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通信制高校の学費を徹底解説!知っておくべき費用と、利用できる助成金・奨学金

更新日:2025.06.26

通信制高校の学費の相場は?私立と公立の違い、負担軽減・無償化など解説

通信制高校への入学を検討されている方にとって、志望校選びの際「学費はどのくらいかかるのか」は重要なポイントです。
この記事では、公立と私立の学費の違いや学費負担が軽減される高等学校等就学支援金制度(以下、就学支援金)について、詳しくご紹介します。

通信制高校の学費の相場

通信制高校の学費の相場は

公立通信制高校の場合

公立通信制高校(東京都立の場合)にかかる費用相場を下記にまとめました。

項目 金額
入学金※初年度のみ 500円(自治体によって多少の変動あり)
授業料(年間)
※26単位履修の場合
年間約78,000〜26,000円程度
(300〜1,000円 / 1単位)
教材費、その他教育関連費 30,000円
施設設備費 なし
その他諸経費 約8,000~9,000円
(生徒会費・スクーリング時の交通費・レポート提出の郵送料など)

公立の通信制高校は、自治体が運営費の多くを負担しているため、学費が比較的安く設定されています。
多くの場合、すべての費用を合わせても年間で4万~6万円程度に収まり、3年間でも10万円以内に抑えられるケースもあります。これは、私立通信制高校の約10分の1程度の負担で済む計算です。

学習は、テキストや放送授業を使った自主学習が中心で、レポート提出にかかる郵送料や、月数回のスクーリング時の交通費などが主な実費になります。施設設備費も、私立に比べて特別な学習システムなどの導入が少ないため、ほとんどかからないことが一般的です。

ただし、自由度はやや低く、定められたスクーリング日程や試験日に出席する必要があります。学習内容も中学校卒業程度の学力を前提としており、個別のサポート体制は最小限であるため、自己管理能力が重要になります。

担任制を導入している学校もありますが、私立に比べると1人の担任が担当する生徒数が多い傾向があり、先生との接点も限られるため、自立して学習を進められる人に向いているといえるでしょう。

文部科学省の調査※によれば、私立通信制高校では15~18歳の高校年齢層が中心ですが、公立通信制高校では20歳以上の生徒も多く、働きながら通っている人も多いことがわかっています。

このような特徴から、学費を抑えられるメリットがある一方で、学習や生活面での不安がある方や中学時代に不登校経験がある方には、サポート体制の整った私立通信制高校も含めて検討することをおすすめします。

私立通信制高校の場合

次に、私立通信制高校にかかる費用相場を見ていきましょう。

項目 金額
入学金 10,000~50,000円
授業料(年間)
※26単位履修の場合
182,000~312,000円
(7,000円~12,000円/1単位)
教材費、その他教育関連費 10,000~60,000円
施設設備費 20,000~60,000円
その他諸経費 約5,000~20,000円
(学習システム利用料・模試代など)

民間の学校法人が運営する私立通信制高校では、公立と比べて学費は高めに設定されている傾向があります。その分、生徒一人ひとりに寄り添った手厚いサポートや、個々の希望・ライフスタイルに合わせた柔軟なカリキュラムが充実しているのが特徴です。

学費は、公立と同様に1単位ごとに設定されていることが多いものの、学校ごとの専門性や教育内容、設備の充実度によって差が出ます。公立に比べて、入学金や授業料のほか、教育関連費や施設設備費などが多くかかり、年間でおよそ20万円~100万円前後が目安となります(26単位履修の場合)。

近年はオンライン学習を中心とした学校も増えており、先生によるサポート体制が整っているため、卒業をめざしやすい環境が整っています。また、多くの学校では年に複数回の入学時期を設けており、柔軟なスケジュールが組めるのも魅力です。遠方に住んでいても、無理なく通える仕組みが整えられています。

また、芸能活動やスポーツに力を入れたい生徒向けのコースや、語学・ファッションなど専門性の高い分野に特化したカリキュラムを持つ学校もあり、学費がやや高めになる傾向があります。

通信制高校の学費の内訳

通信制高校の学費の内訳

ここでは、以下の通信制高校の学費の内訳について解説していきます。

入学金

入学金とは、通信制高校への入学資格を得るための費用です。公立なら500円程度、私立は10,000〜50,000円程度が相場といえます。

授業料

通信制高校(単位制)の授業料は1単位あたりで設定され、公立は300~1,000円程度、私立の多くは7,000円~12,000円程度となっています。

教材費、教育関連費

教科書、参考書、学習用資料、補助教材等の費用です。私立の場合には、カリキュラムや学習方法によって費用が大きく変わります。

施設設備費

スクーリングで使用する施設(面接指導等実施施設)や学習システムの利用費です。公立では学習システムの導入は少ないことから、システム利用費はかからないことが多く、代わりにレポート提出は主に郵送となるため、切手代等の送料が別途必要になります。

