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高等学校等就学支援金とは?支給額・年収の目安や申請の流れ、注意点をわかりやすく解説

更新日:2025.07.01

高等学校等就学支援金とは?支給額・年収の目安や申請の流れ、注意点をわかりやすく解説

高等学校等就学支援金は、返済不要の授業料支援が受けられる制度です。
教育にかかる費用を軽減できる便利な制度ですが、給付資格を得るには、学生の給付要件や保護者の所得要件を満たす必要があります。

今回は、高等学校等就学支援金の支給対象になる生徒や保護者の所得要件、支給額の目安、申請方法等について詳しく解説します。

高等学校等就学支援金とはどんな制度?

高等学校等就学支援金とはどんな制度?

高等学校等就学支援金は、返済不要の授業料支援制度です。教育費の負担を軽減し、すべての生徒に等しく教育の機会を提供することを目的としています。

対象となるのは、日本国内に住所を有する高校生で、保護者等の所得が一定基準を満たしている場合に、申請手続きを経て支給されます。
なお、2025年度の制度改正により、支援対象が拡大され、「高校生等臨時支援金」が新たに創設されました。これは、これまで対象外だった年収約910万円以上の世帯の高校生も授業料支援を受けられるようにするためのものです(※2025年度限り)。

また、2026年度以降は、所得制限の撤廃を含む「高校授業料の無償化」が本格的に予定されています。

支援金の種類 支給対象
高等学校等就学支援金 年収約910万円未満の世帯の高校生
高校生等臨時支援金 年収約910万円以上世帯の高校生
※2025年度のみ

2026年度からは、所得制限の撤廃等を含めた「高校授業料の無償化」が検討されています。

高等学校等就学支援金の支給額の目安

高等学校等就学支援金の支給額の目安

高等学校等就学支援金の支給額は、年収590万円・年収910万円が目安になりますが、所得要件の判定には計算式を用いて算出する必要があります。

ここでは、学校種別の支給額の目安、支給額シミュレーションを確認していきましょう。

全日制公立高校の場合

全日制公立高校の支給期間・支給限度額を、以下の表にまとめました。

授業料
(定額の場合)
授業料
(単位制の場合)
支給期間 36月 36月
支給限度額 9,900円/月 4,812円/単位
※通算74・年間30単位まで
加算額

全日制公立高校に通う生徒の場合、支給限度額は月額9,900円(年額11万8,800円)です。

国公立高等学校の授業料は年間118,800円であるため、実質的な授業料はかかりません。ただし、入学費や授業料以外にかかる教育費については自己負担が必要です。

全日制私立高校の場合

全日制私立高校の支給期間・支給限度額を、以下の表にまとめました。

授業料
(定額の場合)
授業料
(単位制の場合)
支給期間 36月 36月
支給限度額 9,900円/月 4,812円/単位
※通算74・年間30単位まで
加算額 23,100円/月 11,228円/単位
※通算74・年間30単位まで

全日制私立高校の場合、年収590万円・910万円で支給額が2段階に分かれます。所得要件の判定は、世帯の構成等を反映した計算式で算出します。

【計算式】保護者等の「課税標準額(課税所得額)× 6%-市町村民税の調整控除の額

算出金額 支給金額
15万円4,500円未満(年収目安590万円未満) 年間39万6,000円
15万円4,500円以上30万4,200円未満(年収目安910万円未満) 年間11万8,800円

課税標準額・市町村民税の調整控除の額は、以下のいずれかの書類で確認できます。

  • 市民税・県民税 特別徴収税額決定通知書
  • 市民税・県民税 課税(非課税)証明書
  • 市民税・県民税 納税通知書

ただし、市町村民税の調整控除の額は、各書類に記載がない場合があります。詳しくは、市町村民税を納税する市町村に直接問い合わせてみましょう。

通信制・定時制高校の場合

通信制・定時制高校の支給期間・支給限度額を、以下の表にまとめました。

通信制高校の場合

公立 私立
授業料
(定額の場合)
授業料
(単位制の場合)
授業料
(定額の場合)
授業料
(単位制の場合)
支給期間 48月 48月 48月 48月
支給限度額 520円/月 336円/単位
※通算74・年間30単位まで
9,900円/月 4,812円/単位
※通算74・年間30単位まで
加算額 14,850円/月 7,218円/単位
※通算74・年間30単位まで

定時制高校の場合

公立 私立
授業料
(定額の場合)
授業料
(単位制の場合)
授業料
(定額の場合)
授業料
(単位制の場合)
支給期間 48月 48月 48月 48月
支給限度額 2,700円/月 1,740円/単位
※通算74・年間30単位まで
9,900円/月 4,812円/単位
※通算74・年間30単位まで
加算額 23,100円/月 11,228円/単位
※通算74・年間30単位まで

