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通信制高校は就職に不利?面接の対策や卒業後の進路を紹介

更新日:2024.10.31

通信制高校は就職に不利?

通信制高校から就職をめざす場合、高校の形態が理由で不利になることはありません。ただし、面接の練習や、選考を受ける業種の選定は入念に行いましょう。

この記事では、選考を受けるうえで注意するポイントや、通信制高校を卒業してからの進路についてご紹介します。

通信制高校を卒業した生徒の就職率

通信制高校は就職に不利?

令和元年度~令和4年度に通信制高校を卒業した生徒の就職率は以下のとおりです。

通信制
(全体)
公立 私立 全日制

定時制
令和元年度 18.9% 21.2% 18.5% 17.4%
令和2年度 16.0% 19.0% 15.6% 15.7%
令和3年度 15.0% 18.6% 14.5% 14.7%
令和4年度 14.9% 19.3% 14.3% 14.2%

卒業生の人数に対する就職者の割合は、全日制高校や定時制高校よりも、通信制高校のほうがやや高いといえます。ただし、就職率の推移は通信制も全日制・定時制も同様です。なお、令和3年度~令和4年度は、高校生だけではなく大学生の就職率も低下しています。国内全体の就職率が下がっていた時期です。

通信制高校で就職以外の進路の多くは、大学や専門学校などを含む専修学校への進学、職業訓練へ行くパターンなどがあります。中には進路を決めないまま卒業になってしまう生徒もいます。

通信制高校を卒業することで得られる卒業資格

通信制高校は就職に不利?

通信制高校を卒業すると、全日制高校と同じ高校卒業資格を得られます。大学や専門学校の受験資格もあり、総合型選抜(旧AO入試)や推薦枠での受験も可能です。また、就職活動をするにあたって応募資格に「高卒以上」とある求人に対しても、条件を満たしていることになります。

ただし、通信制高校の生徒を支援する「サポート校」だけの学習では高校卒業資格を取得できないため、注意が必要です。

通信制高校は就職に不利?

通信制高校は就職に不利?

通信制高校に進学したことが理由で、就職が難しくなるとはいえません。通信制高校を卒業するには、自分で教科を選択し計画的に学習を進めながら単位を修得する必要があります。

そのため、全日制高校よりも自己管理能力や自立心を身につけやすい環境です。就職活動で高校生活から身につけたスキルや学びをうまくアピールできれば、高い評価を得られるでしょう。

また、文部科学省による学校基本調査によると、通信制高校の生徒数は以下のように増加しています。

令和元年度 令和4年度 令和6年度

(速報値)
生徒数(人) 197,696 238,267 290,118

生徒数が増えていることから、通信制高校の認知が広まってきていることがわかります。通信制高校に通っていたというだけで採用を見送られることは基本的にないでしょう。

しかし、採用担当者が通信制高校に対して偏見を持っている場合は、選考を通過するハードルが高くなります。選考書類の作成や面接の練習などを丁寧に取り組み、対策を講じることが大切です。

通信制高校だからこそ資格が取りやすい

通信制高校は、資格を取得しやすいメリットがあります。なぜなら、通信制高校は自分で時間を調整しながら学校の勉強ができるため、資格試験の勉強時間を確保しやすいからです。

通信制高校は全日制高校よりも拘束時間が短く、全日制高校の生徒が毎日の通学や部活動などで割かれる時間を、資格試験の勉強に充てられます。

通信制高校なら、自分で勉強計画を立て、高校の勉強と資格試験の勉強を両立しながら資格取得をめざしやすいでしょう。

学校によっては資格取得を支援している制度やコースが設けられています。卒業後に就職する可能性があったり、めざす職業があったりする場合は、サポートが手厚い通信制高校がおすすめです。

通信制高校卒業と伝える必要がある?

通信制高校は就職に不利?

選考を受ける際に高校について聞かれることがあれば、通信制高校であると正直に伝えましょう。通信制高校に通っていると最初に伝えることで、その後の会話がスムーズに進みやすくなります。

また、通信制高校であることを隠したり、全日制高校に通っていると嘘をついたりすることはやめましょう。学歴詐称となり、事実が発覚したとき面接官からの印象が悪くなってしまいます。

ただし、履歴書やエントリーシートなどの選考書類に、高校が通信制であると記載する必要はありません。面接などの会話のなかで、通信制高校に通っている旨を伝えましょう。

面接では、通信制高校へ進学した経緯や、学校生活で学んだことなどをわかりやすく伝えることが大切です。採用担当者が通信制高校に関する知識を持っていなかったり、偏見があったりしても、プラスの印象を与えやすいといえます。

通信制高校によっては、就職支援の一環で面接対策の練習ができる場合もあります。面接で想定される質問に答える練習を、学校や自宅で繰り返しましょう。

通信制高校を選択した理由を面接で聞かれた際の答え方

通信制高校に進学すると就職が難しいとはいえないものの、なぜ全日制ではなく通信制を選んだのかを問われる可能性があります。ここでは、面接での答え方を、以下の理由ごとに解説します。

