだと落ち込むこと自体が、回復を遅らせる可能性があります。
大切なのは、子どもの個性や状況をありのまま受け入れる気持ちです。子どもの気持ちに寄り添い、その子なりの成長のペースを尊重することこそが、結果的には良い方向への一歩となるでしょう。
子どもと距離を置いてしまう
不登校の状況に戸惑い、子どもと距離を置いてしまうこともおすすめできません。傷ついた子どもたちは、保護者からの関わりの変化には非常に敏感です。「見捨てられた」と感じ、さらに心を閉ざしてしまうかもしれません。
「学校に行っていなくても、あなたのことを見守っている」というメッセージを、日々の関わりの中で態度に示していきましょう。家庭が安心できる場所だと感じられれば、子どもの心も穏やかになり、再度前を向ける時期を早められるかもしれません。
不登校の子どもに対して親がすべきこと

子どもが不登校になった際には、保護者の適切な対応が回復への大きな力となります。専門家への相談や、新たな学びの場の検討など、子どもを支援するための方法はさまざまです。ここでは、不登校の子どもを持つ親が取り組むべき重要な行動をご紹介します。
スクールカウンセラーや先生に相談する
スクールカウンセラーや学校の先生に相談することで、専門的な視点からお子さまの状況を理解し、適切な支援方法を見出せる可能性が高まります。
また、学校との連携が強化され、学習面や社会性の発達をサポートする体制も整えやすくなるでしょう。保護者自身の不安や悩みを軽減し、子どもへの対応に自信を持てるようになる点も大きなメリットです。
不登校支援をしている団体に相談する
不登校支援を実施している団体に相談するのも有効です。具体的で実践的なアドバイスを得られ、個々の状況に応じた適切な対応方法も学べます。同じ悩みを持つ保護者との交流で孤立感が軽減され、精神的なサポートも得られるでしょう。
長期的な視点からのサポートや、地域の支援サービスについての情報も得られるため、より効果的にお子さまをサポートできるようになります。
学校外での学びを検討する
フリースクールなどの学習環境では、お子さまのペースや興味に合わせた柔軟な学習が可能です。従来の学校環境でストレスを感じていた子どもたちにとっては、より安心できる場所となるでしょう。
同じような経験をしている仲間との交流を通じて、社会性を育むこともできます。お子さま自身の興味関心に沿った学びを経験することが、学習意欲の回復につながる可能性もあります。
干渉しすぎず親が子どものお手本になる
子どもに付きっきりにならず、自ら充実した生活を送り、子どものお手本となるような姿を示すことも大切です。
付きっきりになり、お互いひきこもってしまうと不安ばかりが募ります。お互いの感情が衝突し、言い合いになることもあるでしょう。子どもへの過干渉につながる恐れも否定できません。
親が自身の生活を充実させれば心の余裕が生まれ、過度に叱ったり干渉したりといった行為の防止にもなります。
また社会の一員として、いきいきと生活する姿を見せることは、子ども自身の将来を思い描く手助けとなります。
もちろん仕事だけではなく、趣味を持ち楽しむ姿も子どもにとっては良いお手本です。
親が趣味や仕事で充実した生活を送ることで、不登校の子どもに「大人になるのも悪くない」と思ってもらえるようにしましょう。
このような姿が子どもの視野を広げ、自身を見つめ直すきっかけとなる可能性があります。
親が子どものお手本となることで、お互いの心に良い影響をもたらすでしょう。
【段階別】子どもの不登校の一般的な原因

