起立性調節障害・体調・通学不安に配慮した「1日の学び方」
更新日:2025.09.30

「朝起きられずに学校に行けない」「体調の波で毎日の登校が続けられない」――そんな悩みを抱える中学生・高校生は少なくありません。特に起立性調節障害(OD)は思春期に多く見られる症状で、不登校の大きな要因のひとつとも言われています。
通信制高校は、登校時間や学習スタイルを柔軟に調整できるため、体調不安がある生徒でも無理なく学び続けられる最適な選択肢です。この記事では、起立性調節障害や通学不安を抱える方に向けた、「体調に配慮した無理のない"1日の学び方"」を紹介します。この生活イメージをつかみ、安心して後悔のない学校選びを進めましょう。
起立性調節障害や体調不安があっても学べる通信制高校

起立性調節障害とは?
起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)は、自律神経の働きの乱れにより「朝起きられない」「午前中に強い倦怠感がある」といった症状が現れる病気です。
中学生のおよそ1割が起立性調節障害を発症すると報告されており※、小学生や中学生、高校生にも症状が見られるケースがあります。特に不登校の背景要因のひとつとして、朝の決まった時間に登校することが難しい「起立性調節障害」が大きな課題となっています※。
通信制高校が向いている理由(体調に配慮できる柔軟性)
通信制高校が体調不安を抱える生徒に選ばれているのは、その学習の柔軟性にあります。
- 登校の自由度: 全日制と異なり、毎日朝の決まった時間に登校する必要がなく、体調を整えてから学習を開始できます。
- 登校日数の調整: 年間数日のスクーリング(面接指導)を除き、登校日数が少なく、体調の波に合わせて無理なく学習を続けられます。
- 学習場所の選択肢: 自宅やオンラインで学習できるため、通学による体力的な負担や、人混みによる精神的な不安を軽減できます。
- 自分のペースで進められる: レポートや動画授業など、学習進度を自分のペースに合わせやすい点も、大きな安心材料です。
この柔軟性こそが、不登校を経験した生徒が求める「再スタートの土台」となります。
お子さまの体調を最優先にしながら、確実に高校卒業をめざす上で、この「自分で選べる柔軟な学び方」は不可欠な条件です。
お子さまのペースで焦らず学習を進められる通信制高校は、単なる進路の選択肢ではなく、心身を回復させるための環境であると言えます。
通信制高校の1日の流れを知ろう ー 在宅学習中心型

