通信制高校に通う人も使える補助金とは?種類ごとに詳しく解説
更新日:2024.11.29
通信制高校を選ぶ際、学費がどの程度かかるのか気になる人は多いのではないでしょうか。全日制高校に比べると通信制高校のほうが学費は安い傾向にありますが、私立の通信制高校であれば、公立に比べて多少は費用がかかります。
学費に対して有効な手段となるのが、補助金です。
この記事では、通信制高校に通う人も使える補助金制度について解説します。条件や手続き方法などについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
通信制高校に通う人も使える補助金はある?
通信制高校に通っている人が利用可能な補助金制度は、大きく分けると次の3つとなります。
- 高等学校等就学支援金
- 高校生等奨学給付金
- 公的機関・民間による奨学金
高等学校等就学支援金は、高校に通う生徒を対象(国公立・私立などは不問)に国が学費を支給する制度を指します。
高校生等奨学給付金は、都道府県の給付金事業で、国が一部を補助する支援制度です。
その他、各都道府県、地方自治体や民間機関が行っている奨学金の貸与事業や給付事業などもあります。
高等学校等就学支援金
高等学校就学支援金とは、高等学校の授業料の一部を国が支援することで教育費用の負担軽減を目的とした制度で、通信制高校にも適用されます。
就学支援金の受給条件
就学支援金の利用には、自分で申請する必要があります。なお、誰しもが就学支援金を利用できるわけではなりません。就学支援金を利用できる条件は、次の4つです。
受給資格
- 日本国内に住所を有している
- 国公立または私立の高校に在籍している(2014年以降に入学した生徒が対象)
- 高校を卒業していない
- 高校の在学期間が36か月(通信制の場合は48か月)未満
以下の方は受給対象外となります。
受給対象外
- 世帯の年収(目安)が910万円以上
- 高校を過去に卒業した人
- 高校の在学期間が36か月(通信制の場合は48か月)を超えている
通信制高校の場合は、在籍年数が4年以内であることも受給条件に含まれるため、注意しましょう。さらに、制度が始まった2014年以前に高校に通っていて、すでに学校を卒業してしまっている人は対象外になります。
また、就学支援金は制度利用者の履修単位数を基にして、就学支援金が支給される仕組みになっており、支援金の対象となるのは、通信制高校の場合でも74単位の履修までです。
対象はあくまでも履修をした単位数であって、修得した単位数ではありません。
たとえば、74単位の履修ですべて単位を修得した場合と、卒業までに計80単位履修し最終的に74単位修得した場合(6単位落として再履修した場合)では、6単位分が就学支援金の対象外となり余計に学費がかかる計算になります。
【出典】
※ 文部科学省「高校生等への修学支援」
支給金額と収入との関係性
公立の通信制高校の場合、就学支援金は336円(1単位ごと)が支給されます。
私立通信制高校の場合は、支給金額が世帯の収入によって変化します。590万円~910万円未満の場合、4,812円 (1単位)が支給金額となり、590万円未満の世帯年収の場合、最大12,030円(1単位)が支給金額となります。
ただし、世帯年収は家庭環境によって異なります。親が離婚している場合は、主に生計を共にしている保護者の年収が対象です。さまざまなケースが考えられるため、気になる人は学校へ問い合わせましょう。
手続きの方法
都道府県によってはオンライン申請が利用できる場合があります。学校より配布されたIDやパスワードを使用し、オンラインシステム上で申請を進めます。
入学時に学校から案内があるため、申請方法・申請期限を確認して手続きを行ってください。
流れとしては、以下のとおりです。
- 学校からID・パスワードが配布される
- ID・パスワードを用いて申請ページに入る
- 必要事項(保護者の収入状況など)を入力して送信する
なかには、オンライン申請に対応していない地方自治体もあるため、その場合は申請書類を提出します。
高校生等奨学給付金
授業料は就学支援金で補助されますが、高校生活を送るうえでは、授業料以外にも教科書代や修学旅行費などの費用もかかります。そのような費用をサポートする補助金が、高校生等奨学給付金です。給付金のため、返還する必要はありません。
奨学給付金の受給条件
高校生等奨学給付金も、誰もが受給できるわけではありません。
高校生等奨学給付金を受け取るための条件は、次のとおりです。なお、すべての条件を満たす必要があります。
- 生活保護受給世帯、非課税世帯であること
- 保護者等(親権者)が給付金を支給する当該都道府県に住んでいること
- 対象となる高校生等が、対象となる高等学校等に在学していること
高校生等奨学給付金は都道府県(地方自治体)が運営しているため、受け取るための条件が都道府県によってさまざまです。そのため、手続きや給付額などの詳細については、事前に学校や各地方自治体に確認するようにしましょう。
高校生等奨学給付金は、次のような用途に利用可能です。
- 教科書費
- 各種教材費
- 通学用品
- 学用品