小学生
文部科学省『令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』によると、令和4年度時点で不登校の小学生は全国で10万人を超え、全体の1.7%にのぼります。小学生の不登校の主な要因は以下の通りです。
- 無気力・不安(50.9%)
- 生活リズムの乱れ・あそび・非行(12.6%)
- 親子の関わり方(12.1%)
半数以上を占める「無気力・不安」は、学校環境への適応困難や学習の遅れ、友人関係のトラブルなどから生じるケースが見られます。
特に低学年では、分離不安も大きな理由となり得ます。分離不安とは、子どもが親や家族から離れることに強い不安や恐れを感じる状態のことです。また「先生がこわい」といった、学校への恐怖心が大きな要因となることもあるでしょう。
「生活リズムの乱れ」は、夜型の生活習慣やゲーム・インターネットの過度な利用などが影響している可能性があります。「親子の関わり方」があげられていることから、家庭環境が子どもの学校生活に与える影響の大きさもわかります。
小学生の場合、言葉で気持ちを適切に表現することが難しいこともあり、体調不良や無気力という形で不登校の兆候が現れる例も珍しくありません。保護者や教師が、子どものささいな変化に気づき、早期に対応することが重要です。
中学生
文部科学省の調査によると、令和4年度時点で不登校の中学生は全国で19万人以上おり、これは中学生全体の約6%にあたります。中学生の不登校の主な要因としては、以下の項目があげられます。
- 無気力・不安(52.2%)
- 生活リズムの乱れ・あそび・非行(10.7%)
- いじめを除く友人関係をめぐる問題(10.6%)
中学生でも「無気力・不安」が半数以上を占めています。これは思春期特有の心理的な問題や学業のプレッシャー、人間関係の複雑化などが背景にあると考えられます。また学習の難度上昇や成績への不安、将来への漠然とした不安なども影響しているでしょう。
「生活リズムの乱れ」も小学生と同様に見られます。中学生からはスマートフォンを所有する生徒が増え、使い過ぎによる生活リズムの乱れから体調を崩し、不登校につながってしまうケースなどがあります。また「友人関係をめぐる問題」が上位にあることから、人間関係の変化や複雑化も大きく影響していると言えるでしょう。
中学生の場合、周囲の目を気にしたり、自尊心から問題を隠したりする傾向があり、その分不登校の兆候が見えにくくなる場合もあるでしょう。保護者や教師が子どもの変化に敏感になる必要がある時期です。
高校生
令和4年度の文部科学省の調査によると、高校に在籍する生徒の約2%が不登校であるという結果となっています。
高校生の不登校の主な要因は以下の通りです。
- 無気力・不安(40.0%)
- 生活リズムの乱れ・あそび・非行(15.9%)
- いじめを除く友人関係をめぐる問題(9.2%)
中学生と同様、不登校の原因の多くは「無気力・不安」、「生活リズムの乱れ」といった自分自身の問題にあると言えるでしょう。
とはいえ不登校の原因は一つではありません。心身ともに多感な時期である高校生なら、なおさらさまざまな要因が絡みあい不登校になっていると考えられます。
親としては学校を休むことを否定せず、子どもの心に寄り添った対応が重要です。必要に応じて先生やスクールカウンセラーなどに相談し、学校に行けるようサポートすることも大切でしょう。
高校生であれば、自身に合った学び方ができる高校への転入も考えることができます。子どもの思いを十分理解し、希望に合った学校選びを手助けしてあげましょう。
不登校になってしまったお子さまに通信制高校という選択肢を

通信制高校は、不登校の生徒にとって新たな学びの場となる可能性があります。普段は自宅で動画授業を受けながら学び、少ない登校日数で無理なく高校卒業をめざせます。さまざまな状況にある生徒が通う学校であるため、生徒一人ひとりに寄り添う姿勢がしっかりと確立されているのが大きな特徴です。
ルネサンス高校では、大学進学のためのバックアップを受けられるだけでなく、eスポーツや美容、K-POPといったお子さまの「やりたいこと」をじっくり学べるコースも取り揃え、幅広い生徒の夢を支えています。教員だけでなくスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも在籍しており、困った時にもすぐに相談できる態勢が整えられています。
ルネサンス高校では学校説明会のほか、オンラインで申し込める個別相談会も随時開催しているため、興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ

不登校は珍しい問題ではなく、誰にでも起こり得る可能性があります。保護者として重要なのは、お子さまの気持ちに寄り添い、適切なサポートを提供することです。無理に学校に行かせようとするのではなく、子どもの状況に応じた対応を心がけましょう。
時には専門家や支援機関の助言を積極的に求め、子どもの成長を長期的な視点で見守ることが大切です。不登校は決して子どもや親の失敗ではありません。一人ひとりの子どもに合った解決策を見つけ、新たな一歩を踏み出すきっかけとしましょう。
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