通信制高校の面接対策を徹底解説!よく聞かれる質問や受け答えのポイントを紹介
更新日:2024.10.31
通信制高校の入試では、多くのケースで面接が実施されます。面接経験が少ない場合は特に、準備をしないままのぞんでしまうと、うまく対応できない可能性があります。
質問に対してスムーズかつ的確に答えるためには、面接官の質問意図を理解し、回答のポイントを知っておくことが大切です。
この記事では、通信制高校の面接でよく聞かれる質問事項や受け答えのポイント、面接時の注意点などを解説します。
通信制高校の入試では面接が重視される
通信制高校の入試は、面接に重点をおく傾向にあります。
全日制高校の入試では、学力試験の結果が合否に大きな影響を与えるケースが少なくありません。一方、通信制高校の場合、学力試験が課されるケースは少なく、面接や作文をメインとした入試が一般的です。
通信制高校は受験生の入学後を見越して、「学力では測れない、受験生の人柄を含めた情報を確認したい」と考えているためです。さまざまな事情を抱えた生徒にも門戸を開いている通信制高校の入試は、試験の目的が「人数の絞り込み」ではなく、「受験者を迎え入れること」にあるといわれています。
そのため、入試の面接を通じて、学校側は次のようなポイントをチェックします。
- 学校の特徴と受験生との相性はどうか
- 入学の意思はどの程度あるか
- 入学後、どのようなサポートが必要になりそうか
- 卒業に向けて学習を継続できそうか
通信制高校のスタッフと受験生(場合によってはご家族)による対面での会話を通じて、お互いを理解し合うことも面接の大事な側面といえるでしょう。
通信制高校の面接でよくある8つの質問
通信制高校入試の面接で特に質問されやすい項目は、次の8つです。
- 志望動機
- 自己PR
- 趣味
- 休日の過ごし方
- 卒業後の進路
- 将来の夢
- 中学生活について
- 高校生活について
ここでは、各質問を通じてチェックされているポイントや、答え方のポイントを解説します。質問にきちんと返答できるか不安な方は、よくある質問に対する自分なりの答えを用意しておくとよいでしょう。
志望動機
志望動機は面接で非常に問われやすいので、事前に回答を考えておきましょう。「この学校を志望した理由は何ですか?」というシンプルな質問のほか、以下のような形で志望動機を問われるケースもあります。
- ほかの通信制高校ではなく、この学校に入学したい理由を教えてください。
- なぜ全日制高校ではなく、通信制高校を志望したのですか?
学校側は志望動機の質問を通じて、受験生の意欲や意思をチェックします。受験生自身のやる気がなければ、入学後に有意義な学校生活を継続し、スムーズに卒業することは難しいためです。
「保護者からすすめられたことがきっかけで志望した」というケースもあるかもしれません。その場合でも、最終的に受験を決めた生徒自身の理由はあることでしょう。「親に説得されたから」といった受け身の姿勢は避け、「この学校でなければならない理由」を伝えることがポイントです。
自己PR
「自分がいかに志望校に適している人物であるか」を学校に伝える自己PRを求められることもあります。
学校側は受験生の自己PRを通じて、次のポイントを知りたいと考えています。
- 受験生が自分の長所や短所を客観的にとらえて自分を理解できているか
- 学校の特徴と受験生の人柄がマッチしているか
- 入学に対する熱意を感じられるか
- 面接のために事前準備を行っているか
まずは志望先の通信制高校の公式サイトや学校案内パンフレットなどから、どのようなことを大切にしている学校で、どのような校風なのかを確認してみましょう。志望校が求める人物像を考えて、自分の経験や今後の目標と結びつけてアピールすることがポイントです。
具体的なエピソードを取り入れることで、より説得力のある自己PRに仕上がります。
趣味
趣味も、よくある質問の1つです。
趣味の質問を通して、学校側は次のようなポイントをチェックします。
- 勉強以外のことでも、自ら進んで取り組んでいることを知りたい
- 自分が興味を持っていることを、相手に説明する能力を把握したい
- 趣味を通して、どのようなことを学んだり身につけたりしたかを知りたい
趣味の内容について良い・悪いの判断がされるわけではないので、正直な回答で問題ありません。相手にわかりやすく伝えることを意識してみてください。趣味から得たことがあれば、ぜひあわせてアピールしましょう。
面接で話せる趣味がどうしても見つからない場合は、「高校生活でさまざまな経験をして、打ち込める趣味を見つけたい」といったポジティブな回答がおすすめです。
休日の過ごし方