学費以外にかかりうる「サポート校利用費」

サポート校を利用する場合の費用です。
サポート校とは、通信制高校の生徒が勉強や精神面でサポートを受けられる教育機関のことです。無事に単位を修得して卒業できるように、専任の講師やカウンセラーが生徒一人ひとりを支援します。サポート校によっては、大学受験に向けた対策ができる場合もあります。

尚、サポート校利用費は就学支援金の対象外です。
また、通った日数は高校卒業要件のひとつ、スクーリング(面接指導)の登校日数には含まれません。
多くの通信制高校ではサポート校の利用は任意とされていますので、検討している高校へ「提携サポート校があるか」、ある場合は「利用必須か」等確認すると良いでしょう。

単位制の授業料はどう計算される?

単位制の授業料はどう計算される?

通信制高校の多くは「単位制」を採用しており、授業料は「1単位あたりの金額 × 履修単位数」で決まります。

履修単位数は生徒によって異なりますが、一般的には年間で20〜26単位程度を履修するケースが多いです。全日制のような学年制がないため、学習計画に応じて進度を調整できるのも特徴です。

たとえば以下のように、学校の種別や単位数によって授業料に大きな差が出ます。

  • 私立高校で「1単位あたり12,000円」、年間26単位を履修した場合 → 年間312,000円
  • 公立高校で「1単位あたり1.000円」、26単位を履修した場合 → 年間26,000円

このように、学校の種別や単位数によって授業料に大きな差が出ます。

通信制高校を卒業するには、合計74単位の修得が必要です。ただし、転入・編入する場合は、前籍校で修得した単位を引き継ぐことができるため、必要な単位数や授業料が少なくなる可能性もあります。正確な情報を知るために、「成績単位修得証明書」を前の学校に準備してもらいましょう。

なお、授業料は「修得単位数」ではなく「履修単位数」に対して発生します。単位を落としてしまうと、その分の授業料が無駄になってしまうため、計画的に履修することが大切です。

全日制高校・定時制高校の学費の違い

全日制高校・定時制高校の学費の違い

全日制高校と定時制高校では、学費が大きく異なります。

公立の場合、全日制高校の授業料は定時制高校に比べて大幅に高く、入学金も倍以上の差があります。授業料を含め、全日制高校の方が高額な学費がかかることが多いです。
私立の場合、定時制高校の授業料は学校によって異なるため一概に言えませんが、公立と比較して授業料や入学金は高くなる傾向があります。

いずれの場合も教科書代や通学費など、別途費用がかかることを考慮に入れる必要があります。志望校を検討の段階で、具体的な学費の計画を立てることが大切です。

また、3年以内に卒業できない場合、追加の費用がかかります。特に定時制高校は、1日に受ける授業数に限りがあるため、卒業に4年以上かかる可能性があることを留意しておく必要があります。事前に学業スケジュールを組み、計画的に進めることを心がけてください。

全日制高校と定時制高校の平均年間授業料・入学金(目安)※2024年12月時点

全日制授業料(入学金) 定時制授業料(入学金)
公立 118,800円(5,650円) 32,400円(2,100円)
私立 457,331円(165,898円) 304,000~1,078,000円
※東京都の場合

通信制高校の学費を軽減する方法

通信制高校の学費の相場は

通信制高校の学費を軽減するための制度には、さまざまなものがあります。
主な制度は、以下の4つです。

  1. 高等学校等就学支援金の利用
  2. 各都道府県の支援制度の利用
  3. 奨学金制度の利用
  4. 特待生制度の利用

それぞれの詳細を解説します。

1.高等学校等就学支援金の利用

通信制高校の学費の相場は

高等学校就学支援金とは、高等学校の授業料の一部を国が支援することで教育費用の負担軽減を目的とした制度のことです。全国の多くの生徒が制度を利用しています。

高等学校就学支援金の受給資格は、「日本国内に在住し、高等学校等に在学していること」です。

ただし、以下に該当する場合は支給対象外となるため、注意が必要です。

  • 世帯の年収(目安)が910万円以上
  • 過去に高校を卒業した人
  • 高校等の在学期間が36月を超えている場合(定時制・通信制等の場合は別途算定)

高等学校就学支援金を利用するには、学校を通じて申請が必要です。申請後、都道府県による審査を経て支給が開始されます。申請は基本的にオンラインで行い、保護者の収入情報の申告が必要です。マイナンバーカードを持っている場合、マイナポータルから課税情報を取得できます。