全日制高校と異なるのは、通信制・定時制高校の場合、原則48月まで支給されることです。

なお、全日制高校から通信制・定時制高校に転学した場合は、支給期間から前籍校の在学期間を差し引いた月分が支給されます。

支給額シミュレーション

文部科学省では、支援金を利用できる世帯年収の目安を公表しています。

両親共働きの場合

子どもの数 控除対象者 11万8,800円の支給対象 39万6,000円の支給対象
子ども1人(高校生) 扶養控除対象者1人 ~約1030万円 ~約660万円
子ども2人(高校生・中学生以下) 扶養控除対象者1人 ~約1030万円 ~約660万円
子ども2人(高校生・高校生) 扶養控除対象者2人 ~約1070万円 ~約720万円
子ども2人(大学生・高校生) 扶養控除対象者1人

特定扶養控除対象者1人
~約1090万円 ~約740万円
子ども3人(大学生・高校生・中学生以下) 扶養控除対象者1人

特定扶養控除対象者1人
~約1090万円 ~約740万円

両親のどちらかが働いている場合

子の数 控除対象者 11万8,800円の支給対象 39万6,000円の支給対象
子ども1人(高校生) 扶養控除対象者1人 ~約910万円 ~約590万円
子ども2人(高校生・中学生以下) 扶養控除対象者1人 ~約910万円 ~約590万円
子ども2人(高校生・高校生) 扶養控除対象者2人 ~約950万円 ~約640万円
子ども2人(大学生・高校生) 扶養控除対象者1人

特定扶養控除対象者1人
~約960万円 ~約650万円
子ども3人(大学生・高校生・中学生以下) 扶養控除対象者1人

特定扶養控除対象者1人
~約960万円 ~約650万円

所得要件の判定は、以下の計算式で算定基準額を求める必要があります。

【計算式】保護者等の「課税標準額(課税所得額)× 6%-市町村民税の調整控除の額

上記内容をふまえて、試算にお役立てください。

支給対象となる生徒・保護者の要件

支給対象となる生徒・保護者の要件

高等学校等就学支援金を受けるには、一定の要件を満たす必要があります。ここでは、対象になる生徒や学校種、受給対象外のケースを確認していきましょう。

高等学校等就学支援金制度の対象となる高校・学校種別

高等学校等就学支援金制度は、2014年度以降に高校等へ入学する生徒が対象です。対象となる学校種別は、以下の通りです。

  • 高等学校
  • 中等教育学校(後期課程)
  • 特別支援学校(高等部)
  • 高等専門学校(1~3年)
  • 専修学校高等課程
  • 専修学校一般課程、または各種学校のうち国家資格者養成課程を置くもの
  • 文部科学大臣が指定する外国人学校
  • 海上技術学校

指定された外国人学校については、文部科学省が公表している「高等学校等就学支援金制度の対象として指定した外国人学校等の一覧※」を参照してください。

なお、高等学校等の「専攻科」への支援は、2020年度から「授業料減免支援」として開始されています。ただし、これは就学支援金とは別の制度であり、対象や条件が異なります。たとえば、失業など家庭の経済状況に変化があった場合、地方自治体によっては臨時的な支援制度が適用されることがあります。

制度の詳細は都道府県ごとに異なるため、具体的な申請条件や手続きについては、在籍している学校や都道府県の教育委員会に確認することをおすすめします。

受給対象とならない方

高等学校等就学支援金制度の対象外になるのは、以下に該当する場合です。

  • 高等学校等をすでに卒業している場合
  • 高等学校等を卒業済みの場合や在学期間が3年(定時制・通信制は4年)を超えている場合
  • 専攻科・別科の生徒や科目履修生、聴講生
  • 受給資格の所得要件を超える収入がある世帯の生徒

年収が910万円以上ある世帯の場合、高等学校等就学支援金制度の対象から外れます。共働き世帯の場合は、夫と妻の収入を合わせた合算額が判断基準です。

なお、所得要件の判断基準となる世帯収入とは、原則として生徒の親権者の収入のことを指します。祖父母が同居している場合にも、祖父母の所得は、所得要件判断基準となる世帯収入には算入されません。

保護者が離婚している場合は、養育者ではなく、親権者の収入が判断基準となります。

高等学校等就学支援金の申請方法

高等学校等就学支援金の申請方法

高等学校等就学支援金を受けるには、申請が必要です。新入生は入学時に、在校生は収入状況の届出が必要になる7月頃までに学校から案内があります。

高等学校等就学支援金は、オンライン申請が可能です。高等学校等就学支援金制度の事務処理を支援するオンライン申請システム「e-Shien」で行います。ログインには、学校から配布されるID・パスワード、保護者のマイナンバー情報などが必要です。

オンラインでの申請手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 学校配布のパスワード・IDでログインし、生徒情報を確認
  2. 支給を受けるか否かの登録
  3. 保護者情報の入力
  4. 保護者などのマイナンバーカードがある場合はマイナポータルから課税情報を取得・ない場合は保護者等のマイナンバーを入力(都道府県にて課税情報などを確認)
  5. 入力内容などを確認し、提出