休日の過ごし方を問われることもあります。趣味の質問と同じく、休日の過ごし方そのものについて良い・悪いの判断がされるわけではありません。次のようなポイントをチェックされることが一般的です。
- 休日に息抜きや気分転換はできているか
- 学校生活とプライベートで切り分けができているか
受験生のリラックス方法・状況を知ることは、入学した際にどのように援助するかを考える参考の一つになります。
通信制高校の学習方法は、自学自習が基本です。自分で時間を区切り、気持ちの切り替えができるかが、大切な部分になってきます。
卒業後の進路
次のポイントを確認するために、卒業後の進路について質問されることもあります。
- この先めざしたい目標を持っているかどうか
- 目標に向かって、自ら進んで計画を立てて動けるか
- 目標を実現するために、意欲的な学生生活を過ごせそうか
たとえば、「絵を描くことが好きなので、卒業後は専門学校でデザインを学びたい」という目標があるとします。その場合、目標達成に向けて「高校では専門学校の受験に必要な学力を身につけたい」「通信制高校で勉強とプライベートを両立させ、絵のスキルを上げたい」といった意識を持つことで、意欲的な高校生活をめざしやすくなるでしょう。
とはいえ、受験時点で卒業後の進路が定まっていなくても問題ありません。学校側は、「生徒と一緒に将来を考えてサポートしていきたい」と考えているためです。「高校で学びを深めるほか、さまざまな経験をして卒業後の進路を考えていきたい」など、前向きに答えるとよいでしょう。
将来の夢
将来の夢に関する質問でも、卒業後の進路と同様、次のようなポイントをチェックされます。
- この先めざしたい夢を持っているかどうか
- 夢に向かって、自ら進んで計画を立てて動けるか
- 夢を実現するために、意欲的な学生生活を過ごせそうか
将来の夢が決まっていなくても構いません。「高校で学びを深めるほか、さまざまな経験をして将来の夢を探したい」など、ポジティブに回答しましょう。
中学生活について
受験生の背景や人柄を知る目的で、中学生活に関する次のような質問をされることがあります。
- 中学校時代で印象に残ったことを教えてください
- 中学校時代に努力した経験はありますか?
- 中学校時代は部活に取り組んでいましたか?
「中学校にはあまり通えなかったので、話せるエピソードがない」というときは、中学校の外での取り組みに関する内容で問題ありません。
努力をしたことや、長く続けてられていること、自ら学んで習得したことや苦労して困難を乗り越えたエピソードなどを話すとよいでしょう。
高校生活について
次のようなポイントを確認するために、高校生活の抱負について質問されることもあります。
- 入学や卒業の意思があるかどうか
- 入学後は意欲的な学生生活を過ごせそうか
「高校では課外活動やアルバイトに挑戦してみたい」など、入学後に取り組みたいことや、興味のあること、学びたいことなどについて話しましょう。高校生活に対して前向きな気持ちでいる姿勢をアピールすることがポイントです。
高校を中退し、編入学を考えている方は、その理由を深掘りされるかもしれません。中退理由を述べるだけではネガティブな印象になってしまうときは、「その経験を活かし、こちらの通信制高校ではこのように行動したい」など、ポジティブな表現につながる回答を準備しておくとよいでしょう。
通信制高校の入試で不合格になるケース
前述のとおり、通信制高校の入試は「迎え入れるための試験」といわれています。とはいえ、受験生が100%合格できるかといえば、残念ながらそうではありません。場合によっては不合格になってしまうこともあります。
ここでは、通信制高校の入試で不合格になるケースについて解説します。
合格基準
通信制高校の入試で不合格になる1つめのケースは、合格基準を満たせない場合です。
学校によって実施項目は異なるものの、通信制高校の入試では次のような選考・試験が行われることが一般的です。
- 書類選考
- 面接試験
- 作文試験
- 学力試験
選考・試験の結果が各学校が定める合格基準に満たなければ、不合格となります。
面接・作文から感じられる、高校生活への前向きさや中学校の出席日数など、複数の視点から合否を判断するケースもあります。不合格になるケースとしては、スクーリングへ参加することが単位修得要件に含まれている通信制高校において、参加がかなり厳しいと判断された場合などがあります。
定員
通信制高校にも、全日制高校を含めたさまざまな高校と同じく、定員が存在するため定員オーバーによって不合格者が生じるケースがあります。
志望者が多い通信制高校であれば、募集が始まってすぐに定員に到達してしまうケースもあります。志望する通信制高校には、早い段階で願書の提出など、動くように心がけましょう。