支給額は、公立高校と私立高校で異なります。公立高校授の場合、年額11万8,800円が支給され、実質授業料の負担は0円です。私立高校は、所得に応じて支給額が変動する仕組みです。

尚、高等学校就学支援金は保護者や生徒本人が受け取るのではなく、都道府県や学校法人などが代わりに受け取り、授業料に充当します。

2.各都道府県の支援制度の利用

家庭によっては、高等学校就学支援金を利用しても生活を維持していくことが困難な場合があります。そのような家庭を支援するために、各都道府県がさまざまな支援制度を用意しています。都道府県によって制度の内容が異なるため、事前に確認が必要です。

例えば、東京都では子どもが将来にわたって安心して学習できる環境づくりをねらいとして、令和6年度から所得制限を撤廃し、すべての世帯に都内私立高校平均授業料相当額である484,000円を上限に支援することとなりました。

他にも、東京都には授業料以外の教育費を助成する「私立高等学校等奨学給付金」があり、世帯の状況に応じて年額52,100円から152,000円を助成しています。

東京都に追随して大阪府も高等学校等授業料の完全無償化を決定し、令和6年度の高校3年生から段階的に制度を適⽤し、令和8年度に全学年で授業料完全無償化を実施する見込みです。

東京、大阪の大都市が全国に先駆けて高等学校等の授業料無償化を実現したことで、この流れは今後も加速していくことが予想されます。経済的な理由から私立高校への進学を諦めていた家庭の選択肢が広がり、教育機会の均等につながることが期待されています。

3.奨学金制度の利用

学費を軽減する方法として、奨学金制度の利用があげられます。奨学金とは、経済的な理由で学費の支払いが困難な学生に対し、学費を貸与または給付する制度のことです。奨学金には、「貸与型」と「給付型」の2種類があります。

貸与型は、学生の期間は返済の必要がありませんが、学校を卒業した後に返済しなければなりません。貸与型奨学金には、無利子のものと利子がつくものがあります。利子がつくタイプの奨学金は審査基準が低いため、借りられる可能性が高いものの、将来的に借りた金額よりも多くのお金を返済しなければならない点に注意が必要です。

給付型は、「給付」の扱いのため返済する必要はありません。そのぶん受給にあたっての審査が厳しく、限られた学生しか利用できません。

4.特待生制度の利用

奨学金や特待生制度について
奨学金や特待生制度について

特待生制度とは、学業やスポーツ、芸術などの分野で優れた能力を持つ生徒に対し、入学金や授業料のすべて、または一部を免除する仕組みのことです。特待生制度は学校独自の制度のため、制度自体がない学校もあります。

学費が免除される期間は、学校によってさまざまです。1年間のみの場合もあれば、3年間にわたって免除されるケースもあります。入学時に特待生になった場合は、2年生へ進級するタイミングで、特待生に該当するかどうかの判断がなされる場合もあるでしょう。

学校にとっては、特待生制度を設けることで、優秀な生徒を多く集められれば、大学進学実績向上の結果等として、入学希望者が増えるというメリットがあります。

なかには、家庭の経済状況が厳しい生徒をサポートする目的で制度を設けている学校もあり、その場合は世帯年収を判断基準としているケースが多いことが特徴です。

通信制高校の学費以外でかかりうる費用

通信制高校の学費の相場は

通信制高校に通うには、学費以外にも発生する費用があります。例えば、遠方の学校を選んだ場合、交通費は大きな出費となるでしょう。

また、サポート校を利用する場合は、サポート校の学費も必要です。サポート校の学費は、一般的に私立の全日制高校と同等の金額となります。

通信制高校(公立・私立)の学費の特徴や違い

公立の学費の特徴

公立の学費は、私立と比較し安いことが特徴です。その他の特徴として下記の点があげられます。

  • 紙レポートの場合、提出に郵便を用いることがあり切手代がかかる
  • 週1回程度の登校を必要とする公立が多いため、私立と比べて交通費がかかる

各特徴について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

紙レポートの場合、提出に郵便を用いることがあり切手代がかかる

通信制高校は単位修得にレポート提出が必要です。
多くの公立では学習システムが導入されておらず、紙のレポートを郵送にて提出することが多いです。

学習に関する郵便物は第四種郵便(※)として扱われ、100g以内であれば(2023年11月現在)15円の切手で送れます。100g増えるごとに+10円の切手代がかかり、郵便物の重さの上限は1kgです。
※第四種郵便とは通信教育等が対象となる郵便サービスです。

