フリースクールのデメリットとは?不登校の子どもが後悔しないための注意点を解説!
更新日:2024.11.29
フリースクールは、不登校などさまざまな事情を抱える子どもが自由に過ごしやすい場所です。
一方、自由度の高いフリースクールならではの、懸念や問題点も存在します。フリースクールを検討している場合、デメリットについてもしっかり把握しておきましょう。
この記事では、フリースクールの基本情報をはじめ、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
フリースクールの基本情報
フリースクールとは、小学校・中学校・高校の代わりとなり、学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている民間施設です。(※)
以下をはじめとするさまざまな事情により、学校に通うことが難しい子どもたちを受け入れています。
- 通っている学校やクラスに馴染めない
- 引きこもり
- 不登校
- 発達障がいなど
子どもたちはフリースクールで学習やカウンセリング、スポーツ、友人とのコミュニケーションを楽しみながら過ごします。
フリースクールはNPO法人やボランティア団体、企業や個人などによって設立された民間運営の施設であり、公的な教育機関ではありません。そのため、原則として入学するための「条件」が提示されることはなく、公的な教育機関である学校で用いられるような特定のカリキュラムも存在しません。規模や活動内容、教育方針などは、フリースクールごとに異なります。
フリースクールのデメリット
フリースクールは子どもたちの大切な居場所となり得る一方、いくつかのデメリットがあることも把握しておくべきでしょう。主なデメリットは、次のとおりです。
- 学習の質に対する懸念
- フリースクールの学費
- 社会性を育む機会の不足
それぞれ見ていきましょう。
学習の質に対する懸念
1つめのデメリットとして、教育や学習の質に対する懸念があげられます。
公的な教育機関である学校の場合、国立・公立・私立に関係なく、国が定めた学習指導要領に沿った授業が行われます。そのため、生徒は学年に応じた学力を備えることが可能です。
一方、民間運営で学習指導要領が存在しないフリースクールでは、学習への取り組みは施設によってさまざまです。
基本的には学力向上を目的とした施設ではないため、公的な教育機関であれば習得可能だった知識を得られない可能性があります。
「進学をめざしたい」「学力を向上したい」と考えても、希望に沿った教育を受けられない可能性がある点は、フリースクールのデメリットにあげられるでしょう。
フリースクールの学費
2つめのデメリットは、費用面に関する課題です。
フリースクールに通うためには、月額費用を支払う必要があります。費用設定はフリースクールによって大きく異なるものの、月3~5万円程度(※)が相場です。月額費用のほかに、入会金などの諸費用がかかるケースもあります。
高等学校であれば就学支援金制度による授業料の補助を受けられますが、フリースクールには同制度が適用されません。フリースクールに通うための費用が全額自己負担となるため、家計への負担が大きくなりやすいでしょう。
社会性を育む機会の不足
フリースクールでは、子ども自身の自主性を重視しています。安心して過ごせる場所を提供することは、子どもたちにとって非常に貴重な経験となります。しかし、全てが思い通りになる環境だけでは、社会性を育む機会が不足する可能性があります。
安心できる居場所で気兼ねなくのびのびと過ごす経験は、子どもにとって大切といえます。一方、さまざまなことが自分の思い通りに進むばかりでは、社会性を育む機会が不足してしまう可能性もあります。
もし、「少しも我慢する必要はない」という状況が当たり前になってしまえば、将来社会に出たときに壁にぶつかりつまずいてしまう恐れもあるため、そういったことに陥らないようフォローが必要です。
フリースクールのメリット
フリースクールには、主に次のようなメリットもあります。
- 教育の自由度
- 一人ひとりに合わせた過ごし方ができる
- 多様な学びのスタイルの特性
それぞれ詳しく見ていきましょう。
教育の自由度
施設によって異なるものの、フリースクールでは学習サポート以外にもさまざまな活動が実施されています。
文部科学省による調査によると、フリースクールで行われている活動内容は次のとおりです。
学習内容 | 団体・施設数(全351箇所) | 実施率(左記に占める割合) |
---|---|---|
個別の学習支援 |
299 |
85.2% |
相談・カウンセリング |
289 |
82.3% |
スポーツ |
232 |
66.1% |
調理体験(昼食づくりなど) |
226 |
64.4% |
自然体験(自然観察、農業体験など) |
223 |
63.5% |
社会体験(見学、職場体験など) |
212 |
60.4% |
芸術活動(音楽、美術、工芸など) |
208 |
59.3% |
子どもたちによるミーティング |
144 |
41.0% |
家庭への訪問 |
143 |
40.7% |
宿泊体験 |
122 |
34.8% |
授業形式(講義形式)による学習支援 |
115 |
32.8% |
学習成果、演奏や作品などの発表会 |
102 |
29.1% |
その他特色ある活動 |
94 |
26.8% |
一人ひとりに合わせた過ごし方ができる
さまざまな年齢や学習進度の子どもが集まるフリースクールでは、個別の学習サポートや少人数による授業が行われることが一般的です。
思うように学校に通えていなかった子どもや障がいのある子どもは、学習の遅れに不安を感じていたり、学校の授業についていくことが難しかったりするケースがあります。
一人ひとりの状況に応じた指導のもと、無理なく学習の理解を深められる点は、フリースクールのメリットにあげられます。
多様な学びのスタイルの特性
公的な教育機関とは異なり、自由にカリキュラムや授業を設定できるフリースクールでは、学習への取り組み方は自由です。毎日の登校を、強いられることもないでしょう。
たとえば、不登校の子どもの場合、決められた日時に毎日登校することをプレッシャーに感じたり、決められた方法で授業を受けるスタイルがあわないと感じたりするケースも多く見られます。
多様な学びのスタイルから自分にあうものを選択して学習に専念しやすい点は、フリースクールの魅力といえるでしょう。
通信制高校ならルネサンス高校
ルネサンス高校は、多様な学びを提供する通信制高校です。
工夫を凝らしたネット学習をベースに、多彩なスタイルのスクーリングに参加しながら、自分らしい過ごし方で卒業をめざせる学校です。
また、一人ひとりに担任がつくので普段の学習でわからないことや、進路に関する相談、卒業するためのサポートもあり安心して学校生活を過ごせます。スクールカウンセラーなどの専門家によるサポート体制も整えています。
「自由な環境で学びつつ、高校卒業資格も取得したい」「興味のある分野の学びを深めたい」という方は、ぜひご検討ください。
まとめ
フリースクールは、不登校をはじめとするさまざまな事情により、学校に通うことが難しい子どもたちの学びの場となっています。
教育の自由度が高く、自分のペースで無理なく学びやすい一方、学習の質や費用面、出席の扱いなどに関する課題も見受けられます。施設ごとの差が大きいことも、特徴のひとつです。
後悔することのないよう、メリットだけでなくデメリットもしっかり検討してから、自分にあうフリースクールを選ぶようにしましょう。
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