また、新入学や転入学(転校)を問わず、募集時期や定員は各学校で異なります。資料請求や学校説明会、個別相談などで、自ら最新の情報を集める姿勢が大切です。
素行など
「中学時代に法律違反の行動をとっていた」「いじめの加害者である」「暴力行為に抵抗がない」といった、素行不良が不合格につながるケースもあります。
素行不良のイメージにつながるようなエピソードを面接で話した場合も、不合格になる可能性が高まるでしょう。
通信制高校の入試での面接のポイント
面接の場では、受験生の正直な考えや経験を伝えることが大切です。しかし、「すべてありのままでOK」というわけではなく、いくつかのポイントは意識しておく必要があります。
ここでは、通信制高校入試における面接のポイントを紹介します。
服装
通信制高校入試の面接における服装は、特に指定がないことが一般的です。ただし、面接の場にふさわしくない服装をしていると、「マナーが守れない人物」といったマイナスの印象を与えてしまうため注意が必要です。
具体的には、次のような服装は控えるべきといえます。
- 露出が多い服装
- シワや汚れの目立つ服装
- Tシャツ・ジーンズ・サンダル・スウェットなどカジュアル過ぎる服装
- 派手な色合いの服装
- 華美な装飾やダメージ加工などが施された服装
ブラウスにスカートや、襟のあるシャツにジャケットを合わせるなど、清潔感のあるフォーマルな服装を心がけましょう。白・黒・紺・ベージュ・グレーといった、シックな色味のアイテムを選ぶこともポイントです。
以前通っていた中学校などの制服がある場合は、制服を着用することをおすすめします。制服を着る際は、シャツのボタンや裾、スカート丈など、着崩しのないよう注意しましょう。
受け答え
「一人ひとりにあった援助の方法を考えること」を重視する通信制高校入試の面接では、見栄を張った回答を無理にする必要はありません。リラックスして、嘘をつかずに、本当の自分の考えを言うことが重要です。
しかし、後ろ向きな回答では、面接官からの評価が下がってしまうことがあります。
たとえば「本当は気乗りがしなかったけれど、家族に説得されて受験を決めた」という志望動機では、受け身で主体性が感じられない人物、と判断されてしまう恐れがあります。
「高校への進学はあきらめていたけれど、家族から通信制高校をすすめられて意識が変わった。学習サポートが充実しているこちらの高校であれば、苦手な勉強も頑張れると思った」など、ポジティブな印象を与える回答の仕方を工夫してみましょう。
また、過去に不登校や退学などの経験がある場合、面接で答えにくい質問をされることもあるかもしれません。
「先生や友人に問題があって不登校になってしまった」という答え方よりも、「先生や友人との折り合いが悪く保健室登校をしていたが、体調不良で登校できなくなってしまった。学習の遅れを取り戻すため、動画を見て勉強している」など、状況の改善に向けて努力している点や目標などもあわせて伝えたほうが、面接官からの印象は良くなるでしょう。
態度・言葉遣い
面接中の態度や言葉遣いにも注意しましょう。基本的な礼儀やマナーが守れていない場合、面接官から「本当に入学したいと思っているのだろうか?」と疑われる原因になるためです。
具体的には、次のような態度・言葉遣いは控えましょう。
- タメ口で話す
- 「失礼いたします」「ありがとうございました」といった挨拶をしない
- 返事をしない
- 面接中にスマートフォンを触る
- 足を組んだり、もたれかかったりして椅子に座る
- そっぽを向く
- ポケットに手を入れたまま話す
不自然なほど厳格な態度でいる必要性はありませんが、適度なプレッシャーを感じながら、面接にのぞむことは大切です。
緊張して思うように話せなかったり、面接官の目を見て話すことが難しかったりする場合でも、相手に自分の考えを伝えようとする真摯な姿勢が伝われば問題ありません。できる限りリラックスしてのぞみましょう。
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まとめ
通信制高校の入試では、学力試験よりも面接が重視される傾向にあります。
面接官は受験生への質問を通じて、入学後のサポート方針や入学に対する意思、学校との相性などを見極め、入学後に前向きな学校生活を送れそうかどうかを判断したいと考えています。
基本的なマナーや礼儀に反する行動や発言は控えるべきですが、自分の前向きな思いを正直に伝えることが大切です。面接官と誠実に向き合えば、受験生の話にしっかり耳を傾けてくれるでしょう。
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