  • アルバイトと両立するため
  • 学業以外に打ち込みたいことがあった
  • 人間関係に悩んでいた

アルバイトと両立するため

学業とアルバイトを両立するために通信制高校を選んだ場合は、アルバイトをしたかった理由や、勤務先を選んだ理由を伝えましょう。就職をめざしている職種、職業に関係しているアルバイトなら、企業を志願する意思の強さをアピールできます。

たとえば、「業界での経験を積みたかった」や、「実際に働きながら実践的なスキルと知識を現場で習得したかった」などです。専門性の高い業界なら、積極的な行動力などが評価され、就職活動においてプラスに働きやすいでしょう。

面接では、アルバイトでの経験や学んだことも自分のアピールポイントになります。「接客業で得たコミュニケーション能力を、企業に入社後は顧客との関係構築につなげたい」など、具体的に説明することが大切です。

学業以外に打ち込みたいことがあった

もともと打ち込んでいた学業以外の活動へ専念したかった場合は、活動内容をわかりやすく伝えましょう。たとえば、スポーツや芸能活動、音楽や美術をはじめとした芸術活動などです。

スポーツなどの活動へ集中するには通信制高校が適している理由を伝えると、面接官が納得しやすくなります。「通信制高校は拘束時間が短く、打ち込みたい活動に専念しやすい環境だったため」などが一例です。

通信制高校なら、全日制高校に通う生徒が学校に通う時間も、自身の活動に費やせます。就職活動では、在学中に達成できた成果や、活動から学んだことなども話せるとよいでしょう。

人間関係に悩んでいた

人間関係に悩んでいたり、コミュニケーションが苦手だったりすることから、通信制高校を選ぶ方も多くいます。毎日登校して集団で授業を受ける全日制高校が合わないと感じた方もいるでしょう。

就職活動では、人間関係の悩みから学んだことや、悩んだ経験を今後につなげる方法などを伝えることが大切です。

たとえば、人間関係に悩んだときの乗り越え方や、周囲の人と関わるうえで意識していることなどがあげられます。さまざまな理由で通信制高校に入学した生徒たちとの出会いから、他人の選択やライフスタイルを尊重する考え方も身につけやすいでしょう。

人間関係に悩んで通信制高校を選んだ場合も、高校生活で得た学びが人間性の評価につながる可能性があります。

通信制高校から就職をうまく進める方法

通信制高校は就職に不利?

通信制高校からの就職をうまく進めるには、以下の方法があります。

  • 資格取得
  • スポーツ
  • アルバイト

拘束時間が短い通信制高校だからこそ、学業以外の活動に取り組みやすいといえます。就職活動に役立てる知識や経験を得て、自分のアピールポイントを作りましょう。

資格取得

在学中に資格を取得すると、就職活動を進めやすくなります。取得した資格によって、その分野に関する知識があることを客観的に証明できるためです。特に、専門的な知識やスキルを求められる業界では、資格によって自身の優位性を高められるでしょう。

たとえば、美容師や介護職員初任者研修、調理士などの資格を持っていると、就職後に即戦力として働けます。学校に専門分野を勉強できるコースがあれば、高校卒業と同時に資格の取得をめざせるでしょう。高校卒業後に専門学校へ入学する人材よりも、早くから専門職に就いて働けます。

ほかにも、通信制高校に通いながら、その分野に特化した予備校やスクールに通う方法もあります。通信制高校が提携しているスクールでスキルや知識を深めることで、資格の取得をめざす方法です。

また、ビジネスで使える簿記や英検、TOEICなどの資格もおすすめです。資格を取得するにあたって学習した内容は、幅広い業界で活用できます。

資格を取得していたり、TOEICで高得点を取っていたりすることで、競争率の高い大企業や有名企業の選考における競争力を高められるでしょう。取得した資格が、大卒就活生との差を埋める要素にもなります。

学校の勉強と資格の勉強を両立したことは、就職活動における大きなアピールポイントです。計画的に取り組まなければ、学校の勉強が不十分になったり、資格試験で不合格になったりします。資格を取得したことだけではなく、計画を立てる力や実行する力、継続力なども自己PRに取り入れましょう。

スポーツ

就職活動において、通信制高校で取り組んだスポーツの経験や実績をアピールする方法もおすすめです。スポーツで鍛えた精神力や体力は、就職活動では自身の強みになります。

スポーツは、競技に取り組むなかでコミュニケーション能力や協調性、責任感などを育めます。競技での成績や目標を設定して達成する力も、社会人に必要なスキルです。スポーツ経験者は、スポーツで得た強みを仕事につなげる方法を具体的に伝えましょう。

