不登校の中学生におすすめのフリースクールとは?
更新日:2024.12.26

不登校の中学生に居場所や学習機会を提供する場として、フリースクールがあります。フリースクールにはさまざまな種類があり、スクールによって特徴が異なります。しかし、どのように選べばいいのか迷われる人もいるでしょう。
この記事では、中学生が通えるフリースクールの概要や種類、選び方のポイントについて解説します。お子さまの不登校に悩んでいる方や、適した学習環境を探している方は、ぜひ参考にしてください。
不登校の中学生が通える?フリースクールとは何?

フリースクールとは、民間団体が運営する教育機関です。さまざまな理由により学校に通えなくなった子どもに対し、教育の機会や居場所を提供しています。
文部科学省が2015年度に実施した調査によると、小中学生向けのフリースクールは全国に474校存在しており、約2,400人もの中学生が利用しています。
費用目安
フリースクールの利用にかかる費用は、スクールによって差があります。文部科学省が2015年度に実施した調査(※)によると、フリースクールの利用にかかる費用の傾向は以下のとおりでした。
費用 | 教育機関数 | 教育機関の割合 |
---|---|---|
5,000円以下 | 25 | 9.5% |
5,001円~10,000円 | 15 | 5.7% |
10,001円~30,000円 | 100 | 38.2% |
30,001円~50,000円 | 95 | 36.3% |
50,001円以上 | 27 | 10.3% |
合計 | 262 | 100% |
50,000円以上のフリースクールは10.3%と、多くのスクールが50,000円以下に収まることがわかります。10,001円~50,000のが74.5%を占めており、10,001円~5,000円の振れ幅で考えておけばいいでしょう。
また、体験期間を無料に設定していたり、都度払いの料金体系を設けていたりするスクールも存在します。入学金がかかる場合もあり、利用頻度や利用したいサービスに適した費用か等を検討したうえで、適したフリースクールを選ぶことが大切です。
授業内容
フリースクールのカリキュラムは法律で定められていないため、スクールによって授業内容が異なります。バリエーションも多く、体験学習を実施したり読書の時間を設けたりしている施設も存在します。
文部科学省による民間の教育機関に対する調査によると、学習カリキュラムを定めている教育機関は44%でした。
一方、学習教材に教科書や市販の教材を利用しているスクールが74%と、たとえカリキュラムがなくても、一般の学習教材を利用している教育期間が多いことがわかります。
入学条件と開所日数
多くのフリースクールは、以下の条件を設けています。
- 自宅から通学可能か
- 自宅にオンライン授業を受けられる環境があるか
開所日数はスクールによって異なるものの、文部科学省が2017年に実施した調査(※)によると、週当たりの開所日数割合は以下のとおりでした。
開所日数 | 割合 |
---|---|
1日 |
3% |
2日 |
6% |
3日 |
3% |
4日 |
10% |
5日 |
54% |
6日 |
5% |
7日 |
7% |
無回答 |
12% |
5日以上開所しているフリースクールが66%と、2/3のスクールが平日5日間に利用できることがわかります。ただし、すべての開所日に利用が求められるわけではありません。多くのフリースクールが、選ぶコースやお子さまの様子に合わせて利用日数を調整できます。
フリースクールの種類