提出が必要な書類とその期限などは所属する学校と属する都道府県によって違うため、学校からの案内に従って申請を進めましょう。高等学校等就学支援金の支給は、申し込みが行われた月から開始します。

高等学校等就学支援金制度の申請における注意点

高等学校等就学支援金制度の申請における注意点

高等学校等就学支援金の申請時には、以下の2点に注意しましょう。

  • 地方住民税の申告が必要
  • 親権者が海外にいる場合は加算支給がない

注意点を把握しておかないと、申請が受けられない可能性があります。

地方住民税の申告が必要

高等学校等就学支援金の支給対象か否か、また支給額の決定などに必要な所得確認は地方住民税情報に基づいて行われます。そのため、保護者などの地方住民税が未申告の場合は、申請前に申告しておきましょう。

親権者が海外にいる場合は加算支給がない

親権者の一方が海外にいるケースでは、日本に居住している親権者の税情報で判断します。また、親権者双方が海外に居住していて課税証明ができない場合でも生徒が日本在住であれば申請は可能で、その場合の支給額は基本額である11万8,800円です。

ただし、いずれのケースにおいても加算支給はありません。

高等学校等就学支援金の給付の流れ

高等学校等就学支援金の給付の流れ

高等学校等就学支援金は、都道府県や学校法人等の学校設置者が生徒本人の代わりに受け取り、授業料に充当します。生徒や保護者が直接受け取るものではありません。

高等学校等就学支援金の給付の流れは、以下のとおりです。

  1. 【生徒】必要書類を学校事務室に提出する
  2. 【学校】必要書類を都道府県に提出する
  3. 【国】就学支援金を都道府県に交付する
  4. 【都道府県】学校に就学支援金を給付する
  5. 【学校】就学支援金と授業料を相殺する

国公立高校の授業料負担は実質0円ですが、私立高校等の場合、就学支援金で授業料を完全に賄うことができない可能性があります。この場合は、差額の費用を保護者が負担しなければいけません。負担金に関する詳細は、学校に直接問い合わせましょう。

就学支援金以外にもある学費支援制度

就学支援金以外にもある学費支援制度

高校生等奨学給付金

高校生等奨学給付金は、高校の授業料以外の教育費にかかる負担軽減を目的にした奨学金制度です。

具体的な教育費としては、教科書費や入学に際しての学用品費、生徒会費、修学旅行費、通信費、PTAの会費などがあげられます。また、高等学校等奨学給付金の対象となる学校種は高等学校等就学支援金の対象校と、高校の専攻科です。

授業料を支援する高等学校等就学支援金との併用も可能ですが、別々に学校、もしくは各都道府県に申し込む必要があります。

給付要件について

高校生等奨学給付金の給付要件は、高等学校等就学支援金とは異なります。高校生等奨学給付金の給付要件は、以下のとおりです。

  • 生活保護を受けている世帯
  • 住民税所得割非課税(年収約270万円以下)の世帯

なお、なんらかの事情で家計が急変し、住民税取得割非課税に相当する状態の世帯も給付対象になります。

支給額の目安

高校生等奨学給付金は、生活保護世帯と住民税所得割非課税の世帯で支給額が異なります。また、住民税所得割非課税世帯においては第一子と第二子以降で支給額が異なるため、注意が必要です。

以下に、令和6年度の高校生等奨学給付金の年額給付額をまとめました。

学校区分 給付額(年額)
生活保護受給世帯 国立・公立 3万2,300円
私立 5万2,600円
非課税世帯
(第一子)
国立・公立 12万2,100円
私立 14万2,600円
非課税世帯
(第二子以降)
国立・公立 14万3,700円
私立 15万2,000円
非課税世帯
(通信制・専攻科)
国立・公立 5万500円
私立 5万2,100円

通信制高校ならルネサンス高校

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ルネサンス高校は高等学校等就学支援金や、各都道府県の奨学金(高校生等奨学給付金)の対象校です。

また、ルネサンス高校では高校卒業資格取得に必要な学びのほかにも、美容やプログラミング、アニメーションなどの専門スキルを養えるさまざまなオプションコースが用意されており、幅広い分野の知識を得られる環境が整っています。

ルネサンス高校なら、支援制度を利用して学費の負担を抑えつつ、興味や将来の目標に応じたスキルを習得できます。自分らしい学びのペースで学業と専門分野の学習を両立し、卒業後の進路に向けた準備ができるため、将来の可能性をさらに広げることも可能です。

まとめ

まとめ

高等学校等就学支援金は、返済が必要のない授業料支援が受けられる魅力的な制度です。

教育費用の負担軽減と平等な教育機会を図ることを目的としており、経済的な理由で進学を諦めていた生徒も安心して進学できる環境を作る制度です。また高等学校等就学支援金以外にも、自治体独自の奨学金や授業料減免制度等の学費支援制度もあります。

金銭的な負担を軽減したい方は、これらの制度をうまく活用してみてはいかがでしょうか。