通信制高校のスクーリングとは?実際の内容を紹介
更新日:2024.10.31
通信制高校のスクーリングは卒業要件に含まれており参加が不可欠です。学校によって内容や形式が異なるため、通信制高校への入学を検討している方は、スクーリングについて理解を深めておくことは大切です。
この記事では、通信制高校のスクーリングとはどのようなものか、実施内容や必要性、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。
スクーリングとは
通信制高校におけるスクーリングとは、自宅学習を基本とする通信教育を受講している生徒が登校し、先生から対面指導を受けることです。正式名称は、「面接指導」です。
スクーリングを受ける際は、指定場所に登校する必要がありますが、実施形式や登校日数は学校によって異なります。
ここでは、スクーリングの内容や必要性、実施場所(会場)や頻度の目安を解説します。
スクーリングでは何をする?
スクーリングの実施内容は科目や学校、コースなどによって異なるものの、次のような実施内容が一般的です。
- 先生の授業に出席する
- 先生にレポートの指導をしてもらう
- 先生に個別の相談にのってもらう
通信制高校では、オンラインシステムなどを活用した自宅学習がメインです。学習のつまずきや進路に関する不安が生じても、スムーズに解消できないこともあるでしょう。
スクーリングでは、わからないことや悩みを先生に直接相談し、アドバイスをもらうことが可能です。
ほかにも、スクーリングでは以下のような形式の授業やイベントが開催される場合もあります。
- 部活動
- 行事
- 映像授業
- 体験授業
- 社会見学
いずれも、「先生から直接指導を受ける」ことがスクーリングの特徴です。
スクーリングに行く必要はある?
スクーリングはすべての通信制高校で実施されており、必ず参加しなければなりません。
通信制高校を卒業するためには、学習指導要領で定められた「3年間で74単位以上」を修得する必要があります。スクーリングは、レポート学習やテストとともに単位の修得要件となっているため、参加せずに卒業はできません。
また、スクーリングには学習の質を保つ、先生が生徒の様子を直接確認して指導する、といった目的もあります。学校が指定する科目・回数のスクーリングに参加しましょう。
さまざまな事情から、「できる限り登校は控えたい」と考える人もいるかもしれません。スクーリングの参加は必須ではある一方、実施形態は学校によってさまざまです。
以下のような特別な形式で実施している学校もあるため、自分にあった通信制高校を探してみるとよいでしょう。
- 少人数型
- 男女別型
- 親子参加型
- 宿泊型
スクーリングの実施場所(会場)は?
スクーリングの実施場所(会場)は、学校によって異なります。スクーリングの実施日に、場所を間違えないように、事前に確認しましょう。
学校によっては、以下のような協力施設がスクーリングの会場として指定されているケースもあります。
- 大学
- 専門学校
- 予備校
数日間の合宿形式による宿泊タイプなどのスクーリングを選べる学校もあります。
ある程度都会で集中スクーリングを実施する学校もあれば、地方の自然が豊かな環境でスクーリングを実施する学校もあります。
スクーリングの頻度は?目安をご紹介
スクーリングの単位時間は、学習指導要領によって教科や科目ごとに決まっています(※)。
各教科・科目 | 面接指導(単位時間) |
---|---|
国語、地理歴史、公民及び数学に属する科目 |
1 |
理科に属する科目 |
4 |
保健体育に属する科目のうち「体育」 |
5 |
保健体育に属する科目のうち「保健」 |
1 |
芸術及び外国語に属する科目 |
4 |
家庭及び情報に属する科目並びに専門教科・科目 |
各教科・科目の必要に応じて2〜8 |
公立の通信制高校のスクーリングの日数は、「年に20日程度」が目安となるでしょう。
私立の通信制高校の場合、開催内容を調整することで、公立に比べて短い日数のスクーリングで済むように工夫しています。学校ごとに特徴が異なるため、希望に合わせて選ぶとよいでしょう。
たとえば、夏休み・冬休み・ゴールデンウィークなどの長期休暇を活用して集中的にスクーリングを実施する学校や、全日制の高校のように、"ほとんど毎日の登校"という形式でスクーリングを行っている学校もあります。
スクーリングのメリット
スクーリングには、次のようにさまざまなメリットがあります。
- 学習の理解が深まる
- 学習のモチベーション向上につながる
- 疑問や不安を直接相談できる
- 友人を増やしやすい
- 学校によっては課外活動などに参加できる
まずは、学習面のメリットがあげられます。苦手分野があっても直接質問できるため、テストや受験対策にもつながるでしょう。ほかの生徒の姿を目にしたり、先生と対面で会話をすることで、交流を深め、勉強のやる気を上げる効果も期待できます。
このように、登校頻度が少なめの通信制高校における学校生活のなかで、ほかの生徒や先生と対面でコミュニケーションをとれる貴重な機会でもある点も、スクーリングの大きなメリットです。