通信制高校の最大のメリットは、「午前中は休養にあてる」という体調に合わせた時間割を自分で組める点です。
ここでは、起立性調節障害や通学不安がある方に最適な、在宅中心の基本スケジュール例をご紹介します。
時間帯 | 活動内容 | ポイントと調整の視点 |
---|---|---|
午前 | 休養・体調調整 | 無理に活動せず、体調が安定するまでゆっくり過ごします。登校時間に縛られないことが最も重要です。 |
昼 | 動画授業・レポート | 午後から集中力が高まることが多い起立性調節障害の特性を活かし、集中しやすい時間帯に学習をスタートします。 |
午後 | レポート・趣味・通院 | 学習が続かない場合は休憩を挟みながら、通院や軽い散歩などの活動を取り入れます。少しずつ生活リズムを安定させる時間にしましょう。 |
夕方 | 自由時間・軽い運動 | 家族や友人との交流も大切に。 |
夜 | 趣味・復習・レポート(余裕があれば) | 趣味でリフレッシュする時間を大切にしましょう。ただし、夜更かしは体調悪化の最大の要因です。就寝時間を守り、睡眠を優先しましょう。 |
通学型を取り入れたスケジュール例:段階的な社会復帰
自宅学習に慣れてきた後、あるいは最初から少しずつ通いたい生徒のために、多くの通信制高校では多様な通学オプションを提供しています。
スケジュールのポイント | 体調不安への配慮とメリット |
---|---|
週1〜2日の午後の登校・通学 | 登校頻度と時間を最小限に抑え、午後に設定することで、起立性調節障害などで午前中の体調が優れない生徒も無理なく参加できます。 |
少人数制のクラス | 大勢の生徒がいる教室に抵抗がある場合でも、少人数体制のクラスを選べる学校もあります。心理的なプレッシャーを軽減し、先生の目も届きやすい環境です。 |
「高校生活らしさ」の体験 | 友達や先生と対面で交流する機会がより多く生まれます。これは、孤立感を解消し、心のリハビリとして機能します。 |
受験期のスケジュール例:自分の体調に合わせた戦略的な学習
「不登校だと大学受験は難しいのでは」という不安を抱える保護者の方もいますが、通信制高校では自分の体調と能力を最大限に活かした受験対策が可能です。
スケジュールのポイント | 受験成功に向けた戦略的なメリット |
---|---|
夜型リズムの活用 | 体調の波が少ない時間帯(午後、あるいは個人にとって集中しやすい時間)を見極め、そこに主要科目の学習を集中させることができます。全日制高校のように決まった朝の時間に無理に合わせる必要はありません。 |
オンライン個別指導の活用 | 予備校への通塾の負担(移動時間、人混み)をなくし、自宅からオンラインで個別指導を受けられます。効率よく苦手科目を克服し、受験対策を進められます。 |
精神的な安定の維持 | 全日制のような「毎日学校に行って、放課後にまた塾に行く」という過密スケジュールがないため、体調を崩しにくい状態で受験本番に臨めます。 |
学び方の工夫とサポート体制で無理なく続けるために
体調に不安がある生徒が無理なく卒業するためには、学校選びと日々の学習方法に工夫が必要です。
1. 学習環境の工夫
ネット学習を通し効率的に単位修得をめざす
自宅で取り組める動画授業やレポート課題を最大限活用し、登校による身体的・精神的な負担を大幅に減らし、自宅にいながら効率よく単位修得を進められます
学習ペースの相談
担任の先生と相談し、体調の悪化が見られたらすぐにレポートの提出ペースを調整できるようにしておきましょう。
2. スクーリングの事前確認
登校日数と宿泊の有無
スクーリング(面接指導)の日数、開催場所、宿泊が必要かどうかは、入学前に必ず確認しましょう。集中型スクーリングの場合、短期間で集中的に登校を終えることができます(高等学校通信教育規程に基づき、スクーリングは卒業要件の1つです)。
3. 安心できるサポート体制
専門家によるサポート
担任制度はもちろん、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、専門知識を持つスタッフに相談できる環境があるかを確認しましょう。体調不良の背景にある精神的な不安や、生活環境の調整までサポートしてもらえます。
通信制高校を選ぶときのチェックポイント
体調不安を抱える方が後悔しない学校を選ぶために、以下の点を資料請求や学校説明会で確認しましょう。
チェック項目 | 確認ポイント |
---|---|
通学の柔軟性 | 登校日数や登校時間帯に自由度があるか(週5日/週1日/年数日など) |
体調への理解 | 起立性調節障害など、症状に対する知識や配慮がある先生がいるか |
学習フォロー | オンライン個別指導など、自宅で手厚い学習サポートを受けられるか |
安心感 | スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、専門家による相談体制があるか |
高校生活の機会 | 文化祭や部活動など、体調に合わせて参加できる交流の機会があるか |
体調不安に寄り添う学習を叶える一つの選択肢
体調不安や通学に悩む生徒にとって、「自分のペース」を最も尊重してくれる学校を見つけることが卒業へのカギとなります。
例えば、ルネサンス高校グループは、生徒一人ひとりの健康状態と向き合いながら、卒業をサポートしている通信制高校の一つです。特に体調の波がある生徒の学習継続に特化して、以下のような環境を整えています。
体調を最優先できる学習スタイル
- 自宅やネット学習を主軸とし、朝の決まった登校負担を最小限に抑えられます。
- オンライン個別指導などにより、これまでの学習の学び直しをはじめ、通塾の負担なく学習を進めることが可能です。
専門家が連携する安心のサポート
- 担任の先生によるレポート進捗フォローに加え、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門家がサポートに加わり、体調不良の背景にある精神面や生活面での課題まで幅広く対応します。
生徒の状況に合わせたスクーリング
- 登校日数が少ない集中型スクーリングを、1年を通して開催。担任と相談し、体調の良いタイミングを選んで参加できます。
- 登校への心理的ハードルを下げるために、保護者と一緒に参加できる「親子スクーリング」、集団での活動が不安な方向けの「個別スクーリング」、成人の方が対象の「20歳以上限定スクーリング」など、状況に応じたスタイルを用意しています。
「体調に配慮しながらも、諦めずに高校卒業をめざしたい」その想いに応えられる環境が、あなたに合った通信制高校にはきっとあります。
まとめ|通信制高校が提供する3つの安心

通信制高校は、生徒の心身の健康を最優先にするために、以下の安心を提供します。
- 時間的な安心: 学習時間を自分で決められるため、起立性調節障害などで朝型のリズムが難しい生徒でも、焦りを感じることなく学習を開始できます。
- 空間的な安心: 自宅でのネット学習を中心に進められるため、人混みや教室での人間関係といった通学不安を解消できます。
- 心理的な安心: 担任や専門のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが体調の波に理解を示し、学習の遅れを責めない環境があるため、自己肯定感を傷つけることなく学び続けられます。
次のステップ:選択肢を知ることから始めよう
お子さまにとって最適な「1日の学び方」を見つけるには、まず「どんな選択肢があるのか」を知ることが重要です。
ぜひ、今回紹介した柔軟な学習スタイル、専門家によるサポート、無理のない登校方法が整っているかをチェックリストとして活用し、具体的な行動に移してください。
「我が子の体調やペースに合わせてくれる学校はあるのだろうか」という不安は、資料請求や個別相談を通じて解消できます。
お子さまに最適な「1日の学び方」が見つかる資料を今すぐ請求し、安心して学校生活を再スタートさせましょう。
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