定時制高校のメリットとは?デメリット、注意点を徹底解説
更新日:2025.01.30

定時制高校には、全日制と比べて1日の授業時間が短く自由な時間が多いことから、仕事をはじめとしたプライベートな時間と両立が図りやすい、多様な背景を持つ生徒が集まり交流が広がる等さまざまなメリットがあります。就職率が高いことも特徴の一つです。
この記事では、定時制高校のメリットを詳しく紹介します。あわせてデメリットや注意点も解説しますので、定時制高校を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも定時制高校とは?

定時制高校とは、日本の高校教育の課程の一つです。就業などさまざまな事情があり、全日制高校に通えない方のため1948年に発足されました。
定時制高校は、夜間や昼間(午前・午後)に1日4時間程度の授業を行うのが一般的で、修業年限は3年以上とされていますが、基本的に多くの定時制高校では卒業までに4年を要します。
制度化された当時、定時制高校では就業している方が多く学んでいましたが、社会状況の変化に伴い、不登校の方や中途退学をした方などにもニーズが生まれ、多様な学び方の一つとしての役割も担っています。
定時制高校のメリットとは?

定時制高校に通うメリットは、主に次の3つがあげられます。
- 自由度が高い
- さまざまな事情を持つ生徒が多い
- 就職のサポートが手厚い
学校で授業を受ける時間が全日制高校より短時間であること、学業以外のやりたいことを続けながら通えることなどがメリットであるといえるでしょう。
ここでは定時制高校の3つのメリットを詳しく解説します。
1.自由度が高い
定時制高校は全日制高校よりも授業時間が短く、目標に向けての活動や仕事などにかける時間を作りやすいというメリットがあります。
また、夜間だけでなく午前や午後にも授業を行っている定時制高校が増えています。自身のライフスタイルに合う時間帯に授業を行っている志望校を探すと良いでしょう。
2.さまざまな事情を持つ生徒が多い
定時制高校には、仕事を持つ以外にも不登校経験のある方や中途退学を経験した方など、さまざまな事情を持つ生徒が多く通学しています。
年齢層も背景も異なる生徒と送る学校生活は、気の合う仲間や新たな知識を得ることに役立つでしょう。また、自身が不登校や中途退学を経験しているなどの事情がある場合は、同じような経験を持つ生徒がいるだけでも、共感し安心感を持ちやすくなるでしょう。
3.就職のサポートが手厚い
文部科学省が公表している「令和5年度学校基本調査※」によると、全日制高校を卒業した生徒のうち14%が就職している一方で、定時制高校卒業者の就職率は36%です。
このように、定時制高校は全日制高校よりも就職率が高いことから、就職サポートが充実している学校が多く見られます。
就職ガイダンスや合同企業説明会などが開催される学校もあり、積極的に参加すれば複数の業界に関する知識を深められます。そして、得た知識をもとに就職活動を行えば、自身に適した就業先を選択できる可能性が高まるでしょう。
定時制高校はメリットだけじゃない?デメリットと注意点

定時制高校に通うデメリットや注意点は、次のとおりです。
- 中途退学率が高い
- 進学のサポートが少ない
学業と仕事、やりたいことを掛け持ちしている生徒も多くいるため、どちらかがうまくいかなくなり中途退学を選択する生徒が多いことも考えられます。また、就職に対するサポートが手厚い一方で、進学へのサポートが少ないといった傾向もあるようです。
1.中途退学率が高い
定時制高校は全日制高校や通信制高校と比較して、中途退学率が高いことがわかっています。
文部科学省「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について※」によると、定時制高校と全日制高校、通信制高校それぞれの中途退学率は、次のとおりです。
- 定時制高校:8.0%
- 全日制高校:1.1%
- 通信制高校:4.0%
定時制高校は、仕事をしながら通学できる、時間に融通が利きやすいといった点がメリットです。その一方で、体調や時間の管理が十分でないと休むことが多くなり、そのまま中途退学してしまう可能性も考えられます。
自由度が高いとはいえ、自身のペースで学習できるわけではないことは理解しておくべきでしょう。
2.進学のサポートが少ない
学校にもよりますが、定時制高校は全日制高校と比較すると進学に対するサポートが薄い傾向にあります。
文部科学省「令和5年度学校基本調査※」によると、定時制高校と全日制高校それぞれの卒業者に対する大学や短大、専門学校への進学者の割合は、次のとおりです。
- 定時制高校:36.8%
- 全日制高校:77.7%
定時制高校の進学率の低さは、進学を希望する生徒が少ないことも関係していますが、大学受験に対応できる範囲まで授業でカバーが難しいこともあげられるでしょう。
大学や専門学校への進学を希望している方は、サポート体制をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
進学目的や環境にあった進学先を選ぶ

目標とする進路にあっているか、学びやすい環境かどうかを見極めることが高校選びのポイントです。働きながらもしくは夢を追いかけながら勉強したい、という明確な目標がある場合は、全日制高校よりも定時制高校が適しているかもしれません。
しかし、「自由な時間を増やしたい」「全日制高校以外に進学し、大学受験したい」という希望がある場合、通信制高校への進学も選択肢の一つです。
通信制高校の多くがオンライン授業やネットでのレポート・課題提出を導入しており、スクーリング(登校)は必須であるものの登校日数は全日制・定時制と比較し少なく、自分のしたいことに時間を充てることができます。
自分のペースで学習できるオンライン授業のある通信制高校を選べば、多くの自由時間を確保できるでしょう。
また、文部科学省「令和5年度学校基本調査※」によると、通信制高校の大学・短大・専門学校への進学率は定時制高校よりも高い46.8%です。
自分にあった学び方ができるか、目的の進路をめざせるかどうかに着目して進学する高校を選びましょう。
通信制高校については、以下の記事を参考にしてください。
通信制高校ならルネサンス高校

2006年に開校したルネサンス高校は、多彩なスクーリングスタイルと楽しくわかりやすいネット学習が強みの通信制高校です。
担任による定期的な進路相談や進路指導の先生による推薦入試対策など、個々の夢や個性に寄り添いながら、希望の進路を実現できるようサポートします。
定時制高校とあわせて通信制高校への進学を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。
まとめ

定時制高校のメリットには、1日の授業時間が全日制高校よりも短く自由度が高く、多様な背景を持つ生徒が多く自身の事情も受け入れられやすいことなどがあります。
しかし、中途退学率が高いことや、進学希望者に対するサポートが十分ではない面もあることに注意が必要です。
全日制以外の高校に通いたいと考えている方は、通信制高校への進学も検討してみてください。
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