フリースクールにはさまざまな種類が存在しており、同じ種類のフリースクールでも方針や授業内容は異なります。ここでは、種類ごとの特徴やメリットについて解説します。
1.通学型
通学型は、中学校のように通学して授業を受けるタイプのフリースクールです。通学頻度や授業内容はによって異なり、たとえば以下のようなケースがあります。
- 週5日登校し、中学校と同様の教育を受ける
- 決まった登校日を設けていない
- プログラミングやゲームなどの特殊な授業を受ける
自宅から出られるものの、中学校への登校が困難なお子さまに適しています。ただし、学習重視や交流重視など、スクールによって方針が異なるため、目的に適した方針のを選ぶことが大切です。
2.自宅訪問型
自宅訪問型は、先生が自宅に訪問して授業を受けるタイプのフリースクールです。対面形式でお子さまの状況に合わせた対応をしてもらえます。学習だけでなくカウンセリングをしてもらえるスクールもあり、子ども一人ひとりに寄り添った対応をしてもらえることが特徴です。
自宅から出られないお子さまに対し、対面で家族以外の人と交流する機会を持ってもらいたい場合や、メンタル面でのケアをしてもらいたい場合に有効なタイプです。
3.オンライン型
オンライン型は、自宅のパソコン等を通して授業やサポートを受けるタイプのフリースクールです。Web会議ツールを使って授業を実施するのが一般的で、授業形式は講師と1対1形式や講義形式などがあります。
学習よりも交流を目的としたスクールが多い傾向にあり、授業も毎日ではなく週に数回や1日数時間と頻度が少ないことが特徴です。
自宅から出られないお子さまに対し、規則正しい生活習慣を身につけたり、家族以外の人と交流したりする場として活用できます。
4.全寮制型
全寮制型は、同じ境遇の子どもたちと共同生活を送りながら学習するタイプのフリースクールです。以下の状況の子どもに対して、利用するケースが多く見られます。
- 自室から出てこられず、家族との会話も困難
- 規則正しい生活が送れていない
規則正しい生活を送ったり、同じような境遇の子どもたちと交流を図れたりすることがメリットです。ただし、本人の理解を得ない状態で利用した場合、反発心が大きくなり、親子関係が悪化してしまう恐れがあるため、注意が必要です。
不登校の中学生におすすめなフリースクールの選び方

フリースクールを選ぶ際は、環境や運営母体の信頼性など、いくつかのポイントをしっかり押さえることが大切です。
1.お子さまの気持ちに寄り添っているか
フリースクールを利用する前に、お子さまの気持ちに寄り添っているかを確認しましょう。不登校のお子さまの中には、外出や他人との交流を望んでいない場合があり、その状態で利用しても状況が悪化する可能性があります。
まずはお子さまに、「他人と交流する意思」「学習する意思」を確認し、本人が利用する意思を示したうえで、フリースクールを選び始めましょう。
無料体験や見学で1度雰囲気を体験してもらうのも、意思を確認する方法のひとつです。
2.お子さまに合った教育方針・カリキュラムか
フリースクールを選ぶ際は、教育方針やカリキュラムの確認も重要です。教育方針やカリキュラムは、学習重視や体験重視、メンタル面重視などスクールによって異なります。
お子さまが不登校になり、学習面での遅れを気にする人もいるでしょう。しかし、お子さまの状況によっては、メンタル面のケアにより学習意欲が湧いてくるケースもあります。
フリースクールを利用するのはお子さまであり、お子さまが納得しなければ良い効果は得られません。そのため、まずは複数のフリースクールの教育方針や活動内容を確認し、お子さまが興味を示すかどうかを確認しましょう。
3.信頼できる運営母体か
信頼できる運営会社かどうかも、大きなポイントです。フリースクールの運営方法は、NPO法人や企業などさまざまです。教員経験がある職員や心理士等、子どもに必要なサポートに対して、専門的な知識を持っているスタッフが在籍しているか確認すると良いでしょう。
ただし、フリースクールは資格や審査も必要とせずに開業できるため、運営が安定していないスクールも存在します。そのため、気になるフリースクールがあったとしても、Webサイトやクチコミで実績や運営元を調査し、信頼できる企業なのかを確認することが大切です。
また、お子さまとスタッフとの相性も確認しておきたいポイントです。見学や体験などで実際にスタッフと交流し、お子さまとの相性を確かめたうえで入学を決めましょう。
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ルネサンス高校は、国に認められた広域通信制の高校です。ICT教育により、毎日学校に通わず、自分のペースで卒業をめざせます。
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ルネサンス高校では、説明会や個別相談会を随時開催しています。不登校のお子さまについて悩んでいる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ

フリースクールは、学校に通えなくなった子どもに対し、教育の機会や居場所を提供している教育機関です。フリースクールにはさまざまな種類があり、それぞれで特徴が異なります。
子どもの将来に、不安を抱くこともあるでしょう。しかし、保護者に必要なことは、お子さまの気持ちに寄り添うことです。
自分たちだけで解決しようとせず、専門家の力を借りることも大切です。お子さまに適した解決策を見つけ、より良い道を選びましょう。
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