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高校中退したらどうなる?就職への影響・その後の選択肢・保護者にできることを紹介

更新日:2025.07.1

高校中退したらどうなる?就職への影響・その後の選択肢・保護者にできることを紹介

努力して志望校に入学しても、高校中退を考える人がいます。文部科学省の調査によると、2023年度の高校中退者数は「46,238人(※)」でした。

この記事では、高校中退が将来に与える影響やデメリットから、中退後の選択肢、中退前にできることなどを解説します。高校中退を検討している子どもと向き合うためにも、ぜひ参考にしてみてください。

なぜ高校中退という選択をするのか?

なぜ高校中退という選択をするのか?

入学前に想像していた高校生活と現実のギャップに悩み、高校中退を選ぶ人もいます。では、高校を中退する具体的な理由にはどのようなものがあるのでしょうか。

文部科学省の調査によると、令和2年(2020年)から令和4年(2022年)にかけて、もっとも多かった中退理由は「進路変更(※)」、次いで「学校生活・学業不適応(※)」でした。

「進路変更」による中退には、「芸能活動やスポーツに専念するため」や「海外留学のため」など、新たな夢や目標を見つけたことによる前向きなケースが多く含まれます。

一方、「学校生活・学業不適応」にはどのような背景があるのでしょうか。たとえば、入学後に授業についていけず、勉強がストレスとなって通学が苦痛に感じられるようになることがあります。

また、クラスに馴染めなかったり、先生との相性が合わなかったりと、人間関係がうまくいかないことも、中退を考える大きな理由のひとつです。

とくに全日制高校では、毎日登校する必要があるため、「学校に行きたくない」という気持ちが続くと不登校気味になり、結果として中退に至るケースもあります。

そのほかにも、病気や経済的な理由など、やむを得ない事情によって中退を選択せざるを得ない場合も少なくありません。

高校中退が将来に与える影響・デメリット

高校中退が将来に与える影響・デメリット

高校中退のデメリットは、主に次の5つです。

  • 進学・資格取得が複雑になる
  • 就職・収入に影響する
  • 人間関係が希薄になる
  • 社会性が低下しやすい
  • 費用面でのデメリット
  • 情報を得にくくなる

それぞれ解説します。

進学・資格取得が複雑になる

将来的に子どもの進学や資格取得が複雑になることは、高校中退のデメリットとなります。

大学や短大、専門学校に入学するためには、「高校卒業の最終学歴」または「高校卒業と同等以上の学力があることの認定資格(高等学校卒業程度認定試験)」が必要です。高校中退後に進学をめざす場合、高校卒業資格または高卒認定資格を取得しなければなりません。

また資格によっては、高校卒業資格がなければ取得できないものもあります。「学歴不問 / 実務経験が規定の年数以上あれば取得可能」という資格もある一方、高校中退という学歴では、実務経験を積もうとしても採用されること自体が難しいケースもあります。

就職・収入に影響する

高校を中退した場合、最終学歴は中卒となります。正社員として働く意欲があっても断られてしまったり、そもそも応募ができなかったりするケースは少なくありません。

そのため、高校中退者は派遣労働や単発アルバイトなど、正規雇用と比べて不安定な職に就きやすいといわれています。「令和5年若年者雇用実態調査」によると、15~34歳までの若年労働者における正社員の割合は、大卒では87.3%、高卒では63.%であるのに対し、中卒では34%です。(※)

希望する就職ができない場合、十分な収入を得られず、その後の生活基盤にも影響が及ぶ恐れがあります。

人間関係が希薄になる

人間関係が希薄になりがちなことも、高校中退のデメリットといえるでしょう。

高校を中退して学校という場所から離れれば、学校に通う中で必然的に会っていたさまざまな人たちと同じ頻度で会うことがなくなってしまいます。

高校中退後でも、友人などと連絡を取り合うことは可能です。しかし、高校在学中や大学へ進学した相手とは共通の話題が減るため、話していても「共感できない」と感じることがあるでしょう。

学生生活を送っている友人と自分の環境や状況の違いから、孤独感や引け目を感じ次第に距離を置くようになってしまうケースも少なくありません。

社会性が低下しやすい

高校を中退すると、多くの人と関わる機会がなくなります。

たとえ周囲の人間全員と会話をしなくても、「この人と自分は○○に関する考え方が違う」「誰と誰が○○でモメた」など、大勢の中に身を置くからこそ考えさせられることがあるものです。このような経験からは、社会性を身につけられます。

高校を中退して人と接する機会が少なくなれば、社会性を身につけるチャンスも減ります。気がつかないうちに、他人との関わり方などに関する能力が落ちていってしまう可能性があるでしょう。

費用面でのデメリット

高校を中退する際、保護者として無視できないのが費用面の影響です。すでに支払った入学金や授業料、教材費などは原則返金されないため、経済的な損失を感じることもあるでしょう。高校受験のために塾へ通った費用や時間も含め、これまでの投資が無駄になったと感じてしまうかもしれません。