就職活動では、高校在学中にスポーツで収めた成績を面接や書類で伝えることが重要です。スポーツで得た経験や学びだけではなく、競技成績を伝えると、説得力が増します。スポーツ経験がなかったり、競技について知識がなかったりする採用担当者が理解しやすくなることも期待できます。

通信制高校は、全日制高校よりも練習時間を確保しやすく、多くの試合に参加しやすいため、スポーツに集中しやすい環境です。平日の日中もスポーツの練習に取り組めるほか、遠方で試合がある場合も、高校の授業を気にせず参加しやすいメリットがあります。

スポーツと学業は、平日の夜や練習がない日などに学校の勉強を行うことで両立が可能です。実際に多くのスポーツ選手が通信制高校を選択し、卒業しています。通信制高校に偏見を持つ採用担当者に対しても、スポーツ経験や競技から得た学びを伝えることで自己PRができます。

アルバイト

アルバイトでは、社会人として働いて収入を得る経験ができます。アルバイト経験で学んだ社会人としてのマナーやルールは、就職活動において大きな強みです。

たとえば、お客様への適切な接し方や、簡単なビジネスマナーを理解していることのアピールになります。同じアルバイト先に長期間勤務した経験があれば、継続力を評価される可能性があるでしょう。業務の生産性を高めるために工夫したポイントや、身につけたスキルは、社会人になってからの仕事につなげられます。

また、社会人経験を積むには、企業で研修を受けながら勤務できる「インターンシップ」もおすすめです。企業によっては高校生から参加できるインターンシップがあります。アルバイトと比較すると、インターンシップは企業の内部に入って業務を行い、社会人スキルを高めやすい環境です。

アルバイトやインターンでは、お金を稼ぐことの大変さや、自身の仕事が企業の信用に関わるといった責任感を学べます。就職活動を見据え、志望業種に関連のあるアルバイトやインターンを経験することで、入社後に即戦力として働きやすいでしょう。

なかには、アルバイトやインターン先でスキルや人柄などを評価され、そのまま採用されるケースもあります。高校卒業後に就職を予定している場合は、アルバイトやインターンに積極的に参加して、ビジネスマナーやスキル、業界知識などを身につけましょう。

通信制高校卒業後の就職先

通信制高校は就職に不利?

通信制高校卒業後は、サービス業や製造業など、さまざまな業界への就職をめざせます。文部科学省が実施した令和5年度学校基本調査では、通信制高校を卒業した生徒が就職した業種や人数を公表しています。

区分 人数(人)
サービス職業従事者 3,477
生産工程従事者 2,359
販売従事者 1,352
建設・採掘従事者 797
専門的・技術的職業従事者 732
事務従事者 716
保安職業従事者 628
運搬・清掃等従事者 367
輸送・機械運転従事者 213
農林業従事者 111
漁業従事者 16
上記以外のもの 630
合計 11,398

なお、ルネサンス高校にも、卒業後に声優として活躍している卒業生や、看護師になるといった明確な目標を持って勉強をしている卒業生がいます。

就職に役立つ分野とは

通信制高校卒業後に就職を希望する場合は、専門性が高くスキルや資格を活用できる分野を学ぶことがおすすめです。たとえば、プログラミング技術や美容師資格、英会話スキルなどです。税理士や公認会計士といった難関資格に挑戦するのもよいでしょう。

文部科学省による学校基本調査からも、通信制高校卒業後の進路に専門性の高い業種へ就職するケースが多いといえます。なかには、さまざまな分野のスクールと提携している高校もあり、通信制高校は専門的なスキルの習得をめざしやすい環境です。

卒業後に就職する可能性がある場合は、就職に役立つ専門性の高い知識やスキルを習得できる通信制高校を選びましょう。

通信制高校ならルネサンス高校

通信制高校は就職に不利?

ルネサンス高校では、動画授業とレポート提出、面接指導といった基本授業で高校卒業資格の取得に向けて学習します。基本授業のほかにも、美容関係のスキルやプログラミングスキルが学べるコースがあり、生徒一人ひとりの目標に合わせた学習プランで夢の実現をめざせる環境です。

さまざまな理由があって通信制高校を選択し、卒業後の進路を考えている場合、ルネサンス高校なら幅広く充実したサポートを受けられます。通信制高校からの就職活動が不安な方も、ルネサンス高校のサポートを受けながら、在学中にスキルや知識を身につけて万全な対策を行いましょう。

まとめ

通信制高校ならルネサンス高校

通信制高校からの就職が難しいとはいえません。しかし、採用担当者が全日制高校との違いや通信制高校の特徴を知らない場合もあります。

そのため、就職活動では、通信制高校を選んだ理由や学んだことなどを具体的に説明することが重要です。また、資格を取得したり、アルバイトで実務経験を積んだりすることで、就職活動における優位性を高めやすいでしょう。

卒業後に就職をめざすなら、就職活動をうまく進められるように計画を立て、入念に準備をしておくことが大切です。