通信制高校には、さまざまな背景をもつ幅広い年代の生徒が通っています。異なる考え方に触れることはよい刺激となり、社会性の向上にもつながります。直接顔を合わせるため、友人を増やしやすいこともメリットです。
授業やイベントへの参加を通して、ほかの生徒と自然に仲良くなりやすいでしょう。
スクーリングのデメリット
スクーリングには、次のようにいくつかのデメリットもあります。
- 時間に縛られてしまう
- 金銭面での負担が増えることがある
- 他者とのコミュニケーションが苦手な人には負担になりやすい
人によっては仕事があることで、週や月に数回のスクーリングが難しい場合もあるでしょう。定期的なスケジュール調整が難しい人は、短期間でまとめてスクーリングを実施する合宿形式などの短期集中型を検討するとよいでしょう。
スクーリングは対面で行う必要があるため、交通費が必要です。自宅から遠い人は、交通費が高額になってしまうことも考えられるでしょう。遠方への合宿などのスクーリングに参加する場合、ある程度まとまった金額が必要になるケースもあります。
また、「人とのコミュニケーションが苦手」という人は、スクーリングを負担に感じてしまうこともあります。その場合、無理をせずスクーリングの回数が少なめの学校も選択肢に入れ、学校側に相談することも1つの手段です。
通信制高校ならルネサンス高校
ルネサンス高校は幅広いご要望にお応えし、以下のようにさまざまなタイプのスクーリングをご用意しています。
- 保護者の方と参加できる親子スクーリング
- 成人の方のみを対象とした成人スクーリング
- 宿泊集中タイプのスクーリング
- 日帰りタイプのスクーリング
- 分割タイプのスクーリング
自分に合った参加スタイルで、充実した高校生活をお過ごしください。
まとめ
通信制高校におけるスクーリング(面接指導)とは、生徒が登校して対面授業などを受けることを指します。通信制高校を卒業するためには、スクーリングへの参加が必要です。
先生に直接質問できるため学習理解に役立つほか、友人を作りやすいといったメリットもあります。
スクーリングの内容や場所、必要回数などは教科・科目、学校によって異なります。さまざまなタイプのスクーリングがあるため、自分に合った方法で参加しましょう。
- 通信制高校コラム
- 通信制高校とは
- 通信制高校を考え始めた方へ
- 通信制高校のメリット・デメリット
- 通信制高校のスクーリングとは?実際の内容を紹介
- 単位制高校と学年制高校の違いは?単位修得の仕組みも解説
- 通信制高校の公立と私立の違いとは?
- 通信制高校の高卒資格と高卒認定の違いは?
- 通信制高校の探し方は?入学後に後悔しない自分にあった高校選びのポイントを紹介
- 通信制高校の入学試験とは?受験資格、難易度や面接・作文対策を解説
- 通信制高校の面接対策を徹底解説!よく聞かれる質問や受け答えのポイントを紹介
- 通信制高校の併願はできる?注意事項や準備についても解説
- 通信制高校の学費の相場は?負担軽減・無償化など解説
- 通信制高校に通う人も使える補助金とは?種類ごとに詳しく解説
- 通信制高校に通う生徒数はどのくらい?増加傾向にある理由も紹介
- 通信制高校でも部活動はできる?メリットや実例を紹介
- 通信制高校の体育祭・修学旅行などのイベントはある?参加が必須かも含めて紹介
- 通信制高校から大学進学は難しい?進学率・メリット・注意点などを解説
- 通信制高校は就職に不利?面接の対策や卒業後の進路を紹介
- 通信制高校だからこそできる芸能活動やスポーツ
- 【通信に通学するとは】全日制高校・サポート校・通信制高校の「通学」の違い
- 転入(転校)と編入の違いとは?入学時期・単位などそれぞれの特徴を解説
- 通信制高校へ編入・転入(転校)するには
- 高2・高3でも通信制高校に編入できる?
- 高校留年してしまったら?その後の選択肢や基準などを解説
- 高校中退してしまったら?就職への影響・その後の選択肢を解説
- 不登校の原因とは?
- 子どもが不登校になる原因とやってはいけないこと
- 高校生の不登校の原因は?親がすべき対応と進路も解説
- 不登校から全日制高校へ進学するためのポイント7選!
- 不登校から高校進学するには?進学先の選択肢や原因別のおすすめを紹介
- 不登校から大学受験をめざす方法は?受験に必要な資格、成功体験を紹介
- 引きこもりの原因は?
- 不登校と通信制高校の関係
- 体調やプライベートを優先に
- サポート校とは?通信制高校との違いとは・特徴やメリットを紹介
- フリースクールとは?サポート校との違いや種類を徹底解説
- フリースクールのデメリットとは?不登校の子どもが後悔しないための注意点を解説!
- 子どもが後悔しないフリースクールの選び方を紹介
- 高校生が通えるフリースクールはある?メリット・デメリットもあわせて解説
- 声優をめざす人に通信制高校がおすすめな理由とは?
- ほっとルームコラム
- eスポーツコラム
- 長谷川先生のマナビトアソビ