また、新たな進路に進む場合には、改めて費用が発生することもあります。たとえば、海外留学を選ぶ場合は日本の高校より高額な学費や生活費が必要になることが多く、事前の語学学習費なども見込んでおく必要があります。

情報を得にくくなる

情報を得にくくなることも、高校中退のデメリットのひとつです。

子どもは「スマホやパソコンがあれば大丈夫」と思うかもしれません。確かに、インターネットは情報収集に便利です。ただしインターネットの情報は、どうしても対象が、いわゆる世間一般的な人たちになるため、情報が一般的なものに偏ってしまいます。

たとえば学校の先生であれば、大多数ではなく「子ども個人」の状況をふまえた情報を子どもに与えてくれるでしょう。また学校では、地域や高校生らしいイベントや「生きた情報」などとも出会えます。

「高校中退=終わり」ではない!その後の主な選択肢

「高校中退=終わり」ではない!その後の主な選択肢

高校中退後は、主に次の4つの選択肢があります。

  • 高卒認定試験(高認)を取得する
  • 通信制高校・定時制高校に編入学する
  • 大学や専門学校への進学
  • 就職・起業する

それぞれの選択肢を詳しく見ていきましょう。

高卒認定試験(高認)を取得する

高校を中退した後の進路として、「高卒認定試験(高認)」に合格することで、大学・短大・専門学校などの進学資格を得る方法があります。

ただし、あくまでも「高校卒業と同等の学力がある」と認められるもので、学歴は中卒のままとなります。また、合格には十分な学力が必要です。独学での対策には限界があることも多く、専門の予備校などを利用して学習環境を整えることが、現実的な対策といえるでしょう。

通信制高校・定時制高校に編入学する

現在の高校が合わなかった場合は、通信制高校や定時制高校に編入げくするという選択もあります。

定時制高校では、同じように中退を経験した生徒と出会えることも多く、似た境遇の仲間とともに卒業をめざせる環境です。授業は1日4コマ程度が一般的で、昼や夕方から通学可能な学校も多いため、自由に使える時間が増え、やりたいこととの両立もしやすくなります。ただし、卒業までに4年かかる場合もあるため、入学前に年限やカリキュラムを確認しておきましょう。

子どもが通学に苦痛を感じていたのなら、通信制高校への入学もひとつの選択肢です。通信制高校では、学校によって日数は異なりますが、限られたスクーリング日以外、通学は基本的に必要ありません。主にテキスト学習やオンライン学習が中心のため、高校で授業についていけなかった人や通学が難しかった人に適しているといえるでしょう。

また、通信制高校の多くは学年制ではなく単位制を採用しているため、自分のペースで学習を進めていけるのも特徴です。中退前に修得した単位を引き継げる場合もあるので、早めの転入手続きによって、同級生と同時期の卒業もめざせます。

大学・専門学校などへの進学

高校中退後に、大学や専門学校への進学をめざすことも可能です。ただし、大学や専門学校(専修学校専門課程)への進学には、高校卒業資格または高卒認定試験の合格が必要です。

一方で、高等専修学校と呼ばれる中卒から入学可能な課程もあります。専門技術を実践的に学ぶことができ、大学入学資格付与指定校の3年制課程を修了すれば、大学受験資格を得ることも可能です。

ただし、高等専修学校の多くは全日制で通学が必要です。体調や生活リズムに不安がある場合は、無理なく通えるかどうかをよく検討することが大切です。

就職・起業する

高校中退後に、すぐに就職する人もいます。中卒では選べる職種に限りが出ることがありますが、未経験でも採用する企業も存在します。

ただし、高校中退にはマイナスイメージを持つ企業も少なくないため、就職は簡単ではありません。結果としてフリーターになるケースもあり、長期化すると正社員採用がさらに難しくなる可能性もあります。

「地域若者サポートステーション(サポステ)」などの支援機関を活用すれば、履歴書作成や面接練習、就職先の紹介など、包括的なサポートが受けられます。

また、起業やフリーランスとしての道もあります。特技や興味を活かした働き方ができる一方、継続的に収益を上げていくには自己管理や専門知識が欠かせません。安易に選択するのではなく、必要な準備を十分に行いましょう。

起業やフリーランスであれば学歴は関係ありませんが、ビジネスとして成立させ、収益をあげるためには、さまざまなスキルが求められます。自分でビジネスを起こすために必要な知識やスキルを能動的に学んでいけるタイプでないと、難しいかもしれません。

子どもが高校中退する前にできること

子どもが高校中退する前にできること

高校中退を考えている人は、何らかの困難を抱えていることでしょう。

まずは、子どもとじっくり話し合うことが大切です。考えを否定せず、子どもの話に耳を傾けてみましょう。話し合いを重ねることで、子どもが一人では気がつかなかった中退以外の選択肢が見つかることもあります。もしかすると、高校を中退しなくても問題を解決する手段があるかもしれません。