郵送の際、締切日までにレポートが提出できなかった場合、成績や単位修得に影響するため注意が必要です。レポート提出締切日が「レポート発送日(消印日)」か「到着日」か等、事前に確認しましょう。

週1回程度の登校を必要とする高校が多いため、交通費がかかる

公立のスクーリングは週1回~隔週1回程度と私立と比較し多いです。そのため、登校するための交通費も多くかかります。
自宅から高校までの距離が遠い場合には、どの程度交通費がかかるか事前に確認されることをおすすめします。

私立の学費の特徴

私立の特徴として下記の点があげられます。

  • 学習システム等が充実している分、教育関連費や施設設備費が高くなる
  • 専門的なコースがありコースを受講する場合、追加費用がかかる場合がある
  • 修学旅行や遠足等、イベントへの参加に応じて費用がかかる場合がある

各特徴について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

学習システム等が充実している分、教育関連費や施設設備費が高くなる

私立は公立と比較して、学習システム等をはじめとした設備が充実しています。
その反面、教育関連費や施設設備費は公立よりも高くなり、その分負担は大きくなります。

専門的なコースがありコースを受講する場合、追加費用がかかる場合がある

私立の通信制高校には、語学やプログラミング、ファッションや芸能など専門コースや特徴的なコースが設置されている学校があります。コースの受講を検討されている方は、通常の学費に加えてコース受講費用が追加で発生する場合がありますので、あらかじめ確認しておきましょう。

修学旅行や遠足等、イベントへの参加に応じて費用がかかる場合がある

私立の通信制高校の中には、修学旅行や遠足をはじめとしたさまざまなイベントを行っている学校があります。イベントへの参加費用は学費とは別に負担する必要があり、修学旅行の移動先次第では負担が大きくなります。
ただし、イベントは強制参加ではなく任意参加としている場合が多いので、参加したいイベントを選ぶことで費用を抑えられるでしょう。

学費の支払い方法について

通信制高校の入学書類とともに学費の支払いについての書類が届く場合が多く、書類に支払期日が記載されています。
学費等の納入は一括納入の場合が多く、分割払い(学費サポートプラン)を用意している学校もあります。志望校選びを進める際、早めに確かめて準備を進めておきましょう。

学費サポートプラン(提携教育ローン)とは

学費のサポートプランとして教育ローンを用意している学校もあります。
教育ローンとは、一括での学費支払いが難しい場合、契約した金融会社へ月々学費を払っていくシステムです。分割でのお支払いを希望されている方は、検討している高校の入学相談窓口まで学費サポートプラン(提携教育ローン)について確認しましょう。

納入期限について

学費の納入期限は学校により異なりますが、指定期日までに入金が確認できない場合、入学辞退とみなされる場合があるため注意が必要です。入学辞退とならないよう、指定期日までに必ず納入するようにしましょう。

学費は高くても私立が人気の理由

学費は高くても私立が人気の理由

通信制高校の学費において、公立よりも私立の方が高い傾向にありますが、多くの生徒が私立を選び入学しています。その背景には、私立の提供する柔軟で学びやすい環境にあります。例えば、課題をオンラインで提出することができたり、スクーリング日程を調整できたりすることが多く、生徒それぞれの生活スタイルに合った学びが可能です。また、サポート体制が充実していることが一般的です。

通信制高校を選ぶ際に迷った場合は、自分のペースで進められるか、継続しやすい環境が整っているかを重視すると良いでしょう。課題提出方法やスケジュール調整の柔軟性、サポートの内容などを確認しながら、最適な学校を選ぶことが大切です。

通信制高校ならルネサンス高校

通信制高校の学費の相場は

ルネサンス高校は2006年に開校し、現在はグループ3校で全国からの入学を受け入れています。通常のスクーリングだけでなく、保護者と一緒に参加できる「親子スクーリング」や、20歳以上を対象としたスクーリングなど、幅広いニーズに対応している点が特長です。

1年を通して学びの場を提供しているため、担任と調整しながら都合の良いスケジュールで学習可能です。「通信」のみを選択した場合でもサポートが充実しているため、スムーズに高校卒業をめざせます。

まとめ

通信制高校の学費の相場は

通信制高校の学費について解説しました。学校によって学費に差がありますが、私立高校の場合は高額になるケースが多く、家計にとっては重い負担となるでしょう。

しかし、高等学校等就学支援金をはじめ、経済的な負担を軽減させるためのさまざまな制度が存在します。それぞれの家庭の状況に合わせて、上手に活用すると良いでしょう。

高等学校での学びは、その後の人生の可能性を大きく広げてくれます。経済的な理由で進学を諦めるのではなく、前向きに検討してみてください。