- 教科外活動費
- 修学旅行費
- 生徒会費
- PTA会費
- 通信費 など
申し込みは毎年7月頃に、学校または居住する都道府県へ行います。都道府県によっては、新入生にかぎり4~6月に一部早期支給の申請ができるケースもあります。
支給金額と収入との関係性
高校生等奨学給付金で支給される金額も、世帯収入によって異なります。令和6年度の給付額と世帯状況の一覧は、次の表(※)のとおりです。
世帯状況 | 給付額(年額) | |
---|---|---|
国公立 | 私立 | |
生活保護受給世帯【全日制など・通信制】 | 32,300円 | 52,600円 |
非課税世帯【全日制など】(第一子) | 122,100円 | 142,600円 |
非課税世帯【全日制など】(第二子以降) | 143,700円 | 152,000円 |
非課税世帯【通信制】 | 50,500円 | 52,100円 |
非課税世帯で通信制高校に通う場合は、公立であれば年額50,500円、私立であれば52,100円が支給されます。なお、さまざまな事情で家計が急変し、非課税世帯となった場合も対象となることは覚えておきましょう。
その他に使える補助金
その他にも、都道府県や公的機関、民間機関が行っているものなど、通信制高校に通う人が使える補助金制度があります。ここでは、4つの補助金について解説します。
公益財団法人 日本教育公務員弘済会
通信制高校に通う人が使える補助金制度として、公益財団法人 日本教育公務員弘済会による奨学金があります。
日本教育公務員弘済会とは、教育の振興に貢献し、教職員の福祉向上をめざす財団です。将来性豊かな人材の育成のため、大学等で学ぶ学生・生徒に対して、奨学金を給付しています。
応募条件は、高等学校等に在学していて、修学意欲がありながら学資金の支払いが特に困難である者、および高等学校等への入学手続きを終えたものの学資金の支払いが特に困難である者だけです。
奨学金の給付額は、奨学生募集人数や募集時期などは各支部によって異なるため、問い合わせて確認するようにしましょう。
【出典】
※ 公益財団法人 日本教育公務員弘済会「奨学事業」
交通遺児育英会
交通遺児育英会とは、自動車・バイク事故など道路上の交通事故で保護者を亡くしたり、重度の後遺障害になったりして、経済的に学ぶことが困難になった子どもたちに奨学金を無利子で貸与 (一部給付) して、進学の支援を行う団体です。
対象者は、次の項目に該当する人です。
- 保護者が道路における交通事故で死亡した家庭の生徒・学生
または、次のいずれか1つに該当する場合
- 保護者が道路における交通事故で重度の後遺障害者となった家庭の生徒・学生
- 身体障害者福祉法(身体障害者手帳)の第1級~第4級
- 自動車損害賠償保障法施行令別表第1および第2の第1級から第7級
- 精神保険および精神障害者福祉法(精神障害者手帳)の第1級から第3級
【出典】
※ 公益財団法人交通遺児育英会「奨学生募集のご案内」
私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金(都の制度)
私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金とは、東京都以外の自治体が認可している私立通信制高等学校の授業料の一部に対して都が助成する制度です。
対象者は、都内に在住(生徒・保護者共に)し、東京都以外の自治体が認可している私立通信制高等学校に籍を置く生徒の保護者になります。助成金の対象となるのは、卒業のために必要な単位を修得する際にかかる授業料です。
あしなが育英会
あしなが育英会による、高校奨学金もあります。あしなが育英会とは、病気や災害などによって親が亡くなった子どもたちや、障害が原因で親が働けない子どもたちを支援する民間非営利団体です。
奨学金の条件や対象者は、次のようになっています。
- 奨学金対象の条件:病気や災害・自死で親を亡くした、または親が1級から5級の障がい認定を受けている家庭の子ども
- 対象者:高等学校または高等専門学校に進学を希望している人(現在中学3年生)、または高等学校または高等専門学校に在学している人(現在高校生・高専在学生)
【出典】
※ あしなが育英会「奨学金を利用したい方へ」
通信制高校ならルネサンス高校
ルネサンス高校グループは「高等学校等就学支援金制度(国)」制度の対象校です。またルネサンス大阪高等学校は「私立高等学校等授業料支援補助金制度(大阪府)」の対象校でもあります。
補助金を活用できる通信制高校を検討されている場合は、ルネサンス高校へお問い合わせください。
まとめ
通信制高校に通う人も使える補助金としては、国や都道府県が運用する高等学校等就学支援金や高校生等奨学給付金などがあります。
ただし、どの制度も申請すれば誰でも利用できるわけではありません。まずは、制度を理解して自分が条件に該当するかを確認するようにしましょう。
補助金制度を利用して通信制高校への進学を検討しているのであれば、ルネサンス高校がおすすめです。
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