子どもが「とにかくやめよう」と考えているならば、まずは次に紹介する「高校中退前にできること」を試してみてください。

相談に乗る

子どもが高校中退を考えていたら、まずは相談に乗りましょう。

子どもが高校中退を考えていることを打ち明けたときに、決して驚いたり取り乱したりせず、冷静に子どもが抱える悩みに耳を傾けてみてください。

子どもと話すときには、子どもの高校中退の意思を否定しないのがポイントです。否定してしまうと、心を閉ざしてしまうかもしれません。まずは子どもの悩みを知り、困難を解決する手段を一緒に考えてみましょう。

もしかしたら、「悩んでいるけれど、どうすればよいかわからない」ということで困っているだけなのかもしれません。

子どもの話を聞き、一緒に情報収集する

中退を考える子どもには、まず「なぜ中退したいのか」「どんな将来を描いているのか」といった気持ちをしっかり聞くことが大切です。

そのうえで、「今すぐ辞めるべきなのか」「続けながら状況を変える方法はないか」など、本人と一緒に冷静に考え、情報を集めていきましょう。

親が焦って結論を出させるのではなく、子どもが自分の意思で納得して進路を選べるよう寄り添う姿勢が重要です。

担任の先生・スクールカウンセラーに相談

担任の先生や、スクールカウンセラーにも相談してみてください。
担任の先生は、学校で過ごす子どもの姿を普段から見ているため、相談するとスムーズに話が進みやすいでしょう。

学校によっては、スクールカウンセラーという、生徒の心のケアやストレス対処を専門にする人が在籍している場合もあります。スクールカウンセラーに相談することで、悩みを解決するためのヒントやアドバイスをもらえるかもしれません。

もし子どもの悩みがクラスの人間関係にある場合、担任の先生やスクールカウンセラーに相談することで、保健室登校などの対象措置をとってくれる可能性もあるでしょう。

外部機関への相談・支援を求める

「家庭だけでは解決が難しい」と感じたら、外部の支援機関に相談してみましょう。第三者の視点から助言をもらうことで、新しい気づきを得られることもあります。

相談窓口としては、以下のようなものがあります。

  • 地域の教育相談センター
  • 地域の社会福祉協議会
  • 子供のSOSの相談窓口

地域の教育相談センターは、全国の自治体に設置されている教育関連の相談窓口です。たとえば、東京都教育相談センターでは、不登校や進路に悩む子どもと保護者を支援する「青少年リスタートプレイス※」などを設置しています。学校生活や進路などについての悩みを抱える人を対象に、出所相談だけでなく、メールや電話、SNSでの相談※も可能です。

地域の社会福祉協議会は、営利を目的としない民間組織で、教育相談センターと同様に各自治体に設置されています。

たとえば、東京都社会福祉協議会では進路に悩む学生の支援を行っているため、相談してみるのがおすすめです。高校中退を検討している人に対し、どのような選択肢があるのか、支援制度や相談窓口の紹介も行っています。※

文部科学省では「子供のSOSの相談窓口※」を開設しており、「24時間子供SOSダイヤル※」では、時間を問わずいつでも電話相談が可能です。電話で直接話すのに抵抗がある人には、SNS相談窓口も用意されています。

そのほか、保護者が相談できる地域の相談窓口、休日に相談できる窓口など、それぞれの生活や事情に合わせた窓口の紹介もしてもらえるため、気軽に相談してみましょう。ほかにも、相談・支援できるNPO/NGOや民間企業も多くあるため、積極的に活用するのがおすすめです。

他校への転校

他校への転校を考えることも、ひとつの手段です。

もし、「学校の雰囲気や、勉強・授業の進め方が合わない」「人間関係がつらい」という理由で高校中退を考えているのであれば、転校をすることで環境を変えれば、学校生活が苦にならなくなる可能性があります。ひとつの選択肢として、子どもと話し合ってみましょう。

全日制ではなく、通信制高校や定時制高校に転入する方法もあります。「どうすればよいかわからず引きこもっている」という人にとっても、次の一歩を踏みだしやすいでしょう。

高校を中退してから、編入学までに時間ができてしまうと、そのブランクによって卒業時期が延びてしまう可能性があります。方法として、高校を中退する前に転入の手続きを進めて、他校に転校することで今の高校をやめることも可能です。

通信制高校ならルネサンス高校

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ルネサンス高校は、ネット学習に力を入れている通信制高校です。学習システムや担任のサポートが充実しているため、通信コースだけでもスムーズに高校卒業をめざせます。専門スクールと提携しているので、美容、芸能など興味のある分野を本格的に学ぶことも可能です。

在籍中の高校からの転入学、高校を中退した人も入学できます。経験豊富な先生が、子どもの学校生活を卒業まで丁寧にサポートするので安心です。子どもが高校中退を考えているのであれば、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

まとめ

高校を中退すると、その後の進路の選択肢が狭まり、さまざまな不利益が生じる恐れがあります。そのため、保護者はまず子どもとしっかり話し合い、コミュニケーションをとることが大切です。

たとえば、定時制高校や通信制高校への編入も選択肢になります。また、最適な進路を見つけるために、教育相談機関などの外部機関に相談してみるのもおすすめです。焦らず子どもに寄り添いながら、一緒に最善の進路を探